森信茂樹のレビュー一覧
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これからの日本を考える上でトピックはやはり税。主張はシンプルで「我が国も税制を変えることで、経済や社会をよみがえらせることができる」(P.6)。
具体的には「所得控除を減らして課税ベースを広げる。所得税を下げ、イメージ程には逆進性の高くない消費税を上げる。雇用と創業の意欲を高めるために国際的にも高い法人税を下げる。低所得者層への給付の充実。高所得者の所得を捕捉するために資産課税と相続税を強化。これらを実現する上でマイナンバーの有効活用は必須」。
「課税ベースを広げる(課税対象者を増やす)上に消費税増税、法人税減税。出た、財務省(著者はOB)の弱者いじめ。しかもマイナンバーで国民背番号支配。 -
Posted by ブクログ
税金は素人の身ながら、タイトルを見て面白そうだと思い本書購入しました。結論から言うと、初心者の人間にもわかりやすく解説されていると思います。またGAFAなどの大手デジタル・プラットフォーム企業が大規模な租税回避をしている、というのは新聞等で知ってはいましたが、改めて各社違うスキームを用いているというのがわかり勉強になりました。本書から学んだのは、経済のデジタル化は税制の在り方を根幹から覆そうとしているということです。音楽業界ではデジタル・ディスラプション(デジタルによる破壊的な影響)が起きていると言われていますが、税制の分野にもデジタル・ディスラプションの波が押し寄せているということです。
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Posted by ブクログ
消費税に関する誤解を1つ1つ解き明かし、消費税の増税を強く主張する本。いかに本書で紹介された消費税に関する誤解を少しばかり紹介する。
☆経済成長すれば消費税増税は必要ない?
・・・経済成長すれば国債の支払い金利も上昇するため、経済成長による増収を相殺してしまう。
☆埋蔵金を使えばいいのでは?
・・・そもそも埋蔵金など存在しない。埋蔵金がもしあったとしても使って終わりである。
☆物価が上昇し国民の生活に悪影響→経済の停滞
・・・消費税は業者(小売りや卸、製造業など)から徴収している。業者にとっては消費税は原料の値上げなどと同じようにコストの上昇である。そのコストの上昇分を価格に上乗せするか -
Posted by ブクログ
ライフネット生命の出口会長お薦めの書。出口会長は「タテとヨコ」の比較が重要と言っているが、本書は、税制について欧米を中心とした諸国との税制を豊富に取り扱っているという点で「ヨコ」の視点で示唆を与えてくれている。
本書のメッセージは以下の通り。(表紙より)
●税は、国の未来を変える。世界を見回して、税制を変革することによって国家がよみがえったという例は枚挙にいとまがない。「わが国も税制を変えることで、経済や社会をよみがえらせることができる」−これが本書の一貫したメッセージだ。具体的には、以下のような税制の構築が必要だ。
●第一に、経済成長を税制で支援することだ。人々の勤労意欲や自助努力を税制で