村岡俊也のレビュー一覧

  • 穏やかなゴースト 画家・中園孔二を追って

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    中園孔ニの絵に何故こんなに引き込まれるのか

    少しはそのヒントが得られた気がする、見事な評伝

    丸亀でのソウルメイト展に行く前に読んでおきたかったのだけが少しだけ悔やまれる

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    2025年01月15日
  • 新橋パラダイス 駅前名物ビル残日録

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    かつて、新橋で少しだけ働いていた。

    新橋が持つ、猥雑さや新鮮さ、親近感、妖しさを、見事に表現した、不思議な空気感を纏った素晴らしい文章であった。

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    2024年07月14日
  • 穏やかなゴースト 画家・中園孔二を追って

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    まるで自分も知り合いだったかのような、そしてその場にいたようなありふれたエピソードの数々は、遠い存在であった作家を身近な存在へと近寄らせ、けどやはりもういないんだという現実を突きつけ、さらに深い喪失感を感じさせる。

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    2024年04月04日
  • 穏やかなゴースト 画家・中園孔二を追って

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    友人の画家(というより僕にとっては画家というより友人なのだが)にすすめられて読んだ。切実さに圧倒されると同時に、出てくる固有名詞の同世代感に切なくなった。彼はPogoのディズニーの二次創作が好きだったらしい。いいですよね、アレ。

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    2023年10月26日
  • 穏やかなゴースト 画家・中園孔二を追って

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    アーティストには色々な表現方法がある。描くことが自己表現の人、人のために描く人、中園さんは両方兼ね備えた人だったと思う。

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    2023年10月07日
  • 穏やかなゴースト 画家・中園孔二を追って

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    横須賀美術館での展示で、作品の存在感に圧倒された体験が今も生々しく残っている。
    パーソナルな部分は全く知らずに、同世代ということくらいしか知らずに読みはじめ、
    その危うさと誰もが共感するような人間味と、
    胸が詰まるような良い気持ちになる、中園さんと人とが過ごす時間のエピソードの数々。
    止まらない、ぐいぐいと読み進めてしまう。
    これはルポタージュというの?周りの人の話から鮮明に浮かび上がっていく、なんて魅了的なひと。とても面白い読書だった。

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    2023年09月07日
  • 新橋パラダイス 駅前名物ビル残日録

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    サラリーマンの聖地新橋。戦後のヤミ市の痕跡を残す二つの再開発ビル。そこで商売を営む人々。

    新橋駅を挟んだ新橋ビルとニュー新橋ビルはどちらもヤミ市がルーツ。区画整理により出来たビル。内部の区画は分譲であり、わずかではあるが50年以上続く店、また時代の流れにより変化した業種、金券ショップや中国マッサージなど雑多な店が立ち並ぶディープな世界。

    本書は小さな店を営む人々に取材し、一人一人の人生を描いた一冊である。かなり綿密な取材。

    新橋駅周辺もいよいよ再開発の話が進んでいるという。ディープな世界もあとわずか、今のうちに新橋を訪問したい。

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    2021年12月25日
  • 新橋パラダイス 駅前名物ビル残日録

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    JR新橋駅を挟んで2つのビル、新橋駅前ビル
    とニュー新橋ビルの「ディープさ」を伝える
    ルポです。

    間違いなくここには戦後の昭和が残されてい
    ます。

    正確には戦後間も無くのバラック街をビルに
    押し込めたのが始まりであるそうですが、
    令和の時代の今では、昭和50〜60年の雰囲
    気が残されていることさえも珍しいです。

    再開発の話も出ているそうです。昭和を感じ
    たい人は今のうちに行くべき、読むべき一冊
    です。

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    2021年02月09日
  • 酵母パン 宗像堂 ~丹精込めたパン作り 日々の歩み方~

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    ネタバレ

    ――これは
    人の、命の、
    在り方の、話だっただろうか

    自分という命が
    そこにあって
    心を込めたものを
    何かにしたい
    カタチにしたい

    それが誰かに届いたなら
    嬉しい

    それが
    誰かを少しだけ豊かにするなら
    嬉しい

    自分という形
    食べものという、形

    それは交歓だっただろうか

    いつか消えてしまうそれは
    生きる意味にも
    似ていたかも しれない

    目の前の誰かを
    胸の中の言葉を

    大切にしようと
    思った

    ―それはきっと
    宝物だよ
    かけがえのないものだと
    思って 真摯に向き合って
    扱うのなら きっと 何かが
    応えてくれる

    そんな希望を教えてくれた


    ――そうだった
    これは、パンの作り方の

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    2019年07月28日
  • 穏やかなゴースト 画家・中園孔二を追って

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    ネタバレ

    日曜美術館で存在を知り、丸亀の美術館まで行って作品を観た。ソウルメイトをずっと探していた、というようなことだったので、孤独感を感じていたのかと思っていた。
    ソウルメイトだ、と腑に落ちる人と出会えたと思ったのかわからないけど、たくさんの人とふれあい、支えられていた、短いかもしれないけど濃い人生だと感じられた。

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    2023年12月09日
  • 穏やかなゴースト 画家・中園孔二を追って

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    丸亀市で開かれていた「中園孔二展」の記事から見つけた本だったと思う。25歳の若さで事故で亡くなるまでに600点もの作品を残した方。創作に行き詰まって自死ではなく、夜の海にでかけて事故にあったと言われている。高校生の時に、突然バスケットボールを辞めて芸大を目指し、現役合格。卒業作品展で注目され、卒業後の初個展で名前が知られたという。作品にはポップなものも多いが、複雑なレイヤー構成になっているものもあり、興味を惹かれることは間違いない。

    中園孔二の一生を関係者からのヒアリングでまとめられた一冊。創作にストイックな面は当然としても、理解できない変わり者、とっつきにくい人、というような話は無く、多く

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    2023年11月03日
  • 穏やかなゴースト 画家・中園孔二を追って

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    1989年生まれ、2015年に高松の海で25歳で亡くなった画家中園孔ニさんの評伝。
    ある展覧会で絵がすごく良くて、香川の展覧会も行くことにした。展覧会を見る前に読むか、見てから読むか悩ましいけど、先に読んだ。
    関係者が生きているからこそ、まだ整理がついていないような生々しいエピソードを集められている一方で、随所に切り込みすぎない配慮も伺える。
    夜の森に一人で出かけたり、鉄道を歩いたり、米軍基地に侵入したりという変わった行動もあるが、いわゆる「夭折の天才」というイメージ付けを避け、あくまで悩みながら自分の生き方を探っている一人の優しい青年として記録を残している。あまりに早すぎて、唐突に中断してし

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    2023年08月31日
  • 新橋パラダイス 駅前名物ビル残日録

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    新橋界隈の勤め人にはお馴染みの二つのビルにはどこか「いかがわしさ」を感じていたが、戦後の闇市から連綿と続く「街」の歴史が醸し出すものとはついぞ思い至らなかった。こうなると、お隣の有楽町の駅前に長く君臨する交通会館ビルの由来も気になってくる。

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    2021年04月26日
  • 新橋パラダイス 駅前名物ビル残日録

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    東京のJR新橋駅をはさんで建っている名物ビル、「ニュー新橋ビル」と「新橋駅前ビル」の生い立ちと、そこで店を構えている人たちの生き方、考え方のインタビューを通じ、かろうじて残る「昭和遺産」の魅力を伝えている本。

    「ニュー新」の方はごくたまにだが行くことがあるので、何となく雰囲気は知っていたが、「駅前」とペアであることや、「ニュー新」の上層階が住居となっていること、耐震強度が足りないことで、2棟ともいずれ解体される等々の事は本書を読んで初めて知った。

    ちなみに、「駅前」は1966年、「ニュー新」は1971年に建てられたとの事。

    なくなる前に二つとも探訪しておかなければ!

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    2021年02月26日
  • 新橋パラダイス 駅前名物ビル残日録

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    新橋エリアで働いてた頃、足しげく通っていて馴染みがある「ニュー新」と、何ともいえない独特な雰囲気があって(個人の感想)訪れるときにちょっと緊張する「駅前ビル」。
    そこで働き、そこに集う方のお話を軸にそれぞれのビルの歴史や変遷、時代の空気感が垣間見えてとても楽しかったです。
    「みなとや」や「ベジタリアン」などちょくちょく通っていたお店のお話はもちろん、ずっと気になっていたニュー新2階のマッサージ店のお話が興味深かったです。

    ”市井で働くひと”のお話が好きなら、新橋に馴染みがなくても読んで楽しい一冊だと思います。

    流しのけんちゃん、あとがきで少し触れられていたけど元気でいてほしいな…

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    2020年12月23日
  • 新橋パラダイス 駅前名物ビル残日録

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    とてもいい本だった。字を追ってるというより、映像、ドキュメンタリーを見ているような気がした。
    声や音が自然と思い浮かんだ。
    むさしの創業100年が元は菓子屋で、今の味が100年続いてるわけではないことを知った。あとは喫茶カトレア

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    2020年10月26日
  • 新橋パラダイス 駅前名物ビル残日録

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    2025年57冊目。満足度★★★☆☆

    新橋駅前にある名物ビルは、戦後の闇市にルーツがあった

    この怪しげなビルには、飲みに何度か足を踏み入れたことがある

    本書を読んで、改めて「探検」したくなった

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    2025年07月21日
  • 新橋パラダイス 駅前名物ビル残日録

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    <目次>
    第1章  マーケットの路地裏が遊び場だった
    第2章  妖しい中国系マッサージ街の謎
    第3章  ”裏新橋”の入り口に立つ
    第4章  カプセルホテルに暮らす演歌師のブルース
    第5章  ピンクの部屋に棲む蜥蜴
    第6章  駅のホームを見下ろす部屋で
    第7章  生卵をかっ込みながら頭を刈る
    第8章  スナックは魔の巣か団欒か
    第9章  汐留再開発が支えた幸福の味
    第10章  浮世と現実を昇り降り

    <内容>
    新橋駅西口SL広場に隣接して立つ「ニュー新橋ビル」。窓のところが白く区切られている建物なので、意外と見ているに違いない。そこはかつての屋外マーケットのように、雑多な店が並ぶ。しかし、建って

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    2022年06月01日
  • 新橋パラダイス 駅前名物ビル残日録

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    ネタバレ

    新橋に縁がある人なら誰でも知っている怪しいビル、ニュー新橋ビルと新橋駅前ビルを巡る人々のドキュメンタリー。NHKのドキュメント72時間の書籍版と言った印象。
    登場人物が非常に多く盛り沢山。もう少し絞って、その分掘り下げても良いような。

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    2022年04月16日
  • 新橋パラダイス 駅前名物ビル残日録

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    新橋の会社に勤務していたことがあり、当時から「不思議の街 新橋」だった。その謎に少しでも近づきたくて読んだ。
    山手線や京浜東北線に乗っていて、「今どこ?」と焦ったときに目印になる網目模様のビル。それが「ニュー新橋ビル」。その反対側、汐留側にある新橋駅前ビル。ともに独特の雰囲気を醸しており、立ち入ってはいけない空気が蔓延している。
    そんなにおいを知っている人には興味深いけれど、もう少し掘ってほしい。なんかもっといろいろあるように(あったように)思えてしょうがない。
    こういう本って本当に難しいのだなと。

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    2021年04月16日