イアン・マキューアンのレビュー一覧

  • 憂鬱な10か月

    Posted by ブクログ

    赤ちゃんから見た両親、不倫、社会をややニヒルな目線で書いた作品。
    現代のハムレットなんていうので期待したが、それほどではないかなー。本家の迫力は無いし、訳も分かりづらい。
    でも、赤ちゃんにもし、全てが見えているとしたら…そういう目線では面白い作品だった。

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    2018年10月21日
  • 憂鬱な10か月

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ラストの神々しさに息をのむ。愚かな現実でありながら、この希望に満ちた穏やかな感覚は何だろう。翻訳の長文に苦戦したが、忍び寄る犯罪の気配に胎児の運命が気になって何とか終わりまで辿り着いた。母親と対面した“彼”の「この顔のなかに全世界がある」や「容赦ない愛情に人生を盗まれる」等々、ウィットに富む表現にも助けられる。
    多くを赦され愛されているのは母親の方だと気づいた時、胸に込み上げてくるものがあった。

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    2018年09月11日