加藤秀一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジェンダーやセックスとの違いや差別の問題・・・などといった基礎知識の解説本ではありません!
もちろん、最終章では、ジェンダーやセックス、性教育にたいする著者の政治的な見解も激しく述べられていますが、
基本的には・・・
<わかりやすい>結論をポンと手渡すことではなく、「どうしてそのように考えるべきなのか」「どうしてそのような概念が必要なのか」という根本のところから、一緒に考えさせられる・・・ある意味では、「ジェンダー」を切り口とした、哲学的でもあり、社会学的でもある本です。
徹底的に、細かい問題から、考えさせられませます。
性差と、性役割の違いの奥に潜む社会的問題から、性同一障害から -
Posted by ブクログ
ジェンダーについての入門という事で肉体的な性別そのもの、自分の性別の認識、社会的に作られた男女差、社会的に作られた男女別の役割。等大まかな説明をしてくれているので入りやすかった。
自分の性の認識と社会的に作られた男女の役割(男ならこうであるべき女ならこうであるべき)で、「男は女として、女は男として過ごせば望まない性別を強いられる辛さが分かるでしょう」の文にとても衝撃を受けた。自分の心が望まない事をジェンダーについての理解が進んできているとは言え社会全体が強制してくる辛さは想像ができた。
また、自分の言動が性差別になっているかもしれないという危機感も持った。何気ない一言でもその人にとっては深 -
Posted by ブクログ
「つまり、性差というのは本質的に統計学的な概念だということです」 (97)
統計的に「そういう人が多い」と、その属性が「そういう性質を持つ」という結論に帰してしまうのは、もはや人間の本能のようなものではないかと最近感じることが多い。
社会調査とかの統計学でやっているようなことはだいたいこれだし、その情報の受け手も有意差が出ていれば、それだけでもそれを「性質」的なものに還元してしまうだろう。
もちろん、良識がある人であれば、それを本質的な差異と見なすのではなく、それを社会的に構築されたものであると見なすであろうが、しかしその場合においても「差異」がそこに存在していることは認めており、そし -
Posted by ブクログ
2019.3.12
基礎を学んだ!!!
ジェンダー論ってかなり具体的な哲学のような印象
言葉によって人がどれだけ無意識で定義される/しているか、というのがわかっておもしろかった とにかく言葉に細心の注意を払うのが大事なのだな。。。こういうことを議論するのって本当に難しい、サッと出した言葉が当人は正しい意味で使っていると思っていても正しくは違ったりその逆だったりして小さい亀裂がどんどん生まれる それが決定的な決裂になったり もう文面だけで議論したほうがいい気がする、ラインとか 記録が残るようにライン会議したほうがいいよ。。。
なにを持って男/女とするか、みたいなところが面白かった
太古の昔 -
Posted by ブクログ
フェミが苦手なので、苦手なものに挑戦する気持ちで読んだ。
自分は男なので、フェミっぽい意見を聞くと、男である事に罪を感じて、やるせなくなったり、喧嘩を売られてるような気分になったり、モヤっとする。
この本を読んで、ジェンダーは議論とか哲学のレベルでは尊いとわかり、良かった。
差別って、もっと深掘りされるべき問題だし。他者とか暴力性とか、そういった単語の使い方がフェミのルール剥き出しでいい。
ただ自分は、フェミのルールの中に入る気はない。頭が悪いので、ジェンダーを信じたり疑ったりしても同じところをグルグル回る事になりそうだからだ。乱暴でもいいから外側に居たいと思った。 -
Posted by ブクログ
「ジェンダー」概念と「ジェンダーフリー」は異なる文脈にある、と再確認。個人的には「ジェンダーフリー」という言葉は安易な語感に響いて、避けて通りたいなーという思いがあった。が、一方で、そーいうのはアカデミズム的態度らしい…とも思わされた。「ジェンダーフリー」が多用されてきた学校教育等の現場で生じている問題の切実さと学界的な概念論をめぐる切実さには、やはり乖離があるのだろう。その溝と同時に、やはり同時代に共有せざるを得ない現実への問題意識が、相互に伝わる可能性がある点は良書だと思う。ただし、それにしてもタイトルが悪い…。もう少し、センスのいいタイトルを切望(涙)。内容的には★4…と行きたいが、フェ