本日(令和2年12月30日)の新聞でもコロナ感染者数が増え続けていると報道されています、このままでは医療崩壊となるので外出・帰省・忘年会・初詣等、言い方は気をつけているようですが、自粛ムードが流れています。
そんな中、近くの本屋さんで私の目を惹いたのがこの本です。本の帯に書かれている通り、日本には
...続きを読む世界一多い病床があるにも拘らず医療崩壊の危機が叫ばれています、この本には報道では語られない、不都合な真実が書かれています。
この本の筆者は、よくぞ書いてくれました、と感謝しています。今までの枠組み(既得権益)を守りつつ最大限の努力をしているように思いますが、政治の力でその既得権益を打ち破って欲しいなと感じました。
以下は気になったポイントです。
・平年のデータから想定される死亡率・死亡者数を超過した数値を「超過死亡」というが、諸外国が増えている(米:23%、イ:44、スペイン:56、ペルー:149%増加、年初から7月)が、日本はほぼ発生していないのが現状である(p25)
・欧米在住のアジア人の死亡率がそんなに低くないことから消去法で考えると、東アジアが欧米に比べて死亡率が少ない(100分の1以下)は、1)BCG仮説、2)既存のコロナウィルスによる交差免疫(既存の風邪コロナウイルスにかかった人の免疫記憶が新型にも効果的)が残る(p29、32)
・東京都は4800床をコロナ専門病床として確保した、病院・病床が2000、ホテルが2800、都内12万床のうちの4%に過ぎない、その半分がホテルであることから、一般の病院の病室を一時的に感染症病床にすることはほとんでできない。厚生労働省や日本医師会、大学の医局は医療機関に指揮命令はできない。理由は病院の7割は民営だから、厚生労働省は、医療機関に対して、開設許認可・診療報酬設定を行えるが、診療内容の変更を直接指示できる権限はない(p38)
・インフルエンザに感染したと思われる人の75%は無症状である、新型コロナも同様である(p46)免疫力を高めることは現実的ではなく、そんな薬もサプリメントも無い、ただし下げることはできる。睡眠不足、バランスの悪い食事(p47)
・無数にあるウイルスの中で、これまでの歴史で駆逐に成功したウイルスは唯一、天然痘のみ。ウィルスとは基本的に共存していかなければならない(p65)最終的にウィルスを殺してくれるのは、自分自身の免疫である。感染初期(発熱して2日以内)にのみ効果がある(p69)
・現時点でコロナ対してできる実質的な医療は、解熱、栄養補給、派生症状を抑える薬の投与、重傷者には人工呼吸器やECMOなどで呼吸を補助・代替し免疫力を回復することのみ(p81)
・入院医療費と病床数の関係のグラフから言えることは、一人当たりの病床数が多い都道府県ほど一人当たりの医療費もかかってくる。病床数が増えるだけ入院患者が増える。(p124)問題は健康保険にあるのではなく、市場の失敗(市場メカニズムが働か図、最適な状態にならない)が発生しているにもかかわらず、市場原理によって病院が淘汰されると思っている私たちの意識である(p145)
・全体の1割りしかない公立病院の病床は、数多くの不採算部門(小児科、産科、救急医療、僻地医療など)を担ってくれている。病床の少ない長野県民の健康寿命・平均寿命は日本のトップクラスである(p154)病床の多くは、慢性疾患の患者で占められている(p157)
・人間の四苦と言われる「生老病死」の中で、病院や医療で解決できるのは、「生」や「病」の部分のみ(p159)
・2007年夕張市が財政破綻し市内に一つしかなかった総合病院が閉院となり、19床の有床診療所と老健(介護老人保健施設)に縮小された、ベット数20以上を病院という。(p172)その結果、死亡率は変わらなかった。しかし心疾患、肺炎の死亡率は下がった、がんは女性のみ上昇、これらを考慮すると、老衰の死亡率が上がったことになる(p177)病院閉鎖の2007年が2%程度、2012年には14%となった(p180)
2021年1月1日作成