【感想・ネタバレ】発達障害大全 ― 「脳の個性」について知りたいことすべてのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年04月06日

大全というタイトルの通り発達障害に関連するキーワードが満載ですが、対談インタビュー形式が各チャプターごとに主文となるのでとても読みやすい一冊です。当事者に近い編集ライターである著者が各専門家にお話をうまく聞いていることが本書の妙で発達障害について全く知見がない方にもおすすめできる一冊です。本書を経て...続きを読むから色々な専門書や各論に入ってもいいと思います。
発達障害に関する書籍をいろいろと読んきましたが本書は読みやすいです。

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Posted by ブクログ 2024年01月29日

発達障害の当事者と支援側(大学教授や精神科医等)のインタビュー集。中でも、借金玉さんのお話は腹落ち。自助グループの大切さ、ICT機材の活用、書字障害の現在…書字障害の息子さんを持つ著者がインタビュアーをしているので、当事者意識のある質問が鋭くで良い。一度出てきた語句も専門用語には何度も註が振られてい...続きを読むるので、少しずつ読み進められる。本当に大全!!

個人的には、『自閉症は津軽弁を話さない』を読んでみたい!いつもASDの子はそうだなぁと感じていたので。

p.240 発達がゆっくりなんだから、ゆっくり教えなきゃダメでしょう。

p.300 人間の4つの幸せ
愛されること、褒められること、人の役に立つこと、人に必要とされること。

p.384 「自分が何者かわからない」というのが、私が考える発達障害の一番のキモです。逆に自分の特性を理解して立ち位置を決められる人は、発達障害の傾向があってもそんなに困ることはありません。
ーだからこそ、鈴木さんがKaienでされているような就労支援、第三者として本人の特性を見極めて会社とつなげていくという支援が必要になるんですね。
鈴木 ただ、いくらカウンセリングしても、なかなか伝わらないんです。どんなに共感しても傾聴し
ても、本人が自覚するまでには、なかなか至らない。
そこでKaienでは、さまざまな職業訓練プログラムを用意しています。実際にさまざまな仕事を体験してもらい、成功、失敗を細かく繰り返しながら、自分の影形を知ってもらいます。
自分の特性に、本人がちゃんと納得する、腹落ちするということが重要なんです。実際、そういうことを親御さんや周りとしてきた人は、就職活動もうまくいくものです。自分の得意と苦手が
わかっていますから。


「自分に絶対に向いていない仕事」を知ることが大切
→苦手の把握は大切

p.446 「仕事」を「作業」に変えていく
ーー仕事を円滑に進めるコツはありますか?
借金玉特に意識しているのは、「作業」と「仕事」を分けて考えることです。例えば、年末調整や決算の帳簿処理は「作業」ですが、アイデアを出したり企画を立てたりするのは「仕事」です。
何が違うのでしょうか?
借金玉  やれば確実に終わるのが作業で、やっても終わらない、やったところで評価されない可能性があるのが仕事です。自分の頭のなかから何かを生産することは、仕事ですね。この2つを区別すれば、気分的に仕事ができないときに、せめて作業はする、という戦略をとることができます。

ーーリモートで仕事になかなかとりかかれない方に、役立ちそうな考え方です。
借金玉 最近は、仕事を作業に変えていくことが大事だと考えるようになりました。なぜなら、同じ内容のタスクでも、人によって作業になったり、仕事になったりするからです。
先日、フリーライター志望の若い子に請求書の作成をお願いしました。ところがそれができない。
エクセル(表計算ソフト)を使えば簡単だと思うんですが、そもそもその子のパソコンにはエクセルが入っていない。その子にとって、「請求書の作成」というタスクは完全に仕事です。頭を使って一から方法を考えなくてはなりませんから。ただ、経験を重ねてやり方をマスターすれば、仕事だった「請求書の作成」が作業になってくる。

ーー作業に落とし込めるタスクが多いほうが楽ですし、人にお願いできそうですね。
借金玉「分けることは、わかることだ」。これは銀行員時代の先輩のアドバイスで、金言だと思っています。ぐちゃぐちゃに積まれた書類を前にしたとき、途方に暮れるのでなく、「まず分ける。分けることは、ただの作業だ」と。分けてクリップで留めて、並べ直すだけで業務は進み、わかってくることがある。

ーそれが「分けることは、わかること」。
借金玉
銀行員時代に教わったことで印象に残っている言葉はほかにもあって、例えば、「お金は受け取ったときには、まだお金じゃない」。受け取った記録を帳簿につけて、利益と経費を1カ月、1年の期間でまとめたときに、初めてお金になるということです。帳簿につけてみなければ、お金がいくらあるかわからない。そういう意味です。この言葉にも、人生を教われました。便は今も、自分がお金を持っているのかいないのかを、感覚的に理解することかできません。ですから、こういう「記録をつける」という指導がなかったら、今でもうまくお金を使えなかったと思います。「倍金玉」という名前の通り、起業して会社を破綻させる過程で、たくさん借金をしてきましたから。

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