あらすじ
邪な心を持つ者に
その「瞳」を渡してはならない
乱歩賞作家が描く、時空を超えたトレジャーハント・ミステリー!
預けたいものがある、という電話の二日後に不審死を遂げた恩師。友人の栗原、恩師の娘・夕子と遺品整理をした北斗は、自分にあてた謎のメッセージを見つける。恩師が託そうとしていたものは何か。なぜ、彼は死ななければならなかったのか。真実を追う北斗たちは、やがて「クメールの遺物」をめぐる争奪戦に巻き込まれてゆく。
圧倒的スケールの”秘宝”争奪戦!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
会社員としての仕事のかたわら、カメラマンとして活動する平山北斗は、学生時代の恩師で、現在も親交のある鳥類学研究室の樫野教授から、『君にいったん預けたいものがある』と頼まれる。しかし教授はその二日後に亡くなってしまう。本当に事故だったのか。教授は何を預けようとしていたのか。北斗は学生時代の友人や恩師の娘らとともに、恩師の遺した謎を追っていく。クメール王朝の遺物の正体とは――。
というのが、物語の導入で、様々な過去の歴史的な出来事が挟み込まれながら、現代を生きる北斗たちは、数奇な運命を辿るクメールの遺物を巡る戦いに巻き込まれていきます。簡潔で的確な文章から立ち上がる美しい情景描写、一筋縄ではいかない、そして胸の熱くなる展開。大変、素敵な冒険小説でした。
Posted by ブクログ
面白かった。
ただ異国の遺物を探し出す長い旅の話かなと思ったら、遺されたヒントを元に故人が辿った道筋を辿る冒険譚。過去と未来を行き来する話と、全て繋がった時の爽快感が素晴らしかった。オタクの知識はやはり凄い。。恩師の言葉や思い出、遺物を元に受け継がれる想い等、人が亡くなっても受け継がれるものがある事に心が温まった。
前後編で話が膨れそうなのに1巻でサック読める綺麗にまとまった話だった。