ジョッシュ・ウェイツキンのレビュー一覧
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チェスマスターでありながら、太極拳推手においても世界大会で優勝するほどの実力を持つ異例の経歴、ジュッシュ・ウェイツキン氏著の本書。心技体を丁寧にチェス、太極拳の上達に合わせて事例を交えて紹介し、チェス、太極拳以外のあらゆる分野に活かせるように洗練していった名著。初期段階、熟達した段階、更に高みを目指す段階に合わせた精神的な修練が学べる。また著者自身の人生がドラマチックであるため、物語としても読み応えがある。精神や思考などの内面に迫る内容が多いが、自己啓発的な根拠のないものではなく、エビデンスベースであったり、自身で試行した結果であるものが中心であるのも◎。
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チェスのトッププレーヤーでもありながら、太極拳の世界でもトップに登りつめた著者が、習得のための方法論を自身のエピソードを交えながら語っている本になっている。
当然、トッププレーヤーの経験による方法論なので、難しいと感じるところもあったが、
読んでいて、考えさせられるというか、真似していきたいと思わせてくれる内容だった。
そもそも、能力や知識への考えとして、生まれつきや人によって得意不得意の決まっているものと考えるのでなく、誰でも少しずつ、身につけ、上達していけるというマインドセットは大切だと感じたし、
ゾーンに入るための習慣づくりの方法論、特に、困難な状況でも、むしろそれを利用して高い集中を保てるように訓練していくということは、この本を読むまであまり考えなかった内容で、勉強になった。
方法論としても、ドキュメンタリー的にもおもしろく読める良い本だった。 -
Posted by ブクログ
2015.11/15 ボビーフィッシャーを探して」の原作者の実在の天才チェスマスターの論述。少年時代のチェスの習得における段階的な局面からは、子どもが才能を開花するための親やコーチなど周囲のあるべき姿が示唆され大いに学べる。また後半、太極拳推手の世界選手権覇者になるまでの身体的かつ精神的な考察、検証、実験、鍛錬の理論的でも具体的でもある経緯からは、人生における物事への姿勢を学んだ気がする。またロシアとか台湾でのコーチや自国審判団の汚さとかが名指しや具体的で驚く。そういうことにも振り回されない精神力の維持の仕方はいろんな競技に応用可能かと。
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Posted by ブクログ
チェスの神童と呼ばれ、太極推手の世界選手権覇者で黒帯の柔術家という変態的に習熟の達人である本書はあらゆる学習書を上回る力を持っている
筆者は飛躍の為には基礎を注意深く積み重ねる事の大切さを解いている。勝つ事や正確に動くことに囚われていては成長は出来ない。まず最初に心がける事は「コンスタントに起こる心理的・技術的課題やミスを探す事だ(ビギナーズマインド)。時として相手のミスからも学べる。またピーク状態でパフォーマンス出来ない期間を許容する事は学習の過程で重要(負の投資)。
基礎を積み重ね、無意識化した後それで終わりかというとそうではない。彼曰く凝縮させるプロセスが発生する。エッセンスの真髄を保ちながら小さくしていく。どんな分野でも深さは広さに勝り、ミクロからマクロを学ぶことしか出来ない(より小さく円を描くメソッド)。一つの技法について洞察を深めると往々にして別の事物への深い考察に結びつく。
基礎を深く身につける事により創造性の閃きが生まれ、それを基礎とする事により進化させる事が出来る。
時間を緩めるには無意識の力を使う。
逆境を利用する→逆境はインスピレーションの源泉ともなりうる。今という場所に心をおく事の大切さを思いおこさせてくれる。怪我により今までおざなりがちになってる内的、抽象的、直感的トレーニングに目を向けるキッカケとなる。
ストレス&リカバリー→リカバリーにかかる時間を意識的に調べる(そしてそれを凝縮する)
ゾーンに入る為の「引き金を構築する」→意図的に準備する(イチローの朝カレーや準備に対する姿勢)
「サンダルを履く」→ダーティープレーヤーに対する対処法。激情に流されず、逃げ出さずに自分の内面を観測する事によりインスピレーションの追求、鋭い集中力を生み出す(例 マイケルジョーダンやレジーミラーは野次や相手の選手の毒舌を集中の刺激に変えてしまう)
発達心理学キャロル・ドゥエック博士は知能に対する解釈の違いで「実体理論者」と「増大理論者」に分かれるとしている。長い目でみて強いのは後者。
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勝負の世界に身を置くものにとって、最も示唆に富む書籍である。著者自身も学習理論を学んでいるからだろうか、凡庸で真新しくない研究の解説もある。しかし、それらの解説と彼自身の体験、理論が交わり、具体的にいかに上達し、勝負に勝つか、プラグマティックな方法論の展開される点が魅力である。子供時代に読んだ伝記が将来の職に影響を与えたという話も多いように、伝記には自己啓発的な効果も期待されるが、自らが勝負師であるか、何らかの世界で勝負師として生きたいと思うのであれば、本書は最適である。勝負の世界を生きる優れた方法論と、自己啓発的な効果とを兼ねる伝記は他に存在しない。
<学習以前の心構え>
努力すれば能力は漸次的に伸ばしていけるもの(増大理論)だと考える人ほど、実際に上達する(『「やればできる!」の研究』に詳しい)。この考えが根付いていると、困難は自らを成長させる機会であると、長期的な観点から捉えることができる。ジョッシュ自身も、「成功者のほとんどは、より高いところに目を向けてあらゆる戦いで危険を冒しているし、目先のトロフィーや栄光なんかよりも、頂点を目指す過程の中で学んだことの方がずっと意味があるということを知っている」と自らの経験を振り返る。ただ同時に、「傷ついている戦いの真っただ中で、こういった長い目で見た大局観を維持できるかどうか」は最大の難関であり、習得技法の核にあたるものであるとも語っている。
<ふたつの集中>
脆い集中と柔軟な集中がある。まず、リラックスとは対極にあるような多分な緊張を含む集中は「ハードゾーン」と呼ばれ、その神経をすり減らす心理状態は、外部要因によって簡単に崩れてしまうものである。しかし「ソフトゾーン」は、静かに深く集中しリラックスしつつも、精神的な活力が漲っている心理状態であり、その状態にあっては、どんな自体が起こっても、その心理状態のまま意識は流れ、ハードゾーンでは障害にしかならなかった外部要因を逆にインピレーションを喚起する素材として自らに取り入れることも可能になる。世間でいわれる「ゾーン」は後者で、アスリートにとっての理想的な心理状態である。
<心の平静>
心の平静は達人クラスの人間にとっては不可欠なものである。自らにとって不都合な事が起きれば、衝動(感情)が発生する。ジョッシュは、不都合な出来事とそれに伴う感情への対処法は、それら否定するのではなく、むしろアドバンテージとして利用することにあると語る。彼は、不快を感じたとき、それを避けるのではなく、その状況の中でいかに平安を見出すかを考えるようになったという。こうした鍛錬は日常的に行える。あえて騒音の只中で読書をするのも良いし、嫌な人間と積極的に関わるのも良いだろう。不快を、自らを成長させるものだと捉えなおすことは、良い精神状態を生み出すリフレーミングである。彼は本能的に、チャレンジが必要な困難を探し出そうとしているそうだ。呼吸するかのごとく、今の瞬間に心を留められるようにならねばならない。
<澄んだ精神状態は勝利を呼ぶ>
ジョッシュが少年少女にチェスのコーチをした際、彼らに教えたのは、重大なミスをしても澄んだ精神状態をすぐに取り戻し、「今」という瞬間に気持ちを据え続けることの大切さだったという。彼は2本の平行線で、時間と心のあり方をイメージで捉えているという。今に集中しているときは、時間と意識が同時並行で進んでいるため、刻々と変化する状況も捉えることができる。しかし、ミスをした際に、ミスをする以前の状態に拘っていると、心は過去に留まり、実際の状況との乖離が進む。時間と状況は進むが、心は過去に留まったままでは、状況を捉える能力は減退する。
<負の投資>
ジョッシュは、「心をオープンにした増大理論の学習アプローチをとり、ピーク状態でパフォーマンスできない期間を時に許容することが、学習の過程に絶対に必要である」と語っている。ベストを目指すためには、世間が理解を示すか示さないかに関わらず、この「負の投資」を自ら責任で背負うことが重要だそうだ。古い信念を作りかえるためにも、時には負け続けることが必要なのだ。彼は、この心構えで太極拳のレッスンを受け続け、自ら、そして他人のミスからも何かを学び取ろうと心がけた。そして数ヶ月も経つと、2、3年学んでいるという人を相手にしても渡り合えるようになったという。ミスを直視することの重要性は、『才能を伸ばすシンプルな本』でも書かれている。
<より小さな円を描く>
ある分野で秀でるためには、まず、基礎技術をシンプルな形で徹底的に覚えていく。それが無意識にまで浸透した段階で、それを応用分野に適用することで、無理なく着実に進歩し続けることができる。複雑な応用分野から着手すると、ミスをしないことばかりに気を取られ、進歩は難しくなる。達人級の人間は、徹底的に覚えた基礎技術(*応用技術も段階を経るごとに基礎技術になっていく)におけるエッセンスの真髄を保ちながらも、外形的にはそれを小さくしてゆくのではないかと、ジョッシュは語り、それを「より小さな円を描くメソッド」と呼ぶ。徹底的に覚えることで、その技術は無意識の段階に到達し、最終的には頭で考えるのではなく、感覚として捉えられる段階に達している。その感覚を維持しつつも、目に見える外形的な技術は限りなくそぎ落とすのである。小さな円を描くことで、同じように小さな円を描ける者以外には実際に何が起こっているのかを知られることがない、分解さえすれば基本的な原理に従っているにも関わらずだ。何かに熟達した者であれば、理屈としてはすぐに理解できるだろう。初級者は上級者がどういった原理原則に従ってプレイしているかは検討も付かないが、上級者からは、初級者が何を考えているのか、あるいは何も考えていないか全て筒抜けである。上級者を越えた達人級になるためには、基礎技術を徹底的に深く学び、ただの知識を無意識に、そして感覚にまで落とし込むことが必要だ。ジョッシュいわく、「どんな分野でも深さは広さに勝る」である。
<チャンク化とその先>
特定のパターンや原理についての情報を統合することをチャンク化・チャンキングという。彼はチャンク化と神経回路の開墾が物事の熟達に必要だと語る。神経回路の開墾とは、チャンク化のプロセスと、複数のチャンク間を行き来するナビシステムを作り上げる作業のことだという。基本原則から段階的に学習していき、十分チャンク化が為されたときに応用原則へと進んでいく。上位原則までそれを繰り返していくことで、上級者へと達する。上級者なだけのプレーヤーと偉大なプレーヤーの境界線は、心を今に留め、意識をリラックスさせ、無意識を活用できるかどうかにあるという。視野狭窄に陥るか、周辺視野をも活用できるかの違いである。チェスのグランドマスターとただのエキスパートでは、意識的にものを見ている量は、前者の比率がずっと少ないという。グランドマスターのチャンク化がより優秀であり、無意識で処理できる量が多く、少ない意識的思考で、多くの情報を取り扱えるということである。意識する必要のある要素が少ないのであり、グランドマスターとエキスパートでは、同じ時間単位の中で、扱える情報量が大きく異なる。
<疲労をせずゾーンを保つ>
「ストレス・アンド・リカバリー」というコンセプトがある。プレーによってストレスに晒された心身をリカバリーすることが重要なのはもちろん、一流のパフォーマーは、何らかのルーティーン(後述)を行っているという特徴があるというのだ。まず、ジョッシュはチェスの対局中、片時も気を抜くことなく熱を込めて集中することがないという発想を持てたことで楽になったという。自分の手番でないとき、相手の思考中も局面に集中することが当然と考えていたが、この概念を知って以降、頭の緊張を取るために機会を利用するようになる(席を立ち水を飲む、顔を洗いに行く)。席に戻れば、エネルギーは充填され、プレーのパフォーマンスも向上したらしい。思考が揺らぎ始めたと思えば、少しの間すべてを忘れて回復させ、フレッシュな状態で戻ってくるようにする。肉体のトレーニングもリカバリー能力の向上には効果がある。心肺機能をトレーニングすることで、精神的疲労からの回復に大きな効果があることがわかったのだ。
<ルーティーン(引き金)の作り方>
ルーティーンは自らをリラックスさせ、ゾーンに入るために有用なツールである。ジョッシュは自らをリラックスさせる引き金を探すのでなく、ルーティーンを作り、それを引き金にせよという。まず、リラックスできるものを用意する。例えばお気に入りの音楽を聴くなど。次に、4~5ステップからなるルーティーンを作る。例えば、1.顔を洗う 2.お茶を飲む 3.瞑想をする 4.お気に入りの音楽を聴く これを繰り返し、リラックスした精神状態と、ルーティーンとの間に生理学的な関連性を持たせる。完成すれば、あらゆる活動の合間に行うことで、リラックス状態を呼び起こすことが出来る。慣れてくればステップを緩和しても良い。上の例で言えばお茶をどんな飲み物でも良しとするとか、顔を洗うのを手を洗うでも良しとするとか。徐々に変化させることで最終的には大きな変革、短縮も可能である。
<感情を利用する>
感情を遮断したところで状況の解決にはならず、感情を利用することで有効な状況へと導かなければならない。感情の波がやってきたら逆らわずにたゆたうのは基本として、自分にとって良いパフォーマンスを生み出す感情を探し、それを引き金にすることをジョッシュは勧めている。怒りの感情が自分に向いているのであれば、嫌な状況、例えば相手からの盤外からの口撃などを引き金にし、感情を増幅させる。それでいて今の瞬間に心を留めるのだ。自らが怒っていること、そしてそれがパフォーマンスを向上させることを客観的に理解しつつ行うということだ。こうした引き金作りを彼は「サンダルを作る」と表現している。
<上達法に関するまとめ>
まず、複雑性を排除した局面を研究し、確固たる基礎的土台を作る。土台が完成したら複雑な状況へと適用させていく。ひとつの技術を徹底的に磨き上げれば、その感覚を指標に、さまざまな対象に応用することができる。ミクロを通してマクロを理解する原理である。土台があると閃きが起こる。閃きとは決して神が与えたものではなく、自ら作り上げたチャンク同士の関連、既存知識から生み出されたものであり、閃きと既存知識の間には必ず関連がある。閃きが起きた際の次の段階は、そこに確かに存在する閃きを生み出した技術的要素を見つけることである。
その他メモ
・自分が優位に立てるかどうかは、闘いのトーンをコントロールできるかに懸かっている。
・体力を保つため、長いチェスの間には45分ごとにアーモンドを食べるのが良い。
・著者のプラトーに対する態度。『もちろん停滞期だってある。次の成長段階へと跳躍する準備として、必要な情報を取り込んで自分のものにする間は成績が横ばい状態になってしまうものだが、それはまるで気にならなかった。燃えるほどチェスに恋していたので、困難な時期も「やればできる」という態度で臨むことができた』 -
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原題Art of Learningの方が適切。チェスのジュニアチャンピオンが太極拳の大会で優勝するまでの著者自身の経緯の中で、どのように学んでいったかを詳細に述べる。
数を忘れるための数、基礎的な原理のトレーニングを一つづつ重ね、体と頭にしみこませるこれをいくつもの原理に対して集中し無数に行うことで、その原理同士が繋がって競技のレベルを一段階以上上げていく。そのためには虚栄心を捨て、初心に帰り、失敗を繰り返す、負の投資を行わなければならない。原理を理解すれば、それを徐々に省略し本質のみに絞り込むことができる。これは外部から見ると派手さは全くなく、よくわからない技術的な差異となる。訓練を積めば重要なことがわかり、そこに焦点を当てることで制度が高まる。
また、集中するためには外部の雑音をシャットアウトするのには限界があり、むしろ外部の雑音を受け入れてその上でさらに集中できるようにした方が良い。
チェスや太極拳など一対一の大会なので、特に相手の出方をこちらの微動で引き出し、それを利用するテクニックがある。そのためには自己の挙動を客観的に見てコントロールしなければならない。
教育の方法としては、ある確かだと思われる方法を押し進めるのとその人の状況を診て合っていると思われるのを考慮する方法があり、著者は後者を取る。 -
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チェスの神童であり映画のモデルともなった世界的な天才チェスプレイヤーが、太極拳・推手にハマり、そちらでも世界トップになるまでに得た知見を惜しみなく披露してくれる。今回、手術のレベルを上げるための知見を得たいと思って読んだが実践できるポイントが数多くあった。
例えば、手術の序盤で小さなミスをしてそれに引きずられてミスの連鎖をしてしまうことがよくあるのだが、著者も同様の事を経験しておりそのために取るべき行動が具体的に描かれている。
自分が向上させたいスキルに関して、どのようにして高みを目指せるかを考えながら読むことによって必ず得るものがある本だと思う。 -
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気になる箇所を書き出していったら、膨大な量になったので、そんなメモたちの要約にあたるんじゃないかと思われる部分を記す。
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それがどんなに小さなものであれ、ある一つの技術を徹底的に磨き上げさえすれば、その感覚をクオリティの指標にすえて、磨く対象をさまざまな別のものに広げていけるところにある。よい感覚がどんなものが一度わかってしまえば、別の何かを追求する際にも、その感覚を得られるようになることを目標にすればいい。
単純な日常のなかに価値を見いだすこと、平凡なものの中に深く潜って行き、そこに隠れている人生の豊かさを発見することが、幸運だけでなく成功も生み出すはずだと僕は強く信じている。
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具体的な練習メニューを書いてくれてる部分もあるし、チェスや太極拳の試合の攻防を詳細に描写している部分もある。
著者は、とても努力する人で、繊細で、工夫を凝らして上昇していった人なのだとわかる。
ハイレベルな話だけでなく、ハイレベルを極めると上のような、平凡な日常も発見の連続のようになるのだろう。
この本を読むと、自分の日々の努力にはまだまだ努力が足りないと思えてくる。くさってるんじゃなくて、やる気を起こさせてくれる。
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訳者の言葉づかいで気になった箇所
「ゆく」を多用。たまに「行く」。「行」の意味合いが強い時に使ってるのか、平仮名が多いから漢字にしただけなのか。
私、個人的には「いく」が好きだけどなー。 -
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ネタバレチェスのチャンピオンと太極拳のチャンピオンになった著者の学習理論、パフォーマンス理論の一端に触れることのできる本。
技術的に巧みなだけの存在から、独自の創意を発揮できる存在へと飛躍するためには、どうすればいいのか。その営みそのものが自分自身のエッセンスを表現するものとなったとき、ようやく真の意味でその学習の中に芸術の要素が生まれる。
以下、ポイントと思しき点
・複雑性を排除した局面を研究すること(オープニングを学ぶ前にエンドゲームを学ぶこと)で確固たる基礎的土台を作る
・一つの技術やアイデアだけを用いて、そのエッセンスが感じられるようになるまで練習を繰り返し、その上で、そのパワーを失わないようにしながら、動きだけを凝縮させ、結果的にとても力強い上にほとんど誰の目にも見ることのできない武器が出来上がる(より小さな円を描く)
・特定の技術だけを選んで、それだけにフォーカスを当て、自分の意識がその技術を徹底的に細かく知覚できるようになるまで自分の中に取り入れる(時間の流れを緩める)
・今の二つの原理を磨いて、対戦相手の意図をコントロールする
・ある一つの技術を徹底的に磨き上げさえすれば、その感覚をクオリティの指標にすえて、磨く対象をさまざまな別のものに広げていける -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書を読んで重要だと思ったポイントをまとめています。
・難しい課題に直面したときに自らの能力を向上させる可能性は、習得理論者(結果よりも過程を重視したフィードバックを受けてきた傾向が強い)の方がはるかに高い、実体理論者(親や教師の影響でそういう考えをするようになった子ども。結果に対するフィードバックを受けてきた)は脆い。
・重大なミスをしたあとでも澄んだ精神状態をすぐに取り戻して、しっかりと今という瞬間に気持ちを据え続けることの大切さ
→悪く働くと、ミスがミスを呼ぶ連鎖となる。
・中庸の探求
→たとえば、自分を容赦なく追い詰める必要はあるけれど、激しく追い詰めすぎたらメルトダウンを起こしてしまう。強い相手を選びながら、自らを向上させるべきだが、それと同時に自信を失わない程度に勝ち続けることも大切。
・数を忘れるための数
→道徳経の知恵が重きをおいているのは、自ら持って生まれた認識力の障害となっているものを取り除くこと
・負の投資
→成長するためには今持っている考えを捨てる必要がある。
いずれ勝てるようになるためには負けなければならない。
・直感こそが、この社会でもっとも価値ある羅針盤。直感は無意識と意識の橋渡しをするものなので、事物をうまく機能させるために必要な無意識とつながる上でとても大切。
・内的調和
→自分の感情から逃げ出すのでもなく、また、心の底から湧き出る感情に流されてしまうのでもなく、それらをしっかりと受け入れて、その感覚の特異さに自分で自分の心を乱すことなく、最終的にはその奥底にあるインスピレーションの源泉を見つけ出すこと