宮間純一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
明治維新では、長州や薩摩といったメインストリームの物語が数多く出回っているが、もちろん日本各地でその大変革に翻弄された小さな物語が存在する。そしてそれらは日本社会が変遷していくなかで役割を変え、その記憶をも改ざんされてきた経緯がある。
この本では笠間、周防大島、飯能、大館、佐倉といった維新の辺縁部に置かれた地域の郷土史を紐解き、そこでの官軍・幕軍に属した人々の扱いについて検証している。早くから官軍側に与した人物は志士として顕彰される一方で、幕軍の側で抵抗した人物は忠義や勤王といった文脈に置き換えられる。
とくに明治維新100年の1968年前後や150年の2018年前後にはこの再評価が盛り上