ティム・サリバンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
不条理に見える組織というものの実態に不満を抱く従業員は少なくない。だらだら続く会議、現場をわかっていない管理職など。組織というもののシステムに幻滅し、背を向ける前にどうしてそうなっているかという考察はやってみる価値はある。その意味でテーマ&視点としてはとても面白い本と思う。
リーダーの役割とは何か。それは明文化できない、組織の方向性を決定する事であったりルールではない文化を醸成する事にある。その為一見非効率な会議に出席する必要がある。CEOの仕事はあえて会議を通じて情報を集め、メッセージを発信する。
またピラミッド型のヒエラルキー組織ではトップに行くにつれて現場の情報が失われていく。
仕 -
Posted by ブクログ
組織がなぜ不合理な、「なぜこんなにも簡単なことも出来ないんだ」という疑問に答えてくれる本。
平たく言えば、個人的には不合理に見える事象も、組織レベルでは合理的な場合がある。
あるいは個人個人が個人の合理性を追求した結果、組織として不合理に陥る等、かなり示唆に富んだ本だった。
ただし、経済の専門用語はともかく、米国の軍隊の用語も頻繁に出ており、しかもその解説がないため、分かりにくい章も多い。
また本の構成自体がそうなのか、翻訳者の腕なのかは置いておくが、1ページ当たりの文字の量、情報量が多く、しかも硬い文章のため、読みにくい。
もう少し、その辺りを考慮した構成になっていれば、★5だった。 -
Posted by ブクログ
あのテロ組織のアルカイダにも「出張報告書」があると書かれており、思わず笑ってしまった。2008年に発見された部下に対するメモで、旅費をちょろまかしたり、旅愁書を提出しなかったことが書かれていたとある。著者も述べているが組織を維持するのはどこも大変だ。最もこの組織は地上から消えてくれることを願っているが。
会社と言えば、この前ニュースになったJTBの社員がバスの手配を忘れたことに対する策として手配を依頼した学校に手紙を書いて遠足を中止させようとしたが、結局、小賢しい愚策は発覚してしまい大騒ぎ。会社でも、こんなアバンギャルドなクリエイティブな発想には到底ついて行けない。こういう困ったちゃんがい -
Posted by ブクログ
組織とは、外部環境/原料/資金などのインプットに対して生産物/利益を出すだけのブラックボックスではなく、事業に対しての(それなりに)合理的アプローチであることを説いた本。
基本的にはミニマルな組織であれば、一人の監督者で事業のモニタリングをできるが、事業を大きくするにあたっては管理組織が必要となる。その際に効率性が悪化するため、費用対効果の計測/適合した組織(仕事/職種の目的の定義、インセンティブ、職務階層)の構築が重要となる。当然、事業環境は内部外部とも変化するため不断の変革が必要となり、長期間にわたる唯一の最適解はない。
HPはガレージ時代から家族的経営であったが、事業規模が大きくなるにつ -
Posted by ブクログ
イノベーションばかりを推奨する社会に待ったをかける論説。
全ての企業戦略は、その戦略が出来た時点での妥当な点であるということを説明していく。
組織には常に利益とコストのトレードオフが存在しており、ある目的が完全に満たされている場合はどこかに致命的な問題が生じている可能性が高いという分析は的を得ていると思う。
どれだけイノベーティブであることを重視したくとも、最低でも組織において命令が伝わる状況は保たなくてはならない。
そもそも規則を守らせることを最上とする組織や部署は必要だと思う。
官僚的な団体に押さえつけられながらでも、適切に改革を起こせるぐらいの能力がない人には静かにしておいてもら -
Posted by ブクログ
軽い内容かと思っていたら、想像以上にしっかりした内容で、読むのに時間がかかりました。
会社や組織のあり方(既存事業存続と新規事業開発のバランスのとり方)を考える上では、かなり参考になる本だと思います。
また、「意外と会社は合理的」なのは、一見、非合理に見えるものでも、その導入過程を追うと、必ず合理性が見えてくる、という意味でとらえればよいと思います。
そもそも、会社に何かを導入するときには、合理的な判断を下した結果としてなので、当然といえば当然ですが、そのことに改めて気付かせてくれる本です。
ただし、合理性があったのは、導入当時のことであって、その後も合理的であり続ける保証はありま