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高校二年の夏、中園は突如「絵が描きたい」と美大予備校に通い始める。東京藝大に進み、「今年は天才がいるよ」と在学時より注目され、卒業の翌年には著名ギャラリーで個展を開催。将来を嘱望されながら二〇一五年、二十五歳で急逝……両親、友人、恋人たちへの丹念な取材と書き残された百五十冊ものノートなどから読み解く本格評伝。
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Posted by ブクログ
まるで自分も知り合いだったかのような、そしてその場にいたようなありふれたエピソードの数々は、遠い存在であった作家を身近な存在へと近寄らせ、けどやはりもういないんだという現実を突きつけ、さらに深い喪失感を感じさせる。
友人の画家(というより僕にとっては画家というより友人なのだが)にすすめられて読んだ。切実さに圧倒されると同時に、出てくる固有名詞の同世代感に切なくなった。彼はPogoのディズニーの二次創作が好きだったらしい。いいですよね、アレ。
アーティストには色々な表現方法がある。描くことが自己表現の人、人のために描く人、中園さんは両方兼ね備えた人だったと思う。
横須賀美術館での展示で、作品の存在感に圧倒された体験が今も生々しく残っている。 パーソナルな部分は全く知らずに、同世代ということくらいしか知らずに読みはじめ、 その危うさと誰もが共感するような人間味と、 胸が詰まるような良い気持ちになる、中園さんと人とが過ごす時間のエピソードの数々。 止まらない、ぐ...続きを読むいぐいと読み進めてしまう。 これはルポタージュというの?周りの人の話から鮮明に浮かび上がっていく、なんて魅了的なひと。とても面白い読書だった。
丸亀市で開かれていた「中園孔二展」の記事から見つけた本だったと思う。25歳の若さで事故で亡くなるまでに600点もの作品を残した方。創作に行き詰まって自死ではなく、夜の海にでかけて事故にあったと言われている。高校生の時に、突然バスケットボールを辞めて芸大を目指し、現役合格。卒業作品展で注目され、卒業後...続きを読むの初個展で名前が知られたという。作品にはポップなものも多いが、複雑なレイヤー構成になっているものもあり、興味を惹かれることは間違いない。 中園孔二の一生を関係者からのヒアリングでまとめられた一冊。創作にストイックな面は当然としても、理解できない変わり者、とっつきにくい人、というような話は無く、多くの人が中園を支え、助けられ、今でも彼のことを大切にしている人ばかり。次に展覧会があったら、ぜひ足を運びたい。 著者はノンフィクションライターで、東京藝大卒業作品展で中園晃二(後に作品は孔二で描かれる)の絵画に、「今年は天才がいるよ」と言った藝大教授を通して、彼のことを知った。その後、彼の作品に「わからなさ」を感じ興味を持ち、関係者をあたって中園の生前の姿を知ることで、作品を理解できるかも、と取材を始めたらしい。
1989年生まれ、2015年に高松の海で25歳で亡くなった画家中園孔ニさんの評伝。 ある展覧会で絵がすごく良くて、香川の展覧会も行くことにした。展覧会を見る前に読むか、見てから読むか悩ましいけど、先に読んだ。 関係者が生きているからこそ、まだ整理がついていないような生々しいエピソードを集められている...続きを読む一方で、随所に切り込みすぎない配慮も伺える。 夜の森に一人で出かけたり、鉄道を歩いたり、米軍基地に侵入したりという変わった行動もあるが、いわゆる「夭折の天才」というイメージ付けを避け、あくまで悩みながら自分の生き方を探っている一人の優しい青年として記録を残している。あまりに早すぎて、唐突に中断してしまって、気の毒に思える。
日曜美術館で存在を知り、丸亀の美術館まで行って作品を観た。ソウルメイトをずっと探していた、というようなことだったので、孤独感を感じていたのかと思っていた。 ソウルメイトだ、と腑に落ちる人と出会えたと思ったのかわからないけど、たくさんの人とふれあい、支えられていた、短いかもしれないけど濃い人生だと感じ...続きを読むられた。
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村岡俊也
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