ローマン・クルツナリックのレビュー一覧

  • グッド・アンセスター

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    少子高齢化や環境問題など頭では解っていたつもりのことも、実際にはどれほどの解像度で理解できているのかと思う。自分が今ここに存在するのは祖先と呼ばれる人たちがいるからであって、いつの日か自分が祖先の側になる時に何を残してあげられるのだろうか。問いが深すぎて簡単に消化することも答えを出すこともできないが、グッドアンセスターになるためにやらなくてはいけないことを整理してみることが、まず自分の一歩目かと思う。

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    2024年10月21日
  • グッド・アンセスター

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    環境問題がなぜ今、これほどまでに叫ばれるようになったのか?

    こういうことだ。
    つまり、地球の崩壊(人間が住めない地球という意味)が、我々が想像できる未来の範囲内に、はじめて入ってきたということだ。

    賢いと思っている人間もまだまだ発展途上であり、せいぜい自分の子どもの未来、頑張っても孫の未来くらいしか想像できない。たかだか200万年では、この程度の発達しかできないということだ。

    だから、環境問題に対峙できない自分を責める必要はない。それが普通なのだ。

    しかしながら、このままでは、人類は早晩絶滅してしまう。脳の進化を待ってる余裕はない。
    なんとかして、7世代先の未来を想像し、行動しなければ

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    2022年01月23日
  • 生活の発見 場所と時代をめぐる驚くべき歴史の旅

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    時間、感覚、旅など、身近なものの考え方が、歴史のなかにどのように変わってきたかを思考する本。切り口がすき。

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    2020年03月12日
  • 生活の発見 場所と時代をめぐる驚くべき歴史の旅

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    ネタバレ

    6つの愛の形があることを知っているだろうか?いやほんとはもっと多いのかもしれないし、少ないのかもしれない。ひょっとしたらそもそも愛って何という問題にぶち当たるのかもしれない。
    それでも人間は6つの愛の形を持つ可能性があると知ることは、これから先の人生で愛の問題に取り組むに当たって何らかのヒントになりそうだ。

    ギリシャ思想の中では愛は「エロス(性愛)」「フィリア(友愛)」「ルードゥス(遊び)」「プラグマ(成熟した愛・情愛)」「アガペー(無償の愛)」「フィラウティア(自己愛)」の六つに分類され、昔はそれをそれぞれ異なる人と満足させてきたが、現在ではすべてを一人の人で満足させようとしている。

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    2019年11月05日
  • 生活の発見 場所と時代をめぐる驚くべき歴史の旅

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    確かに歴史に学ぶ本なのだが、その切り口が素晴らしい。常識を疑えというと陳腐に聞こえてしまうが、多くの習慣がつい最近意図的に作られたものであったり、思い込みであることを事実の積み上げで穏やかに知らせてくれる。

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    2019年01月01日
  • 生活の発見 場所と時代をめぐる驚くべき歴史の旅

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    私達の生活を歴史という観点から考察する、という趣旨。 正直、今年一の内容だった。

    まず素晴らしいのはテーマの広範さ。愛の分類からはじまり、家族、仕事、料理、お金、死生観と、生活をめぐる多くのテーマがあり、これらの全体として生活がある事がよく理解できる。 また、章を分け、それぞれについて論じられている事で読み手が理解しやすい。 この手の話は論旨がハッキリせず、寄り道のように様々な事が語られがちなのだが、全体における部分として、それぞれ独立した構造になっている。


    以下感想
    読書の動機は生活について考察をしよう、というテーマに強く惹きつけられたからであり、これは現在の生活に疑問を抱いているとい

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    2018年11月13日
  • グッド・アンセスター

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    何となく人ごとに感じていた、環境問題や将来世代という言葉。この本を読んで、身近に実感できた気がする。私たちの今があるのは、良いことも悪いことも含め、過去に生きた人(祖先)がいたから。祖先とのつながりを感じることで、私たちもいつか未来の祖先となることを、不思議なことに実感できる。将来世代は最も大きなサイレントマジョリティー、響いた。病的な短期主義の時代を生きて良いのか、出来るとこからするべきなのでは、ということが、腹落ち出来る形で多く書いてあった。

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    2024年02月21日
  • グッド・アンセスター

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    「グッドアンセスター」Roman Krznaric

    人間の歴史は本質的に観念の歴史である。H.G.ウェルズ


    短期主義-長期思考
    時計の専制(中世以降の時間の加速)-ディープタイムの慎み(宇宙時間にける瞬きの存在である自覚)
    デジタルディストラクション(テクノロジーに乗っ取られる注意散漫な意識)-レガシーマインドセット(後世によく語り継がれる)
    場当たり的政治(次の選挙ばかり気にかける近視眼)-世代間の公正(七世代先まで考える)
    投機的資本主義-大聖堂思考(人の寿命を超えた計画)
    ネットワーク化された不確実性-ホリスティックな未来予測(文明の為の複数の道筋を描く)
    永遠の進歩(終わりのない

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    2021年11月04日
  • グッド・アンセスター

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    タイトル通り、子や孫の世代が、私たちの世代を振り返った時に「あの時におじいちゃんが頑張ってくれたから今の平和で豊かな時代がある」と思われるのか、「どうして問題を認識していたのに何も行動しなかったのか」と思われるのか。社会に大きな影響を及ぼす大企業や行政、政府の動きをどう変えるかについての方法が説明されている。鍵は「大聖堂思考」「世代間の公正」。自分たちはその完成を見ることはできないことがわかっているのに、大聖堂を建築する。将来世代が投票権を持っていたらどう行動するだろうという思考で比較してみる、など。人類と呼べる種が生まれてこれまで5万年の間に亡くなった数は約1000億人、現在生きている人が1

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    2025年06月13日
  • グッド・アンセスター

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    人はつい目先の利益を優先する短期思考に陥りがち。長期思考の重要さを説いている。具体的な事例を用いているので長期的思考の効果もわかりやすい。

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    2023年10月01日
  • グッド・アンセスター

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    グッドアンセスターを目指す事が必要な事はよく分かるが、筆者も指摘しているように、現在は短期的な収益を上げて裕福に暮らす事が、最大の目標となっていて、それを変えていくのは一朝一夕には困難だと思われる。
    手遅れになる前に、多くの人の意識が変わる事を期待したい。

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    2023年06月05日
  • グッド・アンセスター

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    人間は「マシュマロ脳」と「どんぐり脳」を持ち合わせている、と著者は主張します。前者は短期の利益を求める脳、後者は(どんぐりを植えて木に育てるという意味での)長期的な利益を求める脳です。そして我々は(本書では特に西欧社会の人々を念頭に置いていますが)マシュマロ脳が不均衡なまでに大きくなっているので、どんぐり脳の大事さを改めて認識すべき、というのが本書のキーメッセージです。

    率直な印象ですが、短期志向から長期志向へ、というメッセージ自体は特に目新しさはないです。また長期志向になるためのティップスとして「ディープタイムの慎み」「レガシー・マインドセット」「世代間の公正」「大聖堂思考」「全体論的な予

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    2023年05月08日
  • グッド・アンセスター

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    ネタバレ

    ・100年以上を考える。
    ・カリフォルニア ホワイトマウンテンのブリストルコーン・パイン
    ・クレタ島のオリーブの木
    ・デス・ナッジ
    ・S字曲線:離陸・成熟・衰退
    ・消費・過剰・自立・短期->持続可能性・バランス・相互依存性・長期グラフィック
    ・ニール・ハービソン:チョウチンアンコウ
    ・ソフィー・ハウ:国民健康保険は本来「国民のウェルビーイングのためのサービス」であるべきなのに、実際には「国民を病気にするためのサービス」になっている。
    ・西山温泉慶雲館
    ・成長の限界報告書:1972年度ドネラ・メドウズ、デニス・メドウズ

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    2022年05月05日