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かつてチェスの“神童”と呼ばれ、長じて卓越した武術家(太極拳推手の世界選手権覇者にして、黒帯の柔術家)となった著者が、トップクラスの競技者になるためのart of learning(習得の技法)を語る。技能を倦まず開墾し続け、競技者としては千人に一人、あるいはそれ以上の領域を目指す、「超」能動的な学習術である。優れた競技者になるための内的技法は競技の種類によらず驚くほど共通していると著者は言う。「インスピレーションを得るための公式や型紙は存在しない。だけど、それを得る自分なりの方法を発見するために辿るべきプロセスならある」(第18章)という表現に象徴されるように、鍵となるプロセスを意識的に辿ることが、より高い集中力、より高いパフォーマンスレベルでの学習につながっていく。チェスを武術に、武術をチェスに翻訳できるこの著者ならではの離れ業を用いて、「数を忘れるための数」「より小さな円を描く」「引き金を構築する」といった上達の足掛かりとなるプロセスが、印象深く描出されている。著者が他ジャンルのトップアスリートやそのメンタル・トレーナーから授けられた洞察も、ここには注がれている。本書が提示する学びへの開かれたアプローチ、学ぶ喜びについての衒いのない、ひたむきな語りは、読む者に自らの可能性を顧みさせる力をもっている。
...続きを読むPosted by ブクログ 2024年04月30日
チェスマスターでありながら、太極拳推手においても世界大会で優勝するほどの実力を持つ異例の経歴、ジュッシュ・ウェイツキン氏著の本書。心技体を丁寧にチェス、太極拳の上達に合わせて事例を交えて紹介し、チェス、太極拳以外のあらゆる分野に活かせるように洗練していった名著。初期段階、熟達した段階、更に高みを目指...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月25日
チェスのトッププレーヤーでもありながら、太極拳の世界でもトップに登りつめた著者が、習得のための方法論を自身のエピソードを交えながら語っている本になっている。
当然、トッププレーヤーの経験による方法論なので、難しいと感じるところもあったが、
読んでいて、考えさせられるというか、真似していきたいと思わ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年08月14日
HowTo本ではない。著者が習得する際に、どのように考え、どのように学んできたのかを語る内容。その考え方は微細で、概念というか、それぞれが文章を読み取る中でさまざまな気づきが得られる。
読み手の状態、度合いによって、学べる概念も変わってきそうな考え方なので、奥深い内容でした。
現状、気付いた内容は...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年01月09日
2015.11/15 ボビーフィッシャーを探して」の原作者の実在の天才チェスマスターの論述。少年時代のチェスの習得における段階的な局面からは、子どもが才能を開花するための親やコーチなど周囲のあるべき姿が示唆され大いに学べる。また後半、太極拳推手の世界選手権覇者になるまでの身体的かつ精神的な考察、検証...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年10月15日
チェスの神童と呼ばれ、太極推手の世界選手権覇者で黒帯の柔術家という変態的に習熟の達人である本書はあらゆる学習書を上回る力を持っている
筆者は飛躍の為には基礎を注意深く積み重ねる事の大切さを解いている。勝つ事や正確に動くことに囚われていては成長は出来ない。まず最初に心がける事は「コンスタントに起こる...続きを読む
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