あらすじ
江戸川乱歩賞作家が描く、近未来ディストピア・ミステリー
二〇三八年、急激な温暖化で海面が上昇し、沿岸都市が水没。自然環境保護が最大の正義とされ、
自然を守るためなら武力行使さえいとわなくなった世界で、ある日コンテナ船がジャックされた。
要求に従わなければ爆弾が炸裂し、流出した燃料が深刻な環境汚染を招くおそれがある。
それを防ぐため投入された特殊部隊により、迅速に事件は解決したかに思われた。
しかし、その陰には人類の脅威となる巨大な陰謀が隠されていた!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
近未来SF
気候変動により窮地に立った人類は人命より環境保護を優先する世界に
普遍的な正義はあるのか?
多数派の意見に同調しているだけでは?
自分の正義を押し付けてるだけでは?
今の社会で表立って言えない筆者の思いが伝わって来る感じがする
小泉さんか誰かが言ってた「○○ナチズム」
環境だけではない…多様性とか…
Posted by ブクログ
近未来ディストピア×ミステリー。人命は地球環境よりもずっとずっと軽い世界。ミステリー要素は少なめだけど、ディストピア好きの方にもそうでない方にも手に取って頂きたい一冊。多数決?信念?現実性?正義とは何かについて深掘りしましょう。
面白い
近未来SFで、温暖化が異常に進んだ結果世界秩序が崩壊し、荒廃的になった世界、日本
時代背景や設定が面白く、既出の人物や事象でたっても適度に説明を入れてくれるおかげで分かりやすく、ストレスなく読める作品だった
ただ個人的には、後半以降の展開は単調だと感じた
Posted by ブクログ
地球温暖化による“大異変“とそれに続く“異変戦争”更には過去のウイルス。安生正さんを彷彿とさせるパニック小説。一気読みしてしまった。そう遠くない近未来に現実に起きそう。「絶対の正義なんてもんはない」そう。人の数だけそれぞれの正義があるけど、結局は力のある人の正義しか…。
Posted by ブクログ
想定以上で温暖化が加速した近未来で、環境保護・自然保護こそが最優先の社会正義になった世界が舞台。導入からの舞台設定の件までは良かったが、そこからのミステリーのプロットには全然興趣を感じなかった。大きく構えて尻すぼみになった印象。設定はいいんだけどなあ。
Posted by ブクログ
温室効果で海面上昇して関東地方とか沿岸部から荒川沿いの埼玉辺り、千葉浦安の例の施設も人口の山を残して水没しちゃった10数年後の近未来が舞台。こんな世界になったのは環境破壊したからだからと、環境を守ることが第一義となった世界で、その取り締まりを行う実行部隊、環境省管轄のEDRAが今作の舞台となる(説明長い)。
設定は武器内容や地理情報含めてリアルだが、ゴリゴリヘビー一辺倒ではなく、部隊の若者らの他愛もない会話もあったりで、それだけにリアリティが強調されている。パトレイバーな雰囲気というと伝わりやすいかもしれない。
が、謎が謎呼ぶ伏線張りが続く前半はかなりかったるく、話があちゃこちゃに飛ぶ感じでなかなか読み進まず、後半謎解きありつつアクションありつつで読む速度も上がったけど、伏線の割にはなんだか小粒に収まっちゃった亡国のイージス感ありで少し物足りない。
Posted by ブクログ
現実のロシアウクライナの戦争から地球規模の大規模災害が起こって、自然環境の保護こそが最優先になったif世界のお話。
なんかちょっと・・・設定はなかなかに興味深かったんですが、内容があんまりあわなかったかな。ミリタリー的な描写が細かいわりに犯人たちの描写が最後までかなり少なめだった印象。名前だけでてきたモブくらいのキャラクターが実は犯人でこんなことを考えてこんなことを企てて・・みたいなことがラスト付近で急に語られて面喰いました。
最後、海に飛び込んで助かりましたというのも・・・とんでもない威力の爆弾みたいに思ったんだけどそれくらいでほとんど無傷なんだ・・・と。