山本昌作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大志があっても、それが実行できなければ意味がない。
だから大志が壮大なものであればあるほど、現実との乖離が出てしまう。
その辺のバランスが非常に絶妙だったのだろう。
一瞬「その理想は理解できるけど、俺には無理だ」と思わせても、この副社長は実際にやってみせる。
当然、副社長には勝算があって行っていることだ。
そして少しずつでも実績として結果が見えてくると、従業員の中で共感者が現れてくる。
この共感者を一人でも増やしていくことがものすごく重要だ。
次のムーンショットを掲げた際には、これらの共感者が率先して「共犯者」になってくれる可能性があるからだ。
ゆえに、共感者を集めない限り、共犯関係は構築できない。
当たり前ではあるが、地道に形を見せ、実行して見せ、一歩ずつ前に進みながら共感を増やし共犯者を育てていく。
この歩みがこの副社長は上手だったのだろう。
従業員わずか36名の京都の町工場が、まさか大きな会社になるとは思わない。
自分はこの町工場で一生を終えるのだろうと思っていた社員がほとんどだっただろう。
それを変えたのだ。
自分には無理だと諦めていた気持ちを変えたのだ。
副社長はマインドセットを行うにあたり、職場環境の変革から着手する。
実はこれが手っ取り早いというのはすごく共感する。
まずは仕事のやり方を無理矢理にシステム化。
本社移転。しかも工場っぽくなく、IT企業っぽいビルに。
さらに新卒採用を進め、若者を積極的に大量採用。
この規模の会社では考えられないくらい社員食堂も充実させた。
普通は「余力があればやる」ことかもしれない。
しかし実際は逆なのだ。まずはこれらに先行投資することが正解だ。
ここが副社長のセンスなのだろう。
最初から勝算が見えていてこれらを実行したのだから大したものだと思う。
これらのことで、自身の一連の成功について天狗になっていた時期があるという。
その時に工場が火事になり、自身も火ダルマに。
全身やけどで生死を彷徨い、なんとか九死に一生を得て生還。
そこから謙虚な姿勢に変わったという。
人生とは当然に平坦ではない。
例え上手く行っていてもある日突然に転落することがある。
逆に言えば今がたとえ悪くても、ずっと続く訳ではない。
自分の利よりも他人の利のために行動できる人こそ、きっと幸せな人生を歩むだろう。
それは人間界の摂理かもしれない。
持続可能な社会が謳われているが、この考え方こそが持続可能な環境社会を作り上げるのではないだろうか。
「こういう職場で働きたい」
それは環境のことが当然であるが、
「こういう人たちと働きたい」
「自分が成長できる所で働きたい」
「自分が成長することで、他人と社会に貢献したい」
という人間本来の欲求を満たしてあげることが、これからの会社の存在意義として非常に重要なのではないだろうか。
(2021/6/2) -
Posted by ブクログ
町工場を、製造のイメージをくつがえす鉄工所(会社)へ進化させた著者。本著はビジネス書として成功した経営ノウハウを学ぶこともてきるが、なによりこんな製造業の在り方もあるのかーとひたすら面白かった。
製造業→製造サービス業へ変わるべきという意見にはまったく心から同意。過去に電子部品製造メーカーに勤めた経験があるけど、おそらく私のいた会社や中小企業が変わるヒントが本著で紹介されてるヒルトップにはたくさんある。
以下心に残った点メモ。
・判断基準は楽しいか、成長できるかどうか(NOT儲かるか、大変か)
・人間性とは思考すること。思考を必要とする仕事をすべき。ルーティンにおけるジャマくさいことは取り除く(合理化する)
・モチベーションが先、生産性は後
データベース化、機械化、ジョブローテはサービス業の現職でも使えるなーと思ったし、メーカー勤務時代にも有効だと思ってたなあ。
著書内で引用されてた本田宗一郎氏の言葉「君が手に負えないと思う者だけ、採用してみては」はすごいなー!と思った。
ヒルトップは人事部がなく、社員に直接選ばせているとのこと。これは公平性さえ守られれば、すごく良いよね。私もそうあるべきだと常々思う。