島根玲子のレビュー一覧
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私は幼少期のとある経験から、将来外交官になることを目指している。そんな私にとってこの本はバイブル的な存在であり、読むたびに勇気と情熱を与えてくれる。
この本の中で一番私が大切にしたいと思ったのは「その国と、その国の人は違います」という言葉。私が幼い頃、海外に住んでいたとき、とても仲がいい中国の友達がいた。しかし、日本と中国の関係が悪化した際、その中国人の友達の親が私が日本人であるから一緒に遊ぶのをやめるようにその子に言ったそうだ。
国際情勢を知ったり、複雑な過去を理解することは言うまでもなく大切なことである。しかし、そのことがかえって、偏見を強め、その国の人までを訳もなく嫌い、避けるなんてこ -
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現役の外交官が語る、世界の貧困、移民難民、食料、エネルギー、貿易、戦争などの諸問題。なんだかとても堅苦しい印象を受けますが、まだ若い著者が同世代へ語り掛けるように説明してくれているので、とてもわかりやすく、かつ、著者の熱い思いがたくさん詰まった良書だと思います。
高校中退でコギャル生活をしていた著者は、ある日、人生をやり直そうと決意し、大検から進学、そして司法試験合格、外交官へとキャリアを築いていったのだそうです。その前向きな姿に勇気をもらえますが、何より印象的だったのは、人生をやり直すと決意した著者にお母さまが泣きながら言われた言葉「長い間信じて待った甲斐があった」。家に帰ってこない娘さんの -
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とても分かりやすかった。
外国と揉めている領土問題では、日本が絶対に正しいと思っているのと同じように、皆が正しいと信じているからこそ、難しく何年も解決しないんだなと思った。外交面でも互いに助け合わなければ生きていけないこと、助けて、助けて貰いならがそれぞれが生きていることを実感した。日本の食料自給率の低さには驚いたが、どこの国にも短所はあり、短所を補って貰い、長所で助けて支え合ってここまできたんだと思った。
その国教育や伝統、文化から価値観が違うので、なかなか解決しない問題があることがわかった。貧困層の国に教育が定着しない限り、貧困層を抜け出せないことや間違った価値観の中でしか生きられない -
Posted by ブクログ
【誰でも,いつからでも】高校を中退後に一念発起して大学に入学,そして外交官として現在活躍する著者が,自身の生い立ちを振り返るとともに,国際社会の基礎や仕組みを優しく解説してくれる作品です。著者は,外務省職員で評者の同期でもある島根玲子。
貿易や領土,そして難民問題に到るまで,現在の日本と世界が直面する重要な問題を,身近に感じられる例え等と合わせてわかりやすく提示してくれています。他方,本書の白眉はやはり初めに語られる著者自身のエピソード。月並みな表現ではありますが,読む人の心を打つとともに,背中をポンと押してくれる一冊だなと感じました。その意味で,外交に興味のない方にもオススメです。
〜国 -
Posted by ブクログ
旅で価値観の異なる人達と出会うことが、人生でどれだけ重要なことか。小さくまとまっている場合ではない。
今のこの日本の状況で、大人が若者たちに「大きなチャレンジをしろ」と言っても、説得力がないだろう。
若者から逆に言われてしまう。「あんたは何のチャレンジをしてきたんだ?」と。
果たして我々世代は、本当に若い時分に大きなチャレンジをしてきたのだろうか?
時代が良かったから自分ではチャレンジしたと思っているだけで、本当に自らの意志で飛び込んだチャレンジだったのだろうか?
若者の問いに答えられない自分がいる。
そんな時に本書と出会ったのであるが、こんな素晴らしい方がいるのかと感動したと同時に、「やっぱ -
Posted by ブクログ
良くも悪くも外交であったり、国際情勢について興味だったり意識が向いただけで終わってしまうようなないようでした。しかし、今自分が国際情勢に対して無知と言っても差し支えない程度の知識しかないため、この本によって複雑に絡まり合う国際情勢の氷山の一角は覗き見ることが出来たのかなと思います。実際読書家とは言えない自分にも読みやすいような語り方だったり、内容が細かく分けられていてキリの良い読み方ができました。普段から表面上でしか知らないような国際情勢に1歩だけ踏み込んで見たようなこの本は世界のことを知ってみようかな?とか興味を持つ初めの本としてとても良いと思います!