黒坂真由子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
NHKのドラマから自分がディスレクシアであることに気づいたことがきっかけで、発達障害に気づくことができた。
旧帝国大学を卒業しているので、知能や脳の障害など無縁と思い込んでいた。
日常生活社会生活のなかで、アレ?なんかおかしいな、
周りが変なのかな?
自分が変なのかな?
なんて思うことがしばしば発生するようになった。
きっかけを得たことで発達障害について調べてみると当てはまる部分がたくさんある。
自身が発達障害であることを認識し、その特性を理解することは、社会の中で生きていくのに役に立つだろう。
生まれ持った脳の機能は治しょうがないが、うまく適応する知能はあるはずだ。
発達障害と言っても精神病や機能を失って代替手段が無い、とかではなく、
その持っている特性が少数派であるに過ぎない。
発達障害、学習障害、を広く扱い、その中でディスレクシアに関する部分も散らばっている。
参考文献もたくさん写真で載せてあるので大変役に立つ。
読みたい本が増えそうだ。 -
Posted by ブクログ
『発達障害大全』(600ページ弱)というだけあって、読み終えるのに骨が折れました。しかし、各章が「インタビュー」と「インタビューして考えた」という2つのパートで構成され、工夫されていると思いました。おかげで、発達障害への理解が少し進みました。とはいっても、依然、解像度は低いままですが……。
発達障害について興味・関心のある方は、読んで損はないと思います。
【心に残った言葉】
・発達障害に必要なのは、治療ではなく対応。
・診断は「本人がどう感じるか」という部分が抜け落ちたままでは、その診断自体が成り立ちません。また子どもへの診断は、その子の特性を理解するためにするのであって、「治そう」としたり、ましてや学校側が教室で静かにさせたりすることを目的として強いるものではありません。
・障害者手帳があることで得をすることはあっても、損をすることはありません。所得税の控除も受けられるからです。
《岩波明氏》
・ADHDの人の2~3割は一時的にせよ二次障害を生じることがあると考えられています。海外のデータだと4割以上というものもあります。あと、ADHDには、異なるタイプの依存症が見られることがあります。ADHDには多動とともに衝動性があって、怒りっぽかったり、スリルを求めたり、あまり考えずに物事を決定したりする傾向を持っています。それが悪い方に向かうと、ギャンブル依存、アルコール依存、薬物依存などになりやすい。ADHDにはこういった側面もあるということは知っておいてもいいかもしれません。
・席に座ってはいるけれど、ガタガタ机を揺らしている、ソワソワ体を揺すっている。そんな子もADHDの可能性があります。ずっと絵を描いていたり、ずっとおしゃべりをしていたり、という「多動」もあります。ぼーっとしているように見えて、頭のなかでいろいろなことを考えているというタイプの「多動」もあります。
・ADHDの子は、物静かなように見えて、頭のなかが激しく活動していることがあります。これは「マインド・ワンダリング」と呼ばれます。考えていることが、あっちへ行ったり、こっちへ行ったりして、思考が「徘徊」するのです。
《横道誠氏》
・診断って、発達界隈では「伏線回収」といわれているんですよ。自分の人生のいろいろなことの意味が、ようやくわかったと思って。「ああ、だからだったのか」と。
《中邑賢龍氏》
・大人は結局、「子どもを変える」議論ばかりしている。そうではなくて、子どもたちがそのままでいいように、外部にある仕組みや制度、社会を変えなければならない。 -
Posted by ブクログ
「何がわからないのかが、わからない」と途方に暮れたあのときに「あったらよかった1冊」
(「まえがき」より)
著者が目指したまさにその通りの一冊だと思う。
著者自身が前書きに書かれているように発達障害について
「知っておきたかったこと」
「知りたいこと」
「これから知っておいた方がよさそうなこと」
が載っている。
辛かった時期にこれがあったらよかったのに思った。
それと同時に、発達障害についての研究も理解も支援も今だに過渡期だということもよくわかった。
誰かが諦めずにいてくれたからここまで理解が広がってきたのだと感謝で胸がいっぱいになる。
様々な分野の専門家や当事者の方の意見がインビュー形式で掲載されているため、偏りが少ないのもよい。
立場が違えば見え方も変わるし、個々の症状の出方によってもとらえ方は変わってくる。この本なら、誰かの意見を絶対的なものと思い苦しくなってしまうリスクは少ないし、この本を読んだあとには、他人から心無いことを言われても人の意見は意見の一つでしかないと思える強さも得られるような気がする。
ーー自分用メモーー
・発達障害は「重なり」と「濃淡」
<発達性読み書き障害>
・受験時に試験時間延長を求めたい受験生に対応している検査は、今のところ「STRAW-R」だけ
・実習が多い学校がお薦め
・職業選択では、苦手な方向に行かないことが大事。報告書やリポートをたくさん書く仕事や、論文を読まなくてはいけない仕事はきびしい。手書きで書類をたくさん書かなければならない職種も薦めない。
・頭のいい子だとテストの点が取れて「まぁ、なんとかなるか」と思われる。そういう子が中学、高校でメンタルダウンし不登校になって苦しむことが多い。
・子供が発達障害かもしれないと思ったら、治療するかどうかはともかく、確認しておいたほうがプラスは大きいはず。早いうちに弱点や不得意な面に気づくとそのあとの人生が楽になる。
・ADHDの2~3割は一時的にせよ二次障害を生じることがある
・親と先生の仲が悪かったら、それぞれがどんなにいいことを考えていても子供のためにならない。絶対にならない。
・子どもの発達障害の場合は「早期診断、早期心配」にならないように十分な配慮が必要(p153、高橋孝雄(小児科医)
●子供自身が困難を感じ始めたタイミングで
●ADHDについての一つの目安は「このまま小学校に入学して学校生活が送れるかどうか」
●診断するのは4歳あたりから
・「早期発見、早期ブレーキ」(本田秀夫、精神科医)
●早期発見することで親などが焦るのを抑えられる
●特性が見られれば早期診断する
●その子に合うやり方で教えるのであれば、療育は早ければ早いほどいい
高橋氏も本田氏も、「過剰な早期介入はやめよう」ということだと思う(著者)
・ADHDもASDも遺伝的要素は50~60%
・発達障害の診断で自尊感情を守る(自分の努力が足りないわけではないと気付ける)
・発達障害の子育てでは、親が自分自身をケアすることも大切
・発達障害に対する理解は、担当者によってもまちまち、相性もある
・あいまいだと理解できない。短文ではっきりと「今これをしないと、ここに迷惑がかかるから、今電話して。それでどうなったか教えて」これを毎回。慣れないから毎回言ってほしい(沖田×華)
・今、療育と称して活動している事業者や個人が提供するプログラムには、科学的根拠が十分とは言えないものが多く含まれている
●子供が楽しんでいる
●親が療育を受けている子供の様子を見られるようになっている -
Posted by ブクログ
著者の黒坂真由子さんがこの本を制作するにあたって、自分のお子さんが発達障害であることをオープンにすることは相当に悩んだことでしょう。
そしてわたし自身も学習障害ではないかと心当たりもあり、自分のこどももASDのようなところがあるのではないかと心配になりこの本を読んでみました。
・小さな自営業が減ると発達障害は増える説
・ASDは津軽弁を話さない説
・小学生が学習障害などの疑いに先生が気付いても、親御さんに伝えづらい問題
・軽度知的障害が冤罪になってしまった問題
たくさんの事例をあげながら、たくさんの専門医の対談はとても参考になりました。
やはり多数派である健常者(定型発達)をベースに社会が動いているところに問題があるように感じますし、「発達障害」ではなく「発達違い」と言えますね。逆を返せば健常者という障害とも言える。
ハンスアスペルガー医師がナチスの協力者だったため、米国精神医学会DSM-5ガイドラインから削除されているようで、日本でもアスペルガー症候群という名称は無くなりそうですね。
まさか最後にニトリの社長まで出てきて波瀾万丈でビックリしました。
結局は発達障害であるかどうかは、社会との関わりで決まること。発達障害に必要なのは治療ではなく、社会の対応であることに尽きると思いました。
コグトレも参考にしてみたいと思います。
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Posted by ブクログ
発達障害(脳の個性)に関する情報をまとめた本。ASD,ADHD,LD,DCDの4つのカテゴリがあり、それが重なりあって濃淡がついていることを初めて知った。それぞれの項目について、インタビュー形式で対象となる人の実経験を確認できるので初心者にもわかりやすい本だと思う。
この本を読んで得られた新たな視点としては、世間一般に障害と言っているものは、その人がいる環境に左右されると言うこと。同じ人でもその人が生活する環境によっては、問題とならない事も多く、環境側を改善していくのが正しい方向ではないかと思った。
職場で言えば、ダイバーシティーを受け入れて人それぞれに応じた職場環境を提供して、組織全体でより良い結果を出していく。経営者、管理者には大きな課題となるが、そこの改善が本質のような気がする。 -
Posted by ブクログ
500頁を越える厚い本だが、読み始めると読みやすい。
基礎的な知識と、発達障害について定評のある著書があったり、医師であったりする方、実際に発達障害と診断された方を含む方々の『インタビュー』と『インタビューをして考えた』記事が両輪になって、理解しやすい工夫がされている。
また、『インタビュー』を読むと微妙なニュアンスの説明に気がつくことが何度もあった。
何よりも、人間性の回復運動のような面があることに気がつかされる。
この本では、外的視点、内的視点を設定した上で進んでいくが、個人的感想を書いてしまうと子供が遊びに行かずに、習い事にいく状態になってしまっている幼稚園、小学校時代というのは、そうでなかった世代には想像がつかない、という面もあって、社会の側の形骸化した縛りを子供にあまりに覆い被せてしまうと、それはそれで、息苦しく、また、本来生きていれば自然に持っている成長する力を失わせてしまつているのではないか。
ミラーニューロンの話を出すまでもなく、何も、人間の間ばかりの話ではなくて、子供というのは、見かけた動物、植物、はては自然現象まで、まねるものなのだ。
だから、子供でなくなった大人には、想像がつかないものが、多分成長していく過程では子供のなかで、展開していることもあるんだろう。
それは人間の知識でどうにかなる領域ではなくて自然の領域というか、神の領域というか。
そういえば、昔、幾つまでは神の内といっていたな。医療の未発達な昔、子供が若年で死ぬから、このように言ったというけれども、そればかりではないような気もするから不思議だ。
何しろ、毎日学校に楽しく通う子供というのは、多分に大人や社会がつくった理想像ではあるが、本当にそうだったかは、分からないというのが正直なところだし、はっきりさせなきゃ、というのもなんとなく野暮ったい。
そのぐらい揺れてた。
何も人の成長過程に定数を含む公式や数式があるわけでもなく、何となく大人になったというのが近い。
そうであれば、大人も子供も楽しめるように社会をつくった方がいいのではないだろうか。
振り返ってみて、あんなこともあったよね、と楽しく言い合える社会のほうがいい。
ただし、犯罪や貶めあいは抜きにして。