あらすじ
暴力を否定し、調和的な愛を強調するこの作品は、作者最後のかつ最高の傑作で雄大な構想、複雑で緻密な構成、人間精神の深刻な把握、また人類の苦悩に対する深い理解と愛情とをもつ。淫蕩なフョードルを父に持つ三人の兄弟を主人公に、悪夢のような一家の形成から破滅に至るまでの複雑多岐な内容を短時日の事件の中に描き出す。
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Audibleにて聴書。
一周目。
集中して聴いてないとすぐ置いていかれます。Audibleは聴き流しなので最初の1時間聴いてもついて行けず聴き直しました。主要な登場人物がわかってくると聴き流しでもある程度ついていけます。が、本質的なものに触れるには何周かしないと無理かも。
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アリョーシャさんがあまりにも純粋過ぎて他の登場人物と比べてかなり浮いている存在です。その純粋さにもかなりひやひやさせられます。彼がどうなってしまうのか非常に気になるので☆5にしました。
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一粒の麦は只の一粒だが、地に落ちれば多くの実を結ぶ。冒頭のヨハネの福音書と物語との関係が20年前の初読では分からなかった。確かに家族の紹介が長いし戸惑う。しかし僧院での会合からドライブがかかって、穏やかに喋っていたヒョードルが突然激昂する辺りから登場人物のキャラが立ってくる。こんな人間を自分は知ってる。そうやって少しずつ実感できる人間を拡げていけば、長老の逸話を始めとする宗教談義も面白くなってくる。ドミートリーがアリョーシャに語る詩を読んだら彼に父親殺しなんか出来ないと分かるはず。物語は始まったばかり。
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岩波文庫から出ているこの本は、他の出版社から出ている同じ題名のものと違って冒頭に解説があります。解説ではドストエフスキーがこの本を書いた背景のほかに、主要な登場人物の紹介、小説における立ち位置などが書かれています。この解説により、本編の内容をスムーズに理解することができました。ここでは内容には触れませんが、解説の豊富さや本文の面白さを考慮して★5評価です。
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フョードル・カラマーゾフ、3人の息子ドミートリイ、イワン、アリョーシャ、呪われた息子スメルヂャーコフの物語の第一巻。岩波文庫はなぜかあとがきが冒頭にある。そのあとのドストエフスキーによる序文がかっこいい。本編はのっけからエピソード満載で面白すぎる。
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あまりにも語られてしまった小説、あまりにも傑作として名高い小説。そしてこういった場所で紹介するにはあまりにも密度が濃い小説。長いし。そこでここでは作品全体を論じることはやめ、一点だけ、カチェリーナのすばらしさについて述べておくことにしよう。ひたすら献身的に尽くし愛しつづける行為をもって、その高貴さとプライドの高さと清廉潔白さを見せつけることをもって、愛を裏切った相手に復讐を遂げるという、この倒錯!いくえにも逆照射されたこの倒錯は、ただ一言、ブリリアントです。裁判の場でのあの独白のみで、この小説の登場人物としてナンバーワンだと言っていい。それまでわたしのなかで一位の座を占めていたイワンをみごと蹴落としてくれました。
ところでこの小説の読者にはたいてい、三兄弟のなかに贔屓がいる模様。兄はドミトリィと申しておりましたし、友人はアリョーシャと申しておりました。ちなみに母はわたしと同じくイワンだと言っておりました。そんな母には今度、高野文子『黄色い本』を贈ろうかと思っております。もっかしたらあの作品の良さをわかってくれるんじゃないかなあ。
またしてもここに載せたのはわたしが読んだものではありません。多分訳すら違う。最悪。いや、手元にないから訳者が確認できないんです。
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風景的作品で、怖い作品です。3〜20個くらいの先の尖った概念が常に刺さってくる感じです。頭の良い人っていうのは、マルチに全体を進行させ、例えば仕事できる人が同時に沢山を判断して沢山の作業進めてるように、この作品には全瞬間に沢山のしかも恐ろしく鋭い見解が突き刺さってきます。読者を混乱させかねないくらいの登場人物を同時に矛盾なく進行させる上手はトルストイくらいしか類をみないという評価でしょうが、実際ちょっと神とかそういった立場が、世界を同時進行させる様を思い浮かべます。神様って世界を同時進行させてるんですよ。すごいですよね。最近の人は嫌いかもしれないけど、そういう文学の中でもこの人の作品くらいは頑張って読みきってみたら人生変わったりしそうです。
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カラマーゾフの3兄弟+妾腹の子をめぐる長編の第一巻。米川正夫訳が入手できたので読んでみた。この巻はカラマーゾフ父と息子たちとの関係に始まり三男アリョーシャが長男の暴行の尻ぬぐいをしようとするところで終わる。全然家族として機能していないカラマーゾフ家で父親と長男の関係が最悪だが、今まで家族として暮らしてきてもいなかったのだから無理もないかとも思う。それなのに兄たちを愛するだとか兄は必ず謝罪するとか兄に確認もせずに言う三男アリョーシャに「おまえ大丈夫かい?」と言いたくなった。
米川正夫訳の日本語がかなり古い日本語で、その日本語自体が味があって良い感じ。翻訳は1917年から18年にかけて出版されたそうで、100年以上前のものだ。
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ドストエフスキーの絶筆となった『カラマーゾフの兄弟』。トルストイの『戦争と平和』と並び、しかも全く異なる角度からロシアそのものの姿を描こうとした作品であり、ドストエフスキーの集大成とも言えるでしょう。
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カラマゾフの兄弟、全5巻。おまけに字が小さいので、かなりの大冊だと自覚する。おまけにロシアの小説は日本人の感覚と異なるし、名前が酷く難しいので、果たして読めるか自信無い。
しかし、読んでみると、ストーリーが多様で、間延びしたところが全く無い。流石ドストエフスキー。凄い。世界を代表する作家だ。
物語は、宗教キリスト教への怖れとその否定。それが3人のカラマゾフの兄弟を分ける。そうなったのは放蕩な父親のせいか。今後どういう方向に進むか。次の本を読んだあと、第2巻を読む予定。