アンソニー・トゥーのレビュー一覧
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サリン事件確定囚にアメリカの毒物研究者である著者が、本人インタビューを通して、事件を掘り下げています。特に化学的な部分は、化学に造形がないと理解しにくいですが、確定囚の人柄がよく分かる著作です。化学者と医師で分野は異なりますが、日本語でのインタビューにより、高い学識者同士の意見交換による事件背景がよ...続きを読むPosted by ブクログ
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高橋シズエさんの「サリン関係の本は大抵読んだが、自分の知っていることが多かった。しかし先生の本には半分ぐらい知らないことがあった」との言葉の通り、中川氏と対話を重ねた化学者でなければ知り得ない、書けない情報が数多い。後世への教訓として残すべき名著。Posted by ブクログ
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著者であるアンソニー・トゥー氏と中川智正元死刑囚との面会及びメールでのやり取りの記録と、そこから見えるオウム真理教幹部の役割や、サリンやVXなどの化学兵器、ボツリヌス菌や炭疽菌などの生物兵器開発の過程をまとめたもの。
死刑囚との対話の過程(手続き的なものを含めて)や確定死刑囚の処遇等々からして初め...続きを読むPosted by ブクログ -
【覚めての告白】サリン事件への関与等により死刑判決を受け,2018年7月に執行がなされた中川智正。執行の直前まで行われた面会や文通を通し,オウム真理教が化学兵器へと手を染める課程やその内情に迫った作品です。著者は,コロラド州立大学名誉教授のアンソニー・トゥー。
当事者の独白として生々しい肉付けを伴...続きを読むPosted by ブクログ -
サリン事件に関わった医師の1人、中川死刑囚。執行されたこともあり、ようやくこの人のことを知ることができた。京都府立医大に入れたのだから秀才なのは間違いない。その人がどうして、というのは、もうひとりの医師林郁夫と並んで興味を持っていた。ただ、林郁夫は積極的な捜査協力もあって、無期懲役に減刑され、手記も...続きを読むPosted by ブクログ
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著者は台湾出身で米国で毒蛇の研究をした後に軍での兵器研究に転じ、日本での地下鉄サリン事件の捜査に協力したという、毒、兵器のプロフェッショナル
VXガスやマスタードガスなど、よく聞く兵器がどのようなものかが簡潔に纏まっており、適度な深さで理解できた。
驚いたのが、執筆時点で著者がアメリカの老人ホー...続きを読むPosted by ブクログ -
ふとオウム真理教のことが気になり読んでみた。化学兵器を作り出す経緯など読めて面白かった。
優秀な人達が悪の組織で働かされ、こんな結果になり悲しいなぁ。Posted by ブクログ -
オウムの本はたくさん読んでいたけど、
死刑囚の方にターゲットした本は初めてだった。
反省をしてくださっていてよかった。
化学兵器はいかにして作られたか、
という話たちは興味深かった。
中川さんから見た教団幹部評価も。
他の死刑囚のかたの本も読んでみようかなPosted by ブクログ -
地下鉄サリン事件は何より衝撃的だった。日本人の記憶に共有された事件として、誰もがあのときに自分はどういうことをしていたと語り合うことができるほど、大きく日本現代史に刻まれている。
そして事件発生後20年以上経った2018年7月、オウム真理教教祖麻原彰晃を含む13人の死刑が執行された。本書の主役である...続きを読むPosted by ブクログ -
許されるべき罪。恐ろしい兵器。隠されたままの真実。オウム事件に関しては麻原元死刑囚が何も語らなかった今、明らかにされない部分は多すぎる。しかし中川智正がアンソニー・トゥー博士に語った事件の内実は、オウム事件の解明、化学兵器、テロに対する研究の大切な資料にもなりうるだろう。アンソニー博士の中川に対する...続きを読むPosted by ブクログ
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中川智正はオウム真理教で松本智津夫の主治医を務め、サリンの製造に関わった元死刑囚である。
アンソニートゥーはサリン事件当時、科学の専門家として捜査に協力し、留置された中川と度々面会した。Posted by ブクログ -
日本統治下の台湾に生まれ、米国で学んだヘビ毒学者で、日本のサリン事件解決に協力した上にオウムの中川智真正死刑囚との対話集まで出版したという奇矯な経歴の著者が化学兵器、生物兵器について概観した一冊。
米国の炭疽菌テロからオウム事件、日本軍731部隊、金正男殺害事件から、新型コロナウイルスの生物兵機説...続きを読むPosted by ブクログ -
この本を読む前に、井上嘉浩を中心に書かれた「魂の遍歴」を読んでいたのだが、色々なところが食い違っていて興味深く読みました。
他の当事者から見た事実も千差万別で、まさに「藪の中」という感じです。
誰かが嘘をついているのか、本人から見たところはそれぞれ事実なのか、記憶が改変されてしまっているのか。Posted by ブクログ -
中川智正の視点からの証言として貴重な記録だと思う。
特に中川からの手紙が原文のまま掲載されている点や、中川の他のオウム関係者の印象を聞き出している点など。
彼自身は周りに載せられて、皆を喜ばせようとしていたら殺人にまで手を染めてしまったという印象。この本を読めば、そして彼にあった人々の印象として...続きを読むPosted by ブクログ -
誰かに肩入れするのではなく、自分の知ったこと感じたことを率直に書いているという点で、貴重な本だと思う。
オウムに関して、こういうスタンスの本がもっと出てもよいのではないか。Posted by ブクログ