シェリー・タークルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読み応え十分の本でした。ロボットそしてインターネットが人間をどう変えていくのか、について著者の長年の研究を元に書かれた本です。著者はもともとこれらの影響を楽観的に見ていたところ、徐々に悲観主義的になってきたとのことで、そのあたりのトーンは本書全体から伝わってきました。本書を読んで私なりに解釈した内容は以下の通りです。
ロボットやネットへの依存症は、その背景に「人間不信」もしくは「全てを制御したい」欲求がある。人間が相手だと裏切られるかもしれない、悪態をつかれるかもしれない、自分の思い通りに相手が振る舞ってくれないことも多い、という感覚。そうなると、本書でもたびたび書かれているように、ロボット -
Posted by ブクログ
9章常時接続社会のアイデンティティ
変わる親離れと自立の意味が興味深い
これまで、自分しか頼れない状況を経験することで、自立への道を踏み出してきた。しかし、常に繋がることで、親や友人、知人と常に連絡をとり頼ることができてしまう。
離れられないから自立できない。
人間の成熟を、境界によってのみ判断する事への疑問もあり、感情の共有により自己を確立するというスタイルもある。とはいえ、常にSNSのいいね!がないと不安。などはまさに繋がり依存の一例。一方で、SNSで演じることに疲れたとこぼす若者も多い。その分直接話したいと。
つまり、常時ではなく必要なときに繋がる。やはりそれを求めているのだと思う。
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