過激なタイトルではあるが手に取りやすく、読みやすい本である。
読書の習慣がない人でも、漫画の後のまとめのような形で話が書いてあるので、とても読みやすい。
個人的には「『孫子の兵法書』以上」という作者の自負に反感を買った。
厳密に言うならば、戦いにおける敵と、味方の中にいる自分を引きずり下ろそうとする存在を敵と呼ぶのとでは、前提が全く違うに決まっているが、本人の自信の現れと捉えておくこととした。
さて、内容についてである。
漫画だけを読んでも「確かにこういう上司はよくいるねぇ~」という内容である。
ただ前提としては「若手の方に才能とやる気、センスがあり、それを上司やちょっと同僚のような方が邪魔をしてくる」というシチュエーションが必要である。
そもそも論で言うと、本人に能力がなく、上司に能力がある場合は、その限りではない。
あくまでも「自分自身には能力があるが、それを様々な意地悪を使って、邪魔をしてくる存在を敵と認識した場合」の話である。
上司は、思いついたことを好き勝手に言って振り回し、責任は誰かになすりつける。常に社長の顔色を伺い、出世を目指している。
先輩は、自分が目立ちたいけれど後から入ってきた若手社員に嫉妬し、上司にごまをする。
こうした立ち回りの相手に対して、まともに戦って、自分自身を傷つけ、無駄な労力を浪費するのではなく、やり方次第ではとてもうまくいく、ということが本書に書かれている。
こういう背景で会社において悩む人はもちろん多いと思われる。
そういう人のために敢えて「アホ」と明確に言うことによって「確かにそうだな」「こんなアホのために自分が犠牲になることもないな」と、一段高いところから眺めることで、落ち着きを戻させる効果がとても期待できる。
どうやらこれの書籍版もしっかりとあるようだが、ダイジェストとしては、とても良いのではないかと思う。
ありがたいことに、今はこうした立場にはないが、昔のサラリーマン時代を思い出すと、確かにこのような上司や先輩はいたような気がする。
ただ、私の場合は当時、それを意地悪と思わず「まだまだ私の仕事ができないから、それを指摘してきてくださっているんだ!」と信じて疑わなかった。 ただ時々「なぜこのような非効率な指示をするのだろうか?」とは思っていたが、新人だからこそ瑣末事に見える業務を効率よくこなしてこそ、意味があるのだとポジティブに捉えていた。
おかげさまで、圧倒的に雑用スピードが速くなり、業務遂行能力も増した。
もしその時に「上司をアホ」と思っていたら、今の私はないであろう。
「新入社員の私には足りないことだらけだ。そんな先輩や上司に意見をする前に、朝令暮改の指示をこなしてこその仕事なのだ!」
このようにとらえ行うことで、後程、社内では、圧倒的成績と実績を残せるまでになった。
後々に気づくと意地悪をしていたと思われる上司や先輩に対しては、今でも感謝している。
そのため、この本そのものに感化されて「確かにそうだな」というわけではなかったが、こうしたことで悩む人は多いのだろうし、胃潰瘍になり会社を恨むぐらいなら、このように「アホな上司」と割り切って、処世術としてやっていく方がよほど良い。
そういう意味では、人によって自分の人生を救う奇跡の書にもなるだろうという思いもある。
処世術の一環として、こうしたことに悩んでいる人で、本をほとんど読まないという人であっても、アドバイスとしては使える本だと感じる内容であった。