野島博之のレビュー一覧
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近現代史を網羅するのではなく、近現代の主要な歴史的出来事のなぜを問いかける形でテーマごとに深く掘り下げるスタイルと筆者の独特な表現は読むものを飽きさせない。
人気予備校講師という看板から読みやすく、わかりやすい入門書という先入観を抱くかもしれないが、簡潔に平易にまとめられながらも深い歴史への洞察に触れられます。各章を読むだけで読者の知的好奇心を刺激され、さらに歴史を深く勉強したくなる動機となるはずで、さらなる勉強への参考図書もテーマ・章立てごとにわかりやすく紹介されているのも、歴史への道先案内として便利である。
学生時代にこのような講師に出会っていたかったと思わせる内容です。 -
Posted by ブクログ
【縄文人】一万年の縄文時代には埋葬は均等して身分の差はほとんどなかったらしい
【邪馬台国】米栽培で国の劫初、「バトルの歴史がスタート!」
【平安京】今まで大事にしすぎたのか、仏教勢力がうるさい…遷都!
【天台宗と真言宗】二人の天才・最澄と空海」だ!現世で利益がある仏教=実用的で貴族が夢中に!
【武士の誕生】あれ、朝廷ってもしや弱い?
【鎌倉新仏教】超簡単に極楽に行ける阿弥陀信仰が民衆の間で一大ブームに!
【織田信長】戦国武将で初めて天下統一を目指した。織田信長が比叡山焼討ち、一向一揆鎮圧、石山本願寺解体などで仏教勢力を次々に倒す、それは物流と徴税システムの再編になってヨーロッパに先駆けの脱宗教 -
Posted by ブクログ
わかりやすくてためになる。某AI氏のように政治的な偏りや、エビデンスに基づかず、誤りがあったとしても反省しない態度とは真逆で、真摯で謙虚な物言いで、丁寧に説明されている点に好感が持てる。近現代に限らず、もう少し時代をさかのぼってエピソードがつづられるとよかったかなとも思うが、考えてみれば、本書で取り扱った以前の部分は学校でもしっかり勉強させられているし、高校等で扱ったにせよ、極端に偏った視点から多くの教師たちが説いている部分に論点にしぼったことが本書の強みである。発刊より20年以上がたったので、そろそろ続編として21世紀の謎解きが期待される。
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
正しい歴史観をみがくための九つの「なぜ?」。
[ 目次 ]
日本はなぜ植民地にならなかったか
武士はなぜみずからの特権を放棄したか
明治憲法下の内閣はなぜ短命だったか
戦前の政党はなぜ急成長し転落したか
日本はなぜワシントン体制をうけいれたか
井上財政はなぜ「失敗」したか
関東軍はなぜ暴走したか
天皇はなぜ戦犯にならなかったか
高度経済成長はなぜ持続したか
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空 -
Posted by ブクログ
幕末期に「日本はなぜ植民地にならなかったか」から始まり、戦後の「高度経済成長はなぜ持続したか」まで、9つの「なぜ」の理由となる背景やいくつかの要因を説明していく本。著者は予備校の先生ということもあって、高校日本史の知識があやふやなおれでも無理なく手軽に読める内容だった。
中経出版の『東大のディープな~』シリーズがあって、大学受験の論述問題を解説したものがあるが、それと似た感じで面白く読めた。
あとは印象に残った部分のメモ。まず明治憲法における天皇は、わりと天皇中心で全てが進んでいくというイメージがあるが、「日本の国家レヴェルのあらゆる決定は天皇の名でなされるものの、現実の政治運営の場面で