ローマン・クルツナリックのレビュー一覧
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環境問題がなぜ今、これほどまでに叫ばれるようになったのか?
こういうことだ。
つまり、地球の崩壊(人間が住めない地球という意味)が、我々が想像できる未来の範囲内に、はじめて入ってきたということだ。
賢いと思っている人間もまだまだ発展途上であり、せいぜい自分の子どもの未来、頑張っても孫の未来くらいしか想像できない。たかだか200万年では、この程度の発達しかできないということだ。
だから、環境問題に対峙できない自分を責める必要はない。それが普通なのだ。
しかしながら、このままでは、人類は早晩絶滅してしまう。脳の進化を待ってる余裕はない。
なんとかして、7世代先の未来を想像し、行動しなければ -
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ネタバレ6つの愛の形があることを知っているだろうか?いやほんとはもっと多いのかもしれないし、少ないのかもしれない。ひょっとしたらそもそも愛って何という問題にぶち当たるのかもしれない。
それでも人間は6つの愛の形を持つ可能性があると知ることは、これから先の人生で愛の問題に取り組むに当たって何らかのヒントになりそうだ。
ギリシャ思想の中では愛は「エロス(性愛)」「フィリア(友愛)」「ルードゥス(遊び)」「プラグマ(成熟した愛・情愛)」「アガペー(無償の愛)」「フィラウティア(自己愛)」の六つに分類され、昔はそれをそれぞれ異なる人と満足させてきたが、現在ではすべてを一人の人で満足させようとしている。
結 -
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私達の生活を歴史という観点から考察する、という趣旨。 正直、今年一の内容だった。
まず素晴らしいのはテーマの広範さ。愛の分類からはじまり、家族、仕事、料理、お金、死生観と、生活をめぐる多くのテーマがあり、これらの全体として生活がある事がよく理解できる。 また、章を分け、それぞれについて論じられている事で読み手が理解しやすい。 この手の話は論旨がハッキリせず、寄り道のように様々な事が語られがちなのだが、全体における部分として、それぞれ独立した構造になっている。
以下感想
読書の動機は生活について考察をしよう、というテーマに強く惹きつけられたからであり、これは現在の生活に疑問を抱いているとい -
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「グッドアンセスター」Roman Krznaric
人間の歴史は本質的に観念の歴史である。H.G.ウェルズ
短期主義-長期思考
時計の専制(中世以降の時間の加速)-ディープタイムの慎み(宇宙時間にける瞬きの存在である自覚)
デジタルディストラクション(テクノロジーに乗っ取られる注意散漫な意識)-レガシーマインドセット(後世によく語り継がれる)
場当たり的政治(次の選挙ばかり気にかける近視眼)-世代間の公正(七世代先まで考える)
投機的資本主義-大聖堂思考(人の寿命を超えた計画)
ネットワーク化された不確実性-ホリスティックな未来予測(文明の為の複数の道筋を描く)
永遠の進歩(終わりのない -
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タイトル通り、子や孫の世代が、私たちの世代を振り返った時に「あの時におじいちゃんが頑張ってくれたから今の平和で豊かな時代がある」と思われるのか、「どうして問題を認識していたのに何も行動しなかったのか」と思われるのか。社会に大きな影響を及ぼす大企業や行政、政府の動きをどう変えるかについての方法が説明されている。鍵は「大聖堂思考」「世代間の公正」。自分たちはその完成を見ることはできないことがわかっているのに、大聖堂を建築する。将来世代が投票権を持っていたらどう行動するだろうという思考で比較してみる、など。人類と呼べる種が生まれてこれまで5万年の間に亡くなった数は約1000億人、現在生きている人が1
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人間は「マシュマロ脳」と「どんぐり脳」を持ち合わせている、と著者は主張します。前者は短期の利益を求める脳、後者は(どんぐりを植えて木に育てるという意味での)長期的な利益を求める脳です。そして我々は(本書では特に西欧社会の人々を念頭に置いていますが)マシュマロ脳が不均衡なまでに大きくなっているので、どんぐり脳の大事さを改めて認識すべき、というのが本書のキーメッセージです。
率直な印象ですが、短期志向から長期志向へ、というメッセージ自体は特に目新しさはないです。また長期志向になるためのティップスとして「ディープタイムの慎み」「レガシー・マインドセット」「世代間の公正」「大聖堂思考」「全体論的な予