黒坂真由子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『発達障害大全』(600ページ弱)というだけあって、読み終えるのに骨が折れました。しかし、各章が「インタビュー」と「インタビューして考えた」という2つのパートで構成され、工夫されていると思いました。おかげで、発達障害への理解が少し進みました。とはいっても、依然、解像度は低いままですが……。
発達障害について興味・関心のある方は、読んで損はないと思います。
【心に残った言葉】
・発達障害に必要なのは、治療ではなく対応。
・診断は「本人がどう感じるか」という部分が抜け落ちたままでは、その診断自体が成り立ちません。また子どもへの診断は、その子の特性を理解するためにするのであって、「治そう」とした -
Posted by ブクログ
「何がわからないのかが、わからない」と途方に暮れたあのときに「あったらよかった1冊」
(「まえがき」より)
著者が目指したまさにその通りの一冊だと思う。
著者自身が前書きに書かれているように発達障害について
「知っておきたかったこと」
「知りたいこと」
「これから知っておいた方がよさそうなこと」
が載っている。
辛かった時期にこれがあったらよかったのに思った。
それと同時に、発達障害についての研究も理解も支援も今だに過渡期だということもよくわかった。
誰かが諦めずにいてくれたからここまで理解が広がってきたのだと感謝で胸がいっぱいになる。
様々な分野の専門家や当事者の方の意見がインビュ -
Posted by ブクログ
著者の黒坂真由子さんがこの本を制作するにあたって、自分のお子さんが発達障害であることをオープンにすることは相当に悩んだことでしょう。
そしてわたし自身も学習障害ではないかと心当たりもあり、自分のこどももASDのようなところがあるのではないかと心配になりこの本を読んでみました。
・小さな自営業が減ると発達障害は増える説
・ASDは津軽弁を話さない説
・小学生が学習障害などの疑いに先生が気付いても、親御さんに伝えづらい問題
・軽度知的障害が冤罪になってしまった問題
たくさんの事例をあげながら、たくさんの専門医の対談はとても参考になりました。
やはり多数派である健常者(定型発達)をベースに社会 -
Posted by ブクログ
発達障害(脳の個性)に関する情報をまとめた本。ASD,ADHD,LD,DCDの4つのカテゴリがあり、それが重なりあって濃淡がついていることを初めて知った。それぞれの項目について、インタビュー形式で対象となる人の実経験を確認できるので初心者にもわかりやすい本だと思う。
この本を読んで得られた新たな視点としては、世間一般に障害と言っているものは、その人がいる環境に左右されると言うこと。同じ人でもその人が生活する環境によっては、問題とならない事も多く、環境側を改善していくのが正しい方向ではないかと思った。
職場で言えば、ダイバーシティーを受け入れて人それぞれに応じた職場環境を提供して、組織全体でより -
Posted by ブクログ
500頁を越える厚い本だが、読み始めると読みやすい。
基礎的な知識と、発達障害について定評のある著書があったり、医師であったりする方、実際に発達障害と診断された方を含む方々の『インタビュー』と『インタビューをして考えた』記事が両輪になって、理解しやすい工夫がされている。
また、『インタビュー』を読むと微妙なニュアンスの説明に気がつくことが何度もあった。
何よりも、人間性の回復運動のような面があることに気がつかされる。
この本では、外的視点、内的視点を設定した上で進んでいくが、個人的感想を書いてしまうと子供が遊びに行かずに、習い事にいく状態になってしまっている幼稚園、小学校時代というのは、そうで -
Posted by ブクログ
発達障害の当事者と支援側(大学教授や精神科医等)のインタビュー集。中でも、借金玉さんのお話は腹落ち。自助グループの大切さ、ICT機材の活用、書字障害の現在…書字障害の息子さんを持つ著者がインタビュアーをしているので、当事者意識のある質問が鋭くで良い。一度出てきた語句も専門用語には何度も註が振られているので、少しずつ読み進められる。本当に大全!!
個人的には、『自閉症は津軽弁を話さない』を読んでみたい!いつもASDの子はそうだなぁと感じていたので。
p.240 発達がゆっくりなんだから、ゆっくり教えなきゃダメでしょう。
p.300 人間の4つの幸せ
愛されること、褒められること、人の役