山高昭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
軌道エレベータはガンダムにも登場するぐらい、SFではポピュラーなアイテムである。軌道エレベーターは1895年にコンスタンチン・ツィオルコフスキーと言う人が本の中に書いているらしい。SF小説ネタでもこの本が初見と言うことでも無さそうだが、軌道エレベータを描いた一番有名なSF小説ではありそうだ。今更アーサー.c.クラークでもないのだが、さすがにSF界の巨匠である。今読んでも全く古めかしい感じはしない。
軌道エレベーターの建設に人生をかける技術者を軸に軌道エレベーターの起点となるスリランカ(赤道直下にある設定)の山にまつわる古代の争い、火星の開発といったストーリーを絡め物語を大きく膨らませるのである。
この本のおかげで、最近またぞろSF小説を読み始めているのであります。 -
Posted by ブクログ
同じテーマで3回読むことになった作品。もちろん、今回が 決定版 だ。
人を描くという印象がないクラークだが、映画化を意識したのか今回は人を中心に据えているところが暖かい。
滅亡していく地球を後に植民星を探す旅人が途中寄港したのは、はるか以前に出発した先人たちが繁栄しつつある植民星サラッサだった。
時間の進み方が異なる両人種。サラッサ住民と先に進む使命を持つ旅人。人工冬眠で時間がぐちゃぐちゃになるんだが、そこに「ベンジャミン・バトンの世界」が広がる。
いやぁ、同じ虚構ならこっちのほうがはるかにいい。下手にくっつかず、それぞれの道を歩むことになる住民・旅人両者のドラマが鮮明だ。何事もなかったかのごとく船は出発する。
加えて、サラッサには人類とは別の生命体も存在する。いずれの種がサラッサを統治するのか。また、先に進んだ旅人たちの運命は。続編を読者が思い描くことができる余韻を持ちながら物語は終わる。いい物語だ。永久保存版 だと断言できる。 -
Posted by ブクログ
今まで宇宙エレベータはロケットよりもダサいと思っていた。
その認識を心より恥じる。
宇宙エレベータから外をのぞくのは、どんなにかすばらしい景色だろう。
早くカーボンナノチューブが巨大化して実際に宇宙エレベータが出来ればいい。でも、解説にあったとおりどう考えてもNASAの従来型の宇宙戦略とは真っ向から対立するので難しいか。
この本では、そうした政治的な対立軸は「科学技術V.S.宗教」の形に落とし込まれているわけだけれども、その解決方法は荒唐無稽ながら神秘的なユートピアを感じさせて興奮した。
特に、前半部分におけるカーリダーサの記述は、エピローグの最後の一文と相まって泣きそうになるような、壮大な気分を引き立たせてくれている。物語の構造としては、純粋な「エンジニアが数々の困難を乗り越えて次世代の技術を確立する」ことに過ぎないのだけれども、その背後にラーマーヤナ的な永遠性を付加しているのが、ありきたりでは在るが突出した一人の古代の王であり、彼はその永遠性を想像することすら出来なかったのであろうことが、なんとも言えずに面白い。 -
Posted by ブクログ
良いですね。これぞハードSF。
発表されたのが1978年。舞台は近未来の2005年と言う設定です。
現実の2005年は、作品に描かれているような、東西対立が激化し世界大戦前夜という状態では無いけれど、また科学技術の進化も随分と違うけれど、それはそれで良いんです。預言書ではないのですから。
何と言ってもこの作品の魅力は「科学の発展はきっと人類を幸せに変える」という古き善きSFの徹底したオプティミズムの精神で描かれていることです。アシモフ、ハインライン、クラークの世界です。
そのため「未来はきっと良くなる」そういったポジティブな気持ちになれる、何とも爽やかな読後感です。