中村敦夫のレビュー一覧

  • 狙われた羊

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    まさかラストで笑うことになるとは思わなかった。

    自分も高校、大学、就職、どこかで失敗してそんな時に普通に暮らしていたら出会わないような優しさを与えられたらコロッといっちゃうかも……と怖くなった。
    財産も全て手放して、自ら周囲の人々と縁を切って。それから気づいたってもう戻れないし、それが怖くてさらにのめり込んでいく。
    宗教ってよくできたビジネスだなぁ。

    そもそも、宗教の興りじたいが権力を欲した男が「神の言葉を聞いた」と言って政治を始めたことなのだから当然なのか?
    でもきっと、信者からすれば私たちが学んで信じている科学の方が宗教なんだろうな。

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    2025年08月23日
  • 狙われた羊

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    ⭐︎4.0
    ・未婚の信者を「シープ」と呼び、社会や家族から孤立させることで忠誠を誓わせ、団体の無賃労働者にさせる「敬霊協会」。協会に巻き込まれる若者とその家族、そして内部の者。様々な立場から見た協会の狡猾な"洗脳"の全貌が描かれている。
    ・今作は特に宗教団体の"中身"の描写が詳しくて新鮮だった。1人の若者を信者にするまでの過程や協会の内部の者それぞれの役割などが丁寧に描かれていて面白い。1人の信者に対しあらゆる役割の者が働きかけ、徹底的にマニュアル化された研修を経て少しずつ取り込んでいく。気付けば社会からも家族からも孤立し協会に身を捧げるしかなくなる。宗

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    2025年03月04日
  • 狙われた羊

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    ⭕️️⭕️教会をモデルとしたカルト教団の実態を描いたフィクション小説、教団の経営や洗脳方法や組織図等が詳細に描かれていて成り立ちが良く分かる。
    30年前に木枯らし紋次郎の俳優であり元参院議員中村敦夫さんが、執筆。日本を震撼させた安倍元首相暗殺事件をきっかけに再び注目。熱烈な信者の洗脳を解く事の難しさ、信者の家族側の立場になるといたたまれない気持ちになった。読みやすかった。

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    2024年12月25日
  • 狙われた羊

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    これはあの宗教のことか!とすぐ分かる内容。
    テンポよく進む展開に夢中になった。
    探偵事務所を営む牛島が、出家した信者を家族のもとに取り戻すため奮闘する。
    読みやすかった!

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    2024年05月17日
  • 狙われた羊

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    本の題材は明らかにあの宗教だ。

    まさかこの本の初版から30年経っても日本にまだ旧統一教会がはびこっているとは。名前を変えて活動するところまで変わらないとは。一方でこのカルトが人の劣等感にうまく漬け込んで近寄って操られていくあたり、リアルだ。家族の思いを思うにつけ苦しくなる。カルトに子供を取られた家族に救いの手を差し伸べる善意の人がいることだけが救いだといえる。
    自民党よ、被害者により安倍さんも撃たれたことだし、この団体のヤバさには気付いてくれ。最近保守エリアでも勝てなくなっているらしいから、そろそろ問題に気付いてくれないかな…。

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    2024年05月05日
  • 狙われた羊

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    カルト教団の手口を物語風に書き上げた、大変面白い小説であった。特に信者を作り上げるまでの洗脳のノウハウは今話題の統一協会のそれを感じることができた。

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    2022年11月23日
  • 狙われた羊

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    知らない世界のこと教えてくれる本や映画って本当に尊い。自分が疑り深い性格で、他人を信用することがなかなか出来ないので被害に遭うことはないかもしれないけれど、そういう人たちの精神状態や、入信、脱会、救出、運営など裏付けされている取材力が30年前とは思えないほどの筆致でいて、物語ベースで描かれているので大層面白かった。自分に近い体験があれば、バイブルになり得たのかもしれない。

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    2025年09月26日
  • 狙われた羊

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    宗教にのめり込んでいく始めから終わりまでをみた。やっぱり弱い時には人に見抜かれるのか。そういった団体に何も関わりはないが、いつも隣り合わせにいるのかもしれない。神の存在の有無は人それぞれだが、人に勧めたりする事ではないな。面白かったです。

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    2025年04月05日
  • 狙われた羊

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    ネタバレ

    ある宗教団体から息子を奪回してほしいという依頼に奮闘する探偵の牛島を中心に、様々な立場の信者を通して暴かれていく教団の醜い実態には辟易。
    なぜ頭のいい人たちがハマるのか?マインドコントロールは解けるのか?等の知りたい答えが全てストーリーに盛り込まれ、とても勉強になる。
    特に加代のマインドコントロールを解く場面では家族が強いられた覚悟と準備の壮絶さに衝撃。脱会への困難さは想像以上だったな。
    元信者の女性の「善意だけの情熱には負けてしまう」が厄介さの表れで印象的。
    探偵事務所の事務員のよねの頼もしさが息抜きになった。

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    2025年03月29日
  • 狙われた羊

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    カルト宗教の内情、子を奪われた家族の様子、経験はないけどきっとこんな感じなんだろうなと感じた。
    カルト全盛期の頃にはまだ生まれてなかったから後付け知識しかないけど、90年代のアレを経験していたらもっと感じ方変わったのかな

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    2025年03月06日
  • 狙われた羊

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    カルトの内情を詳細と信者とその家族の関係が壊れる様がよくイメージできた作品だった。

    ほんとに怖いのはマインドコントロールや矛盾ばかりの経典よりも訴訟などで成り立たなくなっても
    また名前だけ変えて何度でもやり直せるしぶとさなのかも、、

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    2025年03月01日
  • 狙われた羊

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    カルト宗教がテーマの本

    色々な立場の人の話が書かれていて読みやすい
    結構リアルで怖いけど読みやすいし、作品としても読みやすかった

    そんなに上手くいくのか??という描写もあったけど、、

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    2025年01月29日
  • 狙われた羊

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     著者中村敦夫は、言わずと知れた「木枯し紋次郎」だが、役者にとどまらず、ジャーナリスト、テレビキャスター 政治家等、経歴は多彩である。著者については、だいぶ前に評論「さらば、欲望の国」(2004年、近代文芸社新書)を読み、生きる姿勢、文章力とも私は高く評価していたが、この小説の存在は最近まで知らなかった。
     テーマは統一教会(作中では「国際キリスト敬礼協会」)。不倫調査、興信所の下請け等で食いつないでいる冴えない探偵牛島に、「人さらい」の依頼が来る。依頼人は水回り職人の松本で、妙な宗教団体に行ったまま戻らない息子を取り返してほしいという。金になりそうもないし、面倒なので、牛島は費用を過大に見積

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    2023年08月31日
  • 狙われた羊

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    これはかなり面白かった。30年前の小説ということだが、今年のあの事件をきっかけにクローズアップされた宗教団体を扱っており、今回文庫化したようだ。詐欺集団としてのそのマインドコントロールの見事さはぞっとする。
    いま、世間では宗教二世の問題が取り上げられているが、この小説には、若い信者を取り巻く家族の苦悩が描写されている。自分がこの家族の立場に立ったら、どうするだろうか。自分がマインドコントロールされていたときに気づけるだろうか。
    色々深く考えてしまう良い小説だった。
    物語ならではの迫力があった。

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    2022年12月05日
  • 狙われた羊

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    中村敦夫『狙われた羊』講談社文庫。

    著者の中村敦夫は『木枯し紋次郎』で主役を演じた有名な俳優で、作家やキャスター、ジャーナリストでも活躍しており、統一教会と揉めた過去を持つ。

    今現在、元首相の暗殺に端を発した政界と世間を騒がしているカルト宗教団体をテーマにした問題小説が、30年の時を経て文庫化。なかなかのリアリティ。30年前に統一教会のカルトとしての正体が暴露されていながら、何故に現在も存在しているのか……

    もっぱら浮気調査ばかりをしていた自由ヶ丘探偵社の探偵、牛島は依頼人から怪しげな団体に取り込まれた息子を奪還して欲しいと頼まれる。

    少しずつ調査を進め、団体の正体を知る牛島だったが…

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    2022年11月20日
  • 狙われた羊

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    ネタバレ

    最近の個人的ブームが宗教関連のミステリー作品を読むことである。
    薄暗いところに首を突っ込んでみたくなるのは、人間の性であり、しかし現実でそういった所に首を突っ込むと厄介なので、物語を俯瞰する事で欲求を満たしている。
    今回の本は宗教内部の信仰者と外部の救出者で物語が進められていた。自分自身は、外部の救出者目線だけで展開していく物語が好きなので、このような評価をした。しかし、牛島さんやヨネさん、理恵さんを初めとした登場人物一人一人のキャラクター性がとても好きだった。

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    2025年08月27日
  • 狙われた羊

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    Instagramで紹介されており、カルト宗教の洗脳と脱会に興味があったので読んでみました。

    一番印象的だったのは、入信前にカルトの研修合宿(睡眠不足の疲労困憊状態で畳み掛けるように洗脳教育を受けた)に参加した大学生が、翌日大学に行くと教室全体が墓場のような雰囲気で教授も学生も死人のように感じる。といった場面。
    研修場所で感じた生気、情熱、高揚が大学にはないと感じ、さらに入信へと傾いていくのですが…
    こうやって都会に出てきた寂しい気持ちにつけこまれた若者が洗脳されちゃうんだなぁと実感したシーンでした。

    宗教の説明シーンが長くて飛ばし飛ばし読みましたが、全然知らない世界の話だったので勉強にな

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    2025年05月19日
  • 狙われた羊

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    再販 そうかだからか
    昔 ワイドショーで連日報道されていた宗教団体
    有名人か多数入信していたから TVをつければその話題だつた頃かあった

    報道されていた事が文字になり 架空の人物だけど
    人物像が浮き彫りにされていったが

    …ワイドショーで見たのとかわらないかなあ

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    2023年07月02日
  • ジャカルタの目

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    非常におもしろかった。
    インドネシアのことをあまり知らなかったので、
    インドネシアの近代史がよく理解できた。
    しかし、惜しいかな。
    小説になりきれていない。
    つまり、主人公の堂田が、あまりかっこ良くない
    というか、活躍しきれていない。

    ジャカルタの目 という テロリスト集団?
    が、インドネシアの独立宣言の原本を盗むことから始まるが、
    一方で ヤクザが連続的に大量に殺されるという事件があり、
    怨恨があり、オヤの敵討ちがあり、
    そして、日本の商社が利権がらみで暗躍したり
    じつに 話題満載すぎて、焦点が絞れないところに、
    途中で 飽きてしまうところがある。

    影絵師が、重要な役割があるのに、
    その

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    2016年02月13日