ドストエーフスキイのレビュー一覧

  • カラマーゾフの兄弟 2

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    カラマーゾフの3兄弟+妾腹の子をめぐる長編の第二巻。この巻では次男イヴァンが弟アレクセイに延々と語る宗教観が圧巻。児童虐待の例などを持ち出して信心深い弟の心を揺さぶる。長老ゾシマの昔語りも面白かったし、後半の長男ドミートリイの愚かさの描写も素晴らしい。父親と長男が同じ女性を取り合う様子は滑稽だが、本人たちは必死。この後「重大な事件」が起こると言うが、その事件が起こる前に二巻終了。

    全四巻中半分まで来た事になるが、重大事件はまだ。ここまでのところ3兄弟のそれぞれの様子が描かれてきたという感じ。さて、重大事件とは何かな?

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    2025年07月27日
  • カラマーゾフの兄弟 1

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    カラマーゾフの3兄弟+妾腹の子をめぐる長編の第一巻。米川正夫訳が入手できたので読んでみた。この巻はカラマーゾフ父と息子たちとの関係に始まり三男アリョーシャが長男の暴行の尻ぬぐいをしようとするところで終わる。全然家族として機能していないカラマーゾフ家で父親と長男の関係が最悪だが、今まで家族として暮らしてきてもいなかったのだから無理もないかとも思う。それなのに兄たちを愛するだとか兄は必ず謝罪するとか兄に確認もせずに言う三男アリョーシャに「おまえ大丈夫かい?」と言いたくなった。

    米川正夫訳の日本語がかなり古い日本語で、その日本語自体が味があって良い感じ。翻訳は1917年から18年にかけて出版された

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    2025年07月06日
  • カラマーゾフの兄弟 2

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    ゾシマ長老の長逝に関する騒動は、現代でもSNSにおける炎上がそれっぽいよなと思った。
    アンチが何事かで勝ち誇って騒ぎ出すと、疑念を抱いていたファンとよく知らない部外者がその騒ぎに乗る、弁護の声は届かない…。こういうのって普遍的なのかもしれないな。

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    2022年07月04日
  • カラマーゾフの兄弟 4

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    長いし、人間関係が複雑だし、随分前に端役だと思っていた人物が突然現れるし、キリスト教の倫理観と歴史が理解しづらいし、唐突に愛称で呼ぶし…というなかなかハードな本だった。人物一覧表を作りながら読んだ。
    ただ、名作と呼ばれるだけあって人間の心理描写力が非常に優れていると感じた。
    カチェリーナの、ミーチャやグルージェンカへの愛憎渦巻く複雑な心境。コーリャ少年の背伸びと自尊心。ラキーチンの世の中を小馬鹿にしたような皮肉。スメルヂャコフの嫉妬など…枚挙にいとまがない。
    また、(当時の)キリスト教の考え方と倫理観について、微量ながら理解することができたと思う。
    本書で取り上げられている問題はキリスト教だけ

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    2022年07月04日
  • カラマーゾフの兄弟 2

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    大審問説話に人間の神に対する信仰の強さと、信じきれない弱さ、そして信じた上での細やかな見返りを求める読者のこころ。疲れるが、人間はどう生きれば良いか?悪魔は優しい言葉を囁きながら弱い人間に近づいて来る。悪魔の3つの問を一つ一つ解き明かして行く。
    この掘り下げにドストエフスキーの凄さを感じる。でも、読んでいて楽に読める部分がほとんどないのと、難しいのとで疲れる。ロシア人の心の違いを感じる。

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    2022年07月02日
  • カラマーゾフの兄弟 1

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    米川訳は明治時代の小説を読んでいるみたいで面白い。ところどころに旧かなづかいが残っているので直してほしいなぁ…岩波さん。。

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    2022年04月21日
  • カラマーゾフの兄弟 2

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    長老様の一生が明らかになる巻です。私自身もアリョーシャに大きな影響を与えた彼がとても気になっていました。しかし、読んでいる途中で「長老」の話か物語での「現実」か分かりにくくなっているところがあるのでご注意下さい。

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    2021年08月22日
  • カラマーゾフの兄弟 4

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    ネタバレ

    これを先に読むか、『悪霊』の方を先に読むかで大きく印象が変わってくるような気がします。
    私は『悪霊』の方を先に読んだので、イワン兄さんの思想にはあまり驚きはありませんでしたが、この小説には『白痴』『悪霊』のテーマがまとめてとりあげられており、まさにドストエフスキーの集大成という感じです。
    ものすごい長いですが、それを読むだけの値打ちは充分あります。必読と思います!
    1フントの胡桃の話が泣ける!!

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    2012年06月13日
  • カラマーゾフの兄弟 4

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    ネタバレ

    私たちに遺された『カラマーゾフの兄弟』は、ドストエフスキーが想定していた物語の第一部に過ぎなかったと言われています。長男ドミートリイが選択した運命はどうだったのか、イワンはどうなったか、アリョーシャはどのように成長していくのか、数々の余韻を残したまま物語は終わりを告げます。

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    2012年02月05日
  • カラマーゾフの兄弟 3

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    ネタバレ

    ついに起こった父親殺し。事件の開幕。恋の行く末。そして、三男アリョーシャを巡る子供たちとの交流。物語が一気に動き出す3巻です。

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    2012年02月05日
  • カラマーゾフの兄弟 2

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    ネタバレ

    2巻ではカラマーゾフの兄弟次男にあたるイワンの「大審問官」と、ゾシマ長老の物語が収められ、思想的な特色の濃い巻となっています。

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    2012年02月05日
  • カラマーゾフの兄弟 1

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    ネタバレ

    ドストエフスキーの絶筆となった『カラマーゾフの兄弟』。トルストイの『戦争と平和』と並び、しかも全く異なる角度からロシアそのものの姿を描こうとした作品であり、ドストエフスキーの集大成とも言えるでしょう。

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    2012年02月05日
  • カラマーゾフの兄弟 1

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    カラマゾフの兄弟、全5巻。おまけに字が小さいので、かなりの大冊だと自覚する。おまけにロシアの小説は日本人の感覚と異なるし、名前が酷く難しいので、果たして読めるか自信無い。
    しかし、読んでみると、ストーリーが多様で、間延びしたところが全く無い。流石ドストエフスキー。凄い。世界を代表する作家だ。
    物語は、宗教キリスト教への怖れとその否定。それが3人のカラマゾフの兄弟を分ける。そうなったのは放蕩な父親のせいか。今後どういう方向に進むか。次の本を読んだあと、第2巻を読む予定。

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    2022年07月01日
  • カラマーゾフの兄弟 1

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    二度めだけあって、読みやすい。
    スメルヂャコフのキリスト否定論(p268)は後の事件の暗示かな。
    スネギリョフと息子イリューシャの砂嵐のシーンが印象的で、この辺りからおもしろくなってくる。イリューシャはスネギリョフの父親の名前からとったようで、愛が感じられる。良い。

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    2014年03月21日