山本おさむのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
テレビのダッシュ村を見て田舎暮らしに憧れた筆者(漫画家・山本おさむ)は、妻のケイコさんの両親を引き取り、両親の出身地である福島の田舎の福里村(仮称・じつは天栄村)に家を買い、引っ越すことに。
埼玉の仕事場でマンガを描き、あこがれの田舎で週末を過ごすという生活を始めた山本氏。その生活が描かれた『今日もいい天気 ~田舎暮らし編~』。イヌも飼い(この黒柴のコタがかわいいのだ)、ドタバタもありながら楽しい生活を送っていた山本氏だけれど、その生活を一瞬で奪ったのは東北の大震災と、その後に起きた福島第一原発の事故だった。
渾身の怒りを持って描かれたのが同書『~原発事故編~』。
氏の家のある福里村(仮称。第25話で天栄村であることが明かされる)は、地震や津波による大きな被害は免れたものの、原発の爆発によってたくさんの放射能を浴びてしまった。避難指示は出ていないものの、家の周囲を測ると高度の放射能汚染値が測定され、安心して住める所ではなくなってしまった。
この『事故編』では、村の人々に起きたことをレポート、東電と政府に対する怒りが描かれる。
ケイコさんの両親は震災前に亡くなったのだけれど、兵隊に行ってミミズをつぶして飲み、生きて帰ったという頑固なお父さんの生き方にも胸を打たれる。
犬のコタを連れ、両親の位牌だけを持って埼玉に避難してきたケイコさんとの暮らしを始めても、自分たちだけが避難しているという後ろめたさはぬぐえず、天栄村に帰って家の周囲を除染しようとするが、とても素人の手には負えず、業者を頼むことに。震災直後のドタバタ、その後の政府や東電の対応、いっこうに進まぬ除染、山本氏の怒りは尽きないがそれでも自分はまだマシな方で、もっともっと困っている人たちはたくさんいるということも忘れてはいないのだ。
原発立地の町、大熊町議の石田さんに会ったとき、山本氏は「なぜ原発を受け入れたんでしょうか」と質問する。「原発が来て どんなメリットがあったんでしょう」
その答えに、山本氏は考える。
この問いは、誰に問うべきだったのか、それは読者も考えるべきことなのだろう。 -
Posted by ブクログ
蕎麦についてのマンガ、8巻目。毎回安定した内容で楽しく読ませてくれるのだけれど、この8巻は特に素晴らしい。1巻からじゃなくてこの8巻だけを読んで頂いても一向に構わない!というくらいに素晴らしい作品が入ってる。
それは8巻巻頭からのお話しで、ベテランの将棋棋士と老蕎麦屋夫婦の、顔を合わせないけども確かに結びついている30年のやり取り。
かつては頂点にいたが今は棋力が下り坂、今度の対局で敗れれば引退か、という土俵際にいる棋士は30年ずっと対局時には同じ食べ物、穴子天蕎麦とそばぜんざい。それを作る蕎麦屋夫婦は対局の日を最後に店を閉める事となっており・・・というような話。
肝心なところを一切書かなかったのでよくわからないとは思うけど、プロとプロの通じ合い、仕事とはどういう取り組みなのか、という事や、友人ではない関係での友情に似た感情、まぁとにかく良いお話。すごくグッと来るので大変におすすめ。