森田正馬のレビュー一覧

  • 新版 自覚と悟りへの道 神経質に悩む人のために

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    森田正馬の自宅で月一回開かれた患者と森田の会合「形外会」の記録を、元患者であり、愛弟子であり、森田療法の伝道師ともいえる水谷啓二が、現代ふうに整理、編集したもの。これによって森田の教えが広く世に知られることになった。
    あとがきの水谷の文章も素晴らしい。
    森田の治療あるいは再教育の核心を、水谷は次のように喝破している。
    「つづめていうならば、〝神経質症はほんとうの病気ではないから、健康者として取り扱え“ということである」

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    2025年01月21日
  • 新版 神経衰弱と強迫観念の根治法 森田療法を理解する必読の原典

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    再読。
    この本は、形外会の記録(森田全集第五巻)の参加者、そして森田自身によって、読むだけで神経質が治った、と繰り返し言及されている伝説の書である。
    この名著には、今から思うととてつもなく革命的な強迫観念の定義がなされている。
    いわく、「強迫観念とは、自ら思うことを思うまいとする心の葛藤のことに名づけられたものである」と。
    通常強迫観念は、自分の意思に反して不合理な観念が繰り返し起こることとされている。
    森田では、観念が不合理ということは要件にされない。そして、繰り返し起こるのを避けようとするからこそ生じるのであるという発想の逆転により、強迫観念という病態の本質、原因論までこの一行で言い尽くし

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    2025年01月19日
  • 新版 神経質の本態と療法 森田療法を理解する必読の原典

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     昨今の精神科医はみな共感、傾聴を大切にする。一方で森田の言葉には少し厳しさも感じる。しかし、森田はいつも患者の死の恐怖を生の欲望へと転換させることに工夫を凝らしていた。
     自分には神経質なところがあると思っている人には精神疾患の有無問わず読んでほしい1冊。本書を読み、実践してみれば世界が輝いて見えるのではないだろうか。少なくとも私はそうだった。

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    2024年06月20日
  • 新版 神経衰弱と強迫観念の根治法 森田療法を理解する必読の原典

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    森田療法は昔から気にはなっていたものの、ネットでの概要とかくらいでしか読んだことがなく、よく聞く「あるがままを受容する」という一文だけだとどこか病に対する諦めが必要なのかと思ってそれはそれで絶望だなと感じる部分があったけど、そもそも森田氏本人の著書では異常なこと(病気)じゃない!というところからのスタートで目から鱗。

    「その症状は病気なんじゃなくて本来人間なら誰でも持ってる性質に過ぎないよ!だからはじめから薬なんかが効くわけないんだよ」って言いきってるところがかっこよかった。

    ※今後追記する予定

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    2022年04月21日
  • 新版 自覚と悟りへの道 神経質に悩む人のために

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    日本で独自の神経症治療を試みた森田正馬、その元患者たちとの座談会をまとめたものが本書である。
    この本では神経症の治療過程が述べられているわけではない。この座談会では神経質の症状や人生について様々なことが話題に上がる。その応答は、師匠と弟子とでもいえるような関係のなかで行われ、人生観に係る内容の「教育」も行われるのだから、二重の意味で「先生」を囲む会になっている。精神疾患について学んでいくと、こういう宗教的ともいえるような団体の話がでてくる。アルコール依存症にとってのAAや断酒会はその中でももっとも代表的なものだろう。
    この本が最初に出版されたのが1959年だが、戦前、戦中をとおして強迫神

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    2020年03月21日
  • 新版 自覚と悟りへの道 神経質に悩む人のために

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    事実唯真。自然に服従し、境遇に従順であれ。気分本位。はからい。心機一転。啐啄同時。なりきる。とらわれ。森田正馬の人柄と教養が伝わってくる一冊。

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    2017年07月24日
  • 新版 自覚と悟りへの道 神経質に悩む人のために

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    森田先生と患者(というより最早弟子)の対話集。
    宗教のようでもあるが宗教ではない。
    ほとんど禅問答。
    読んでいて、感覚的に掴みかける部分もあるが、するするっと逃げていくような感覚はまさに禅問答。
    神経質症の人は何か掴めるものがあるかもしれないから、読むべし。
    しかし、この本って昭和34年に書かれたものだから、時代は変わっても人間の悩みは不変なんだな、と思った。

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    2018年07月15日