西田実のレビュー一覧
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ネタバレネタバレありです。
つまるところ、トム・ソーヤというキャラクターが好きかどうかで、この巻の好き嫌いは分かれるのではないでしょうか。ジムとハックのロードムービーからうって変わって2巻中盤からはトム・ソーヤ劇場です。決して面白くなくはないんですが、悪のりがすごいんです。まあ王様と公爵もひどかったので、言ってみれば2冊あわせて大半を悪のりが占めているとも言えなくもないわけですが、なんでしょう、トムは基本的にもっと安全なところにいてサバイバルではないので鼻につくのでしょうか。その、周囲の人間も読者をも唖然とさせるような悪のりこそがトム・ソーヤの持ち味なわけなので、良い悪いではなくて本当に好き嫌いの -
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『トムソーヤ~』とともに有名な作品。
だが、この2作品で絶対的に違うのは、主人公の立ち位置。
トムはいたずら好きだが“子供の範疇”から決して越えず、また、あれこれ文句をいったりもするが当時のアメリカ南部での一般的な考え方(黒人≒奴隷とか)からも外れずに、あくまでも世間という手のひらの上で行動している。
ハックは設定も浮浪者…自由人というべきか…で、考え方もまた、世間一般のしがらみのない考え方だ。
逃亡奴隷を通報するべきか、ハックは必死に考える。当時の常識ならば、悩むところではないのだ。言わなきゃいけない。ハックが躊躇しているのは、言えばジムは逃亡奴隷として処罰されるが、そんなことを幇助するのは -
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奴隷制が残るアメリカ南部を舞台にして、暴力的な父親から逃れるハックと逃亡奴隷ジムの冒険。
大学で読まされたアメリカ文学はあるが、自主的に最初から最後まで読んだアメリカ文学としては初めて(翻訳だけど)。始めは、翻訳の変ななまりが気になったが、数章読めば全然気にならなくなった。よく1人でこんなことするよなー、というくらいハックは勇気のある子だと思ったり、ハックの二枚舌に感心したり、ある意味で素直な子だなーと思ったりして、面白かった。ジムはよく迷信を口にするが、当時の奴隷はこんな感じだったのだろうか、と思った。冒険そのものも面白いが、当時の南部の様子が描かれている部分も、歴史紀行をしている感じで -
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Adventures of Huckleberry Finn(1885年、米)。
どこまでも陽気で陰影のない「トム・ソーヤーの冒険」に比べると、こちらは結構ビターな印象。黒人奴隷の人権問題が絡んできたり、大人の犯罪や紛争に巻き込まれたり…。トムの冒険はファンタジーだが、ハックの冒険は命懸けのサバイバル。一歩間違えば、皮肉めいた重い話になってしまいかねない内容だ。
しかし、児童文学として耐え得る軽やかさは、かろうじて失われていない。その理由は、ハックの逞しさ、ジムの善良さ、人種を超えた彼等の友情、そして何より、雄大なミシシッピ川の美しい描写のためだろう。ハック達が自由を求めてミシシッピを下る過 -
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(上巻のレビューからの続き)
さらに冒険や南部の様子以外に、ハックの内面の葛藤なども描かれていて、微妙な心理の揺れ動きなんかが分かって面白かった。また、文学が専門の人は、この作品における川の持つ意味、とかを考えたりするんだろうか、とか思ったりした。
トムソーヤーは読んだことがなく、解説にも書いてあったが、はじめはトムソーヤーの続編として書かれたそうだ。でもやっぱり下巻でトムソーヤーが登場してからは、多少退屈だった。ハックとジム二人のときは、二人が現実の差し迫っている危機を何とか打開しようとして、ハラハラさせられる部分も多かったが、トムが出てきてからは、現実の危機は前と同じように差し迫って