山高昭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
同じテーマで3回読むことになった作品。もちろん、今回が 決定版 だ。
人を描くという印象がないクラークだが、映画化を意識したのか今回は人を中心に据えているところが暖かい。
滅亡していく地球を後に植民星を探す旅人が途中寄港したのは、はるか以前に出発した先人たちが繁栄しつつある植民星サラッサだった。
時間の進み方が異なる両人種。サラッサ住民と先に進む使命を持つ旅人。人工冬眠で時間がぐちゃぐちゃになるんだが、そこに「ベンジャミン・バトンの世界」が広がる。
いやぁ、同じ虚構ならこっちのほうがはるかにいい。下手にくっつかず、それぞれの道を歩むことになる住民・旅人両者のドラマが鮮明だ。何 -
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Posted by ブクログ
今まで宇宙エレベータはロケットよりもダサいと思っていた。
その認識を心より恥じる。
宇宙エレベータから外をのぞくのは、どんなにかすばらしい景色だろう。
早くカーボンナノチューブが巨大化して実際に宇宙エレベータが出来ればいい。でも、解説にあったとおりどう考えてもNASAの従来型の宇宙戦略とは真っ向から対立するので難しいか。
この本では、そうした政治的な対立軸は「科学技術V.S.宗教」の形に落とし込まれているわけだけれども、その解決方法は荒唐無稽ながら神秘的なユートピアを感じさせて興奮した。
特に、前半部分におけるカーリダーサの記述は、エピローグの最後の一文と相まって泣きそうになるような、壮大な -
Posted by ブクログ
良いですね。これぞハードSF。
発表されたのが1978年。舞台は近未来の2005年と言う設定です。
現実の2005年は、作品に描かれているような、東西対立が激化し世界大戦前夜という状態では無いけれど、また科学技術の進化も随分と違うけれど、それはそれで良いんです。預言書ではないのですから。
何と言ってもこの作品の魅力は「科学の発展はきっと人類を幸せに変える」という古き善きSFの徹底したオプティミズムの精神で描かれていることです。アシモフ、ハインライン、クラークの世界です。
そのため「未来はきっと良くなる」そういったポジティブな気持ちになれる、何とも爽やかな読後感です。 -