森田正馬のレビュー一覧

  • 新版 生の欲望 あなたの生き方が見えてくる

    Posted by ブクログ

    森田の随想からの抜粋で、現代の人々に広く読んでもらうために水谷啓二が編集した貴重な書物。

    森田の言葉には、相変わらず異常なほどの力がある。森田ほど、語ることと生きることとの間の、ことばと生き様とのあいだの乖離がない人間は稀なのではないだろうか。

    巻末の編者による「森田先生に救われた私の体験」は、涙なしには読めない名文である。

    0
    2025年01月23日
  • 新版 自覚と悟りへの道 神経質に悩む人のために

    Posted by ブクログ

    森田正馬の自宅で月一回開かれた患者と森田の会合「形外会」の記録を、元患者であり、愛弟子であり、森田療法の伝道師ともいえる水谷啓二が、現代ふうに整理、編集したもの。これによって森田の教えが広く世に知られることになった。
    あとがきの水谷の文章も素晴らしい。
    森田の治療あるいは再教育の核心を、水谷は次のように喝破している。
    「つづめていうならば、〝神経質症はほんとうの病気ではないから、健康者として取り扱え“ということである」

    0
    2025年01月21日
  • 新版 神経衰弱と強迫観念の根治法 森田療法を理解する必読の原典

    Posted by ブクログ

    再読。
    この本は、形外会の記録(森田全集第五巻)の参加者、そして森田自身によって、読むだけで神経質が治った、と繰り返し言及されている伝説の書である。
    この名著には、今から思うととてつもなく革命的な強迫観念の定義がなされている。
    いわく、「強迫観念とは、自ら思うことを思うまいとする心の葛藤のことに名づけられたものである」と。
    通常強迫観念は、自分の意思に反して不合理な観念が繰り返し起こることとされている。
    森田では、観念が不合理ということは要件にされない。そして、繰り返し起こるのを避けようとするからこそ生じるのであるという発想の逆転により、強迫観念という病態の本質、原因論までこの一行で言い尽くし

    1
    2025年01月19日
  • 新版 対人恐怖の治し方

    Posted by ブクログ

    森田正馬の言葉は、いつも、常に、異様なほどの力強さに貫かれている。
    禅の老師が自ら達した境地から人を導かんと語り出す言葉に血涙が滲み出すのに似ている。

    森田療法におけるキーワードの一つ「心機一転」とは何かが、見事に語られている箇所を引用する。
    「心機一転とは、平生内向性の心が、次第に変化して、ある機会に一転して、外向的となることである。その手段としては、第一に、自分の病状をいわないこと、書かないことで、第二には、仕事を乗りきることの二つである。」

    苦痛はこれについて語らない。苦痛と裏腹の生の欲望、純な心が発動するにまかせて働く。

    平明だが、深く、実践は困難な行である。

    0
    2024年11月07日
  • 新版 神経質の本態と療法 森田療法を理解する必読の原典

    Posted by ブクログ

     昨今の精神科医はみな共感、傾聴を大切にする。一方で森田の言葉には少し厳しさも感じる。しかし、森田はいつも患者の死の恐怖を生の欲望へと転換させることに工夫を凝らしていた。
     自分には神経質なところがあると思っている人には精神疾患の有無問わず読んでほしい1冊。本書を読み、実践してみれば世界が輝いて見えるのではないだろうか。少なくとも私はそうだった。

    0
    2024年06月20日
  • 新版 生の欲望 あなたの生き方が見えてくる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    1956年に初版が発行され、以来受け継がれている本書。
    精神科医である森田先生の思想が詰まったエッセイ。

    内容は精神医学に限らず、生活全般にわたる。
    ちょっと断定的過ぎるところはあるが、それを加味しても、とても為になる良書である。

    随所に人生のヒントが隠れている。

    個人的に気になったところ

    ・結婚相手は好き嫌いを標準にした方が良い。好き嫌いの感じは、その人の個性と育った境遇によって定まる

    ・自分の身分や境遇に順応して、それに素直に服従し努力するのが「事実本位」の生活である

    ・体験を基にするのでなければ、単なる思想によって思想を改善しようとするのは非常に難しい

    ・人間は何はともあれ

    0
    2022年11月08日
  • 新版 神経衰弱と強迫観念の根治法 森田療法を理解する必読の原典

    Posted by ブクログ

    森田療法は昔から気にはなっていたものの、ネットでの概要とかくらいでしか読んだことがなく、よく聞く「あるがままを受容する」という一文だけだとどこか病に対する諦めが必要なのかと思ってそれはそれで絶望だなと感じる部分があったけど、そもそも森田氏本人の著書では異常なこと(病気)じゃない!というところからのスタートで目から鱗。

    「その症状は病気なんじゃなくて本来人間なら誰でも持ってる性質に過ぎないよ!だからはじめから薬なんかが効くわけないんだよ」って言いきってるところがかっこよかった。

    ※今後追記する予定

    1
    2022年04月21日
  • 新版 自覚と悟りへの道 神経質に悩む人のために

    Posted by ブクログ

    日本で独自の神経症治療を試みた森田正馬、その元患者たちとの座談会をまとめたものが本書である。
    この本では神経症の治療過程が述べられているわけではない。この座談会では神経質の症状や人生について様々なことが話題に上がる。その応答は、師匠と弟子とでもいえるような関係のなかで行われ、人生観に係る内容の「教育」も行われるのだから、二重の意味で「先生」を囲む会になっている。精神疾患について学んでいくと、こういう宗教的ともいえるような団体の話がでてくる。アルコール依存症にとってのAAや断酒会はその中でももっとも代表的なものだろう。
    この本が最初に出版されたのが1959年だが、戦前、戦中をとおして強迫神

    0
    2020年03月21日
  • 新版 自覚と悟りへの道 神経質に悩む人のために

    Posted by ブクログ

    事実唯真。自然に服従し、境遇に従順であれ。気分本位。はからい。心機一転。啐啄同時。なりきる。とらわれ。森田正馬の人柄と教養が伝わってくる一冊。

    0
    2017年07月24日
  • 新版 自覚と悟りへの道 神経質に悩む人のために

    Posted by ブクログ

    森田先生と患者(というより最早弟子)の対話集。
    宗教のようでもあるが宗教ではない。
    ほとんど禅問答。
    読んでいて、感覚的に掴みかける部分もあるが、するするっと逃げていくような感覚はまさに禅問答。
    神経質症の人は何か掴めるものがあるかもしれないから、読むべし。
    しかし、この本って昭和34年に書かれたものだから、時代は変わっても人間の悩みは不変なんだな、と思った。

    0
    2018年07月15日