森雄二のレビュー一覧
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ジョン・クラカワー『エヴェレストより高い山 登山をめぐる12の話』朝日文庫。
ジョン・クラカワーのデビュー作の復刊。個性的なクライマーの様々な挑戦を描いた山岳エッセイ集。
まるで自分が高山の難所に身を置いているのではないかと錯覚してしまう程の切れ味のある描写とウイットに富んだ文章。読んでいて手に汗握る12編の山岳エッセイ。
『アイガーの夢』『ギルーー伝説の男』『ヴァルディーズの氷』『テントに閉じ込められたときは……』『タルキートナの飛行機野郎』『クラブ・デナリ』『シャモニの休日』『キャニオンリング』『エヴェレストより高い山』『双子のバージェス』『K2の不幸な夏』『デヴィルズ・サム』を収録 -
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町の誇りである大学アメフト部によって引き起こされたレイプ事件を町ぐるみで隠蔽しようとする地方都市の暗部を描いた『ミズーラ』、狂信的なモルモン教徒が引き起こした殺人事件を描いた『信仰が人を殺すとき』など、人間のどす黒いダークサイドを写実するノンフィクション作家、ジョン・クラカワー。
そんな彼のキャリアは趣味の登山に関する山岳ルポライターから始まっている。デビュー作である本作は登山を巡る12の短編集である。エヴェレストに代表されるような過酷な山を人間はなぜ登るのか。そして登山とはどのようなアクティビティなのかを知る上で非常に面白いノンフィクションエッセイ。 -
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傑作「空へ」「荒野へ」のクラカワーによる山岳エッセイ。書かれたのは「空へ」よりも前で、新装版だそうだ。十二篇収められており、一篇が短いせいか、もうちょっと詳しく読ませて!と、もどかしい感じもするが、九編目の表題作以降はさすがの迫力。
自分自身も含めて、クライマーたちを英雄視せず、突き放して書いているところがいい。登場する登山家の多くは、良く言えば「個性的」、まあ普通に考えてアクの強い変人と言っていいだろう。悪天候に閉じ込められたテントの中のありさまなど、実にリアルに書かれていて、もともと非アウトドア派の私など、金輪際こういうテント生活はゴメンだと思ったのだった。読んでるだけで骨まで凍えそうだ -
Posted by ブクログ
命を懸けた冒険といえば、冬山登山であり、誰もがしり込みするようなキャニオリングやボルダリングであるが、そんな危険を、危険であるからこそチャレンジするイカレタ野郎たちの美しい物語です。
この世界で有名なのは、ヘルマン・ブール、サー・エドモンド・ヒラリー、ロイヤル・ロビンズ、ラインホルト・メスナー、ジョン・ギルたちです。
収録されている12の物語はどれも素晴らしいのですが、私が特に面白いと思ったのが「クラブ・デナリ」でした。
また世界最高峰エヴェレストへの初登頂の栄誉は、ヒラリーとテンジンが1953年に達成したものですが、その後、エヴェレストより高い山があるという情報が錯綜とし、中国のミニヤ