吉田忠則のレビュー一覧

  • 不連続と闘う農 食料安保・脱炭素・異常気象

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    著者は日経新聞編集委員兼論説委員。
    工夫しながら取り組んでる農家の現場を丹念に取材した上で、農をめぐる大きな課題の観点と行き来しているから
    机上の空論で終わることもなく、
    農家視点ではちょっとひいた目線でより大きな世界のなかでの自分の農を見つめなおすきっかけにもなりそうな。

    農業の世界に、私なりの関わり方を考えていきたいと前向きに思えた

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    2025年05月23日
  • 不連続と闘う農 食料安保・脱炭素・異常気象

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    創意工夫にあふれる農業現場を取材し、情熱たっぷりな筆致でまとめている。
    筆者は元新聞記者なだけあって文章がものすごくわかりやすい。
    国産の食品を食べよう!

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    2023年12月11日
  • 農業崩壊 誰が日本の食を救うのか

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    深く切り込んでいて、著者の農というテーマへの執念さえ感じさせた。
    表面的な企業礼賛論ならだれでもできる。
    でも、著者は農政の歴史、現場の意識、政治、行政、企業経営(大規模も小規模)を知っていて、大局観も持っている。
    その上で、地に足のついた、泥臭い取材も重ねていらっしゃる気がする。

    既存の農家を「救ってやる」という上から目線的な企業参入ではうまくいかない、とか。
    企業の農業参入が始まってから10年余り。考察がすごい。
    地道に続けている企業、撤退した企業。それぞれの参入の考え方と戦略を丹念に取材している。

    そして、農協改革のことと、農業法人的な家族経営から出発した企業経営なども丹念に取材して

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    2019年02月09日
  • コメをやめる勇気

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    日本農業はひたすらにコメにこだわってきた。「農業をする」と聞くと、水田でコメを作るというイメージがわく。なぜ、コメなのか。それは日本農業の主体は兼業農家であり、週末だけの作業で簡単に作ることができるのが米だからだ。

    しかし、兼業農家は生活費を農業以外で稼ぎ、農業で稼ぐ必要がない。だから、農業の収支はゼロで構わない。いや、赤字でも生活は成り立つ。その上に米価調整などの名目で補助金が与えられる。こうした採算無視の兼業農家が多くを占める日本農業が衰退するのは当然だ。

    収支を黒字にする。経営として、そんな当たり前のことができていない日本農業を変えようとする本物の経営者たちの取材を通して、これからの

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    2015年03月20日
  • 農は甦る

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    ネタバレ

    農は甦る

    農業を産業として捉え、戦後の農政を総括しながら、今後の農業再生の息吹をルポルタージュ的にまとめたものです。
    農業基本法と時代のギャップは薄々と知っていましたが、農地の大規模化や生産性の向上を狙った法律が、地価の高騰と政治の選挙によって捻じ曲げられて来た経緯を改めて理解出来ました。それにしても、行政や政治の不作為は酷い。その果てに今の日本があることも実感出来ました。
    そんな中でこの本が紹介している、大規模化と栽培品種の複合化により利益を出しているケースや、流通との複合化で大きくなっているケースなど、様々な成功の芽も紹介されています。
    また、有機栽培にこだわることによる非効率性や新しい

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    2025年07月28日
  • 農業崩壊 誰が日本の食を救うのか

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    日本の農業は、補助金依存であり耕作放棄。そして飽食の時代を迎え、廃棄食品が多い。ある意味では、足らないで飢餓になるよりは、ハッピイかもしれないと著者はいう。しかし、コメ離れが起こり、団塊世代の集団離農が始まっている。日本の農業は崩壊するというのだ。
    2018年に発行されているが、2016年頃の日本の農業に対して、小泉進次郎の農政への挑戦、植物工場の悪夢、農業の企業参入の「三つの挑戦」を描く。日本経済新聞の記者らしいアプローチで、切り口が鮮やかだが、やはり現実の農業と遊離して、大地に根づいていないのがジャーナリストらしい。
    自民党農林部長小泉進次郎を「未来の総理」と称して、その取り組みをヨイショ

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    2021年04月19日
  • 逆転の農業 技術・農地・人の三重苦を超える

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    本書によれば、後継者がおらず農地を譲る人が増え、集約された土地で大規模農業を行う人が増えているという。
    農協の成功事例や、顧客に合わせて農作物をカスタマイズするサービスなどがレポートされており、農業の明るい未来が見えてくる。

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    2021年03月27日
  • 逆転の農業 技術・農地・人の三重苦を超える

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    日本の農業って、今GDPの1%に過ぎないんだな・・・
    もはや単独の産業としてカウントする意味があるのか、というレベル。
    第二種兼業農家。狭い土地。
    そして担い手の高齢化。

    いや、だからこそ、というか、実は近年農業の経営は大規模化している。やる気のある人や企業に土地が集まってきているのだ。

    データ不足なら、IT、AI。
    労働不足ならドローン、ロボティクス。
    食の安全への意識の高まり、なんだかんだ舌が肥えてきた消費者。
    工場なんかとの最大の違いは、産業の現場がそのまま「景観保全」になっていること。
    気候変動と収穫カ農作物の変動。

    なんていうか、論点全部入ってる未来産業じゃん!

    が、これをマ

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    2021年01月31日
  • 農業崩壊 誰が日本の食を救うのか

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    やれ補助金だ、TPPの外圧だ、という政治から
    農業を見るのではなく、「植物工場」の現場や、
    大手企業による運営の実態をレポートします。

    そこから見えてくる農業の未来を読者と共に
    考えようとする問題提起の本です。

    テーマは「小泉進次郎」(当時は農業系でした)
    「植物工場」「企業の農業参入」の3つです。
    農業の「今」がわかる一冊です。

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    2020年03月17日
  • コメをやめる勇気

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    コメ政策による日本農業の衰退について、非常に上手く説明されている。日本の農業政策を考える上で必読の本。

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    2019年08月29日
  • 農業崩壊 誰が日本の食を救うのか

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    ・日本の農地をフル活用した場合、栄養バランスを考慮せずにイモ類などを中心に栽培すれば128%を供給することができるがこれは現実的ではない。栄養バランスのよい食料を供給しようとすると一人あたり必要な量の69%しか提供することができない。

    ・現在の日本の農業は、企業的な経営感覚を持ち込んで大規模化しようとする流れと、耕作放棄という相反する2つの流れがある。農政としては、作物を選択して競争力のある分野に集中させようとする補助金の出し方と、広い分野に補助金を出して経営安定を図ろうとする出し方と二通りあり、農林族は後者を主張している。

    ・遅れている日本の農業を自分たちなら改革できると思って参入してく

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    2019年05月11日
  • コメをやめる勇気

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    ネタバレ

    この分野の関係者でないとわかりにくいかもしれないが、マニアックかつ幅広に書かれているところがすごい。
    独立系の記者みたいな感じさえする。
    そして、あくまで食えるか食えないか(生計を支えるもの/経営として成り立つか)という切り口で書いているところもすごい。

    兼業農家のバッファー吸収の在り方(農業リスクを会社員収入でカバー)
    従業員を雇用し続けるために、収益性の薄れるコメを一部辞めてトマトハウスを作ったJAおばこ、
    農産物と工業製品の契約の違い。


    農業に欠けているのが、消費者の求めるものを敏感に察知するマーケティング力とできたものを効率的に消費者に届けるシステム。

    農協による市場出荷は、大

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    2019年02月16日
  • 農業崩壊 誰が日本の食を救うのか

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    しっかり取材して描かれていて農家側、参入する企業側、政治の側、それぞれから見方考え方が書かれていて非常に参考になる。
    植物工場に関してはコストはかかるので経営が成り立たない赤字だって言うのは知っていた。
    しかし根本的な問題は他の部分にあると言う。
    また農業に企業が参入すれば効率的で儲かる農業になると考えていたが、事はそう単純ではない。
    今まで農業に対して考えてきた印象が覆される。

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    2019年02月02日
  • 農は甦る

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    農業の再生に向けた「農に挑む人びと」の事例を豊富に取り上げ、これからの農業の展望を開く良質のルポ。
    新しい農業を目指すいろいろな実践例が取り上げられていて、非常に興味深かった。農業の産業化のためには、流通とセットの改革が重要ということが理解できた。

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    2017年09月15日
  • 農は甦る

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    日本の農政の功罪を断じるとともに将来性について具体的に示唆したもの。産業を再興するためには生産と流通をパッケージ的に捉えなおす必要がることを認識。本当に日本の農業に貢献する農家はどれかを見極めた上での施策が求められる。民主党政権下での戸別補償政策はナンセンス

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    2012年11月18日
  • 逆転の農業 技術・農地・人の三重苦を超える

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    本の中で取り上げられている農家の数が多い。それだけの取材を積み重ねられた本。
    頑張っている農家もいることが分かったが、農業全体で見るとごく一部。

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    2020年07月25日
  • 農業崩壊 誰が日本の食を救うのか

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    農業は生産性もしくは収益性が低く、企業がいたずらに参入しても採算が取れる保証はない。

    小泉進二郎改革、農業工場、企業参入とカバーされた項目はバランスが取れ、農業の現状をよく俯瞰できる。

    何を持って日本農業が復活できるかは不明だが、強い意志を持った就農者とトヨタのカイゼンとのつながりは一つの光明のように見える。

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    2019年04月05日
  • コメをやめる勇気

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    「コメをやめる勇気」というショッキングがタイトルにひかれて、手に取ってみた。兼業農家、農協、企業参入、女性等のいろいろな切り口から、コメ本位主義のモノカルチャーからの脱皮をこそが農家や農村を救うのだと説く。

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    2017年10月15日
  • コメをやめる勇気

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    米のことって、ほぼ毎日口にしながらよく知らなかった。農業についてもそう。
    農家を守るという事を目的に補助金が出て、市場価格がコントロールされているとのことだが、国の政策として守らなきゃ行けないことも確かにあるのだろう。
    高齢化が作り手を減らしていき、これから先どうするんだ?とも思うが、そんな中にも女性の力が期待値を持たせる。また、日本が得意だと思う効率化なども上手く機能すればまだまだ大いなる可能性がある。
    確かに旨いものを口にしたいが、コストとのバーターになるため、農家が限られた資源で収益を確保するには高価格帯の商品に目が向くのだろう。でも、みんな同じことをやってもパイの奪い合いでしかなくなる

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    2017年02月09日
  • コメをやめる勇気

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    日本農業及び米について表層的に言われている一般論とは違い、兼業モデルや法人経営についてよく現状分析がなされている。
    米をやめた後の具体的対応策については、例示的でもう一歩踏み込んで欲しかったと思う。

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    2015年03月11日