会話を始めるにあたってのコミュニケーションの難しさをはじめに書いたうえで、
◆聞き方
相手の情報を引き出すためには
感情との向き合いかた
潜在的なメッセージの読み方
◆話し方
話しにひきつけるための方法
相手の抵抗への対応
といった内容が書かれています。
コンサルタントとしてクライアントと話しているときに、必要以上に反発してくる方もいらっしゃいます。
そんなときには相手の抵抗への対応という部分に書かれていた内容が参考になるなと思いました。
人が本音を悟られまいとして全然関係ないところで反発しているのを、突然ロジックで隠れた衝動をむき出しにしてしまうというのは危険なので、
・まず相手に理解を示す
・反発していることを自覚してもらう
・反論を相手とともに検証する
といったステップをちゃんとふもうとするのは大事ですね。
ロジックと感情両方の観点から話さないといけないなと再認識する本です。
あとは、これもまた仕事をしているうえで気にしていることとして
誰かが発言したときの潜在的なメッセージを読むというのがあります。
【引用】
・なにかを質問するときに、なぜその情報が必要なのかという理由を省くと、相手に不信感をもたれやすい
・じっさいの会話では、本題とは無関係のコメント、つじつまの合わない意見に耳をかたむけ、流れをきるような唐突な話題転換にもついていくことをすすめたい。きっと理由があるはずだ。
・自分の鼻や髪に善悪の判断を下さないのと同様に、感情もまるごと受け入れる。
・(潜在的なメッセージを人がつかう理由としては何か怒りや恐怖をかんじたときに社会的なルールからそれを押し込めてしまう。ただし)押さえ込まれたエネルギーは消えるわけではない。
どこから外に出ようとする。がすっかりルールに飼いならされた身には、こうしたむき出しの衝動は攻撃的で威圧的なものに感じられる。そこでやむなく潜在的なメッセージを送るという形をとるようになった。
・こうした自画自賛(潜在的なメッセージ)は認められたいという思いの裏返しである。
自分は特別な素質を授かっている存在であると思いたい、人から認められたい、そう思っているのだ。
相手からそういう潜在的なメッセージを受け取ったたら、言葉でしっかり肯定してやればよい。
・なぜ本題とは無関係の話題が出てくるのか。それは自分の感情を表現したい、単なる情報交換ではなく相手と人間関係を築きたいという願望があるからだ。
・相手がすでに知っていることを念押しすると、会話の勢いがそがれてしまう
・相手の注意力をひきつけておくには、繰り返しのたびになにかを加えてゆく。
・意見が違うから反発するとは限らないのである。
たまたまそのときに、抵抗したい、反発したいという願望を抑えきれなくなっただけなのかもしれない。
それが一見、会話の相手への反発に見えるだけなのだ。
・なぜ反発するのかを深く話し合ううちに、理屈に合わない動機、つまり本題とは無関係の動機はしだいに弱まっていく。
・自分の考えを誰かに採用してもらおうとするときには、自分は相手にどんな反応を期待しているのか、それはなぜかと自問自答してみる。
・話したいという欲求があると、聞く力はがくんと落ちる。このような事態を避けるには、話したいという欲求を発散させる方向にもってゆくことだ。
自分から話そうとしないなら、合い間合い間でうまく誘導して言いたいことを引き出す。出口を封じられた欲求は会話を妨害する。たとえ本題に関係のないことでも、話してもらう方がよい。