村岡俊也のレビュー一覧
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ネタバレ――これは
人の、命の、
在り方の、話だっただろうか
自分という命が
そこにあって
心を込めたものを
何かにしたい
カタチにしたい
それが誰かに届いたなら
嬉しい
それが
誰かを少しだけ豊かにするなら
嬉しい
自分という形
食べものという、形
それは交歓だっただろうか
いつか消えてしまうそれは
生きる意味にも
似ていたかも しれない
目の前の誰かを
胸の中の言葉を
大切にしようと
思った
―それはきっと
宝物だよ
かけがえのないものだと
思って 真摯に向き合って
扱うのなら きっと 何かが
応えてくれる
そんな希望を教えてくれた
――そうだった
これは、パンの作り方の
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丸亀市で開かれていた「中園孔二展」の記事から見つけた本だったと思う。25歳の若さで事故で亡くなるまでに600点もの作品を残した方。創作に行き詰まって自死ではなく、夜の海にでかけて事故にあったと言われている。高校生の時に、突然バスケットボールを辞めて芸大を目指し、現役合格。卒業作品展で注目され、卒業後の初個展で名前が知られたという。作品にはポップなものも多いが、複雑なレイヤー構成になっているものもあり、興味を惹かれることは間違いない。
中園孔二の一生を関係者からのヒアリングでまとめられた一冊。創作にストイックな面は当然としても、理解できない変わり者、とっつきにくい人、というような話は無く、多く -
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1989年生まれ、2015年に高松の海で25歳で亡くなった画家中園孔ニさんの評伝。
ある展覧会で絵がすごく良くて、香川の展覧会も行くことにした。展覧会を見る前に読むか、見てから読むか悩ましいけど、先に読んだ。
関係者が生きているからこそ、まだ整理がついていないような生々しいエピソードを集められている一方で、随所に切り込みすぎない配慮も伺える。
夜の森に一人で出かけたり、鉄道を歩いたり、米軍基地に侵入したりという変わった行動もあるが、いわゆる「夭折の天才」というイメージ付けを避け、あくまで悩みながら自分の生き方を探っている一人の優しい青年として記録を残している。あまりに早すぎて、唐突に中断してし -
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東京のJR新橋駅をはさんで建っている名物ビル、「ニュー新橋ビル」と「新橋駅前ビル」の生い立ちと、そこで店を構えている人たちの生き方、考え方のインタビューを通じ、かろうじて残る「昭和遺産」の魅力を伝えている本。
「ニュー新」の方はごくたまにだが行くことがあるので、何となく雰囲気は知っていたが、「駅前」とペアであることや、「ニュー新」の上層階が住居となっていること、耐震強度が足りないことで、2棟ともいずれ解体される等々の事は本書を読んで初めて知った。
ちなみに、「駅前」は1966年、「ニュー新」は1971年に建てられたとの事。
なくなる前に二つとも探訪しておかなければ! -
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新橋エリアで働いてた頃、足しげく通っていて馴染みがある「ニュー新」と、何ともいえない独特な雰囲気があって(個人の感想)訪れるときにちょっと緊張する「駅前ビル」。
そこで働き、そこに集う方のお話を軸にそれぞれのビルの歴史や変遷、時代の空気感が垣間見えてとても楽しかったです。
「みなとや」や「ベジタリアン」などちょくちょく通っていたお店のお話はもちろん、ずっと気になっていたニュー新2階のマッサージ店のお話が興味深かったです。
”市井で働くひと”のお話が好きなら、新橋に馴染みがなくても読んで楽しい一冊だと思います。
流しのけんちゃん、あとがきで少し触れられていたけど元気でいてほしいな… -
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<目次>
第1章 マーケットの路地裏が遊び場だった
第2章 妖しい中国系マッサージ街の謎
第3章 ”裏新橋”の入り口に立つ
第4章 カプセルホテルに暮らす演歌師のブルース
第5章 ピンクの部屋に棲む蜥蜴
第6章 駅のホームを見下ろす部屋で
第7章 生卵をかっ込みながら頭を刈る
第8章 スナックは魔の巣か団欒か
第9章 汐留再開発が支えた幸福の味
第10章 浮世と現実を昇り降り
<内容>
新橋駅西口SL広場に隣接して立つ「ニュー新橋ビル」。窓のところが白く区切られている建物なので、意外と見ているに違いない。そこはかつての屋外マーケットのように、雑多な店が並ぶ。しかし、建って