堀江里美のレビュー一覧

  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    魔力が開花すると言われる16歳を迎えた少女たちが森の奥のキャンプに一年間追放され生死をかけた闘いをするディストピア小説でハンガーゲーム感あってめちゃくちゃ面白い。家父長制が支配するディストピアには現実世界へのメタファーが散りばめられていて現実も地獄だよねとなる。男女問わず読んでほしい

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    2023年08月20日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    やっと読めました。これまで見てきた数々の閉鎖的社会を描いた映像作品が想起されます。過酷な状況を生き延びるティアニーの逞しさが際立つだけに、ラストの展開はちょっと意外でした。小さな社会に少女たちが押し込められるとこうなるのか、とモデルを見たようです。そして、男性が女性を搾取する現代社会を壮絶にデフォルメした姿がこれなんだな、としみじみ思いました。今後女性が増えそうだし、いつかこんな世界になってるかもしれません。そうした時にティアニーのような生命力が最大の武器になりますね。

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    2023年07月19日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    帯どおり一気読み。読んでいたら夜が明けた。
    家父長制度がよっぽど強い社会で、強く生きようとする女の話。
    たくさんの奇跡が起こったとしても、ひと世代では世の中変えられない、そんなある種現実的な考え方もまた良いと思った。
    続編作成中との事だが、続編の方がスカッとするオチになるのかもしれない。

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    2023年07月08日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    女性って、なぜこんなにも強いのに、こんなにも聡いのに、男よりも下なのだろう。その位置に甘んじているのは、力が弱いからだろうか。ケンカに勝てないからだろうか。ジェンダーギャップを埋めるために叫ばれて久しいが、心に刺さる。母・姉・女の子たちの言葉が、どこかリアルなのだ。日本にはこんな風習ないけれど、どこかリアルで怖いんだ。生き延びても待っているのは、男が望む結婚。16歳で運命の決まる人生。でもその運命に屈さず、己の力で今までの風習にNOを突きつける力が女性にはある。勇気づけられる一作。

    p.71 その人を形作っているのは、人生で重ねた無数の小さな選択、誰の目にも触れない選択なのだと。私にコント

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    2023年06月15日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    ネタバレ

    結構期待して読んだけど、それほどではなかった。でも、まあ、面白かった。

    現代に生きてていろんな歴史や差別や偏見を知ってる者から見ると、さもありなんな設定、世界観、展開。
    逆にほとんどなんもないのに一年生き延びる少女達すごすぎる。ここら辺もうちょっと現実味がある設定が欲しかったな。毎月、食料が投げ込まれるとか。

    主人公がモテるところにはあまり共感が持てなかった。マイケルなんでだ。
    ライカーとの仲は別に良かったけど、その別離まで描くとは。逃亡エンドでも良かった気がするけど、それでも、改革していこうエンド。マイケルすげえよ。主人公は、マリアで、マイケルはヨセフだったのかもな。

    キルスティンは嫌

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    2023年04月12日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    久しぶりに長い小説を一気読みした。面白かったけど、ライカー登場あたりで結局男に助けられないと生きていけないのか…と思ってしまい、ちょっと残念。マイケルも良い人すぎる。

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    2023年03月21日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    500ページあるからね、ちびちび読むつもりだったけど、一気に読み切った。『侍女の物語』を感じさせるジェンダー・ディストピア。現代へのメッセージも感じつつ、ホラー、ミステリ、恋愛、冒険と一気読み要素が詰まってて物語として面白い!

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    2023年03月12日
  • ザ・ガールズ

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    ずっと地味な苦痛に覆われていた
    どうして作者は私の葬り去りたい過去を知っているのかと思わずにはいられなかった・・・・・

    イーヴィーはスザンヌが好き、というより、逃したくない、すがりつける対象というような気がしたよ

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    2020年08月29日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    ネタバレ

    あとがきから読んだので飲み込みやすかったけれど、本編だけだどモヤモヤしながら読み進めることになったと思う。それくらい、作中世界がどんなものなのかは見えてこない。外部がどうなっているのか、主人公は何の知識も持っていないからだ。
    外を知らぬことは比較対象を持たぬことである。掟や刷り込みに疑問を持てない、或いは、持ってても浅い。抵抗したとて浅はかなものにすぎず、捻じ伏せるのも容易かろう。そもそもそんな気にさせない為に、徹底的に自立心をへし折るために設計されたものこそグレイス・イヤーか。
    生まれ育った中で当然とされた価値観からの逸脱は、色々な暗喩になりそうな気がする。ガラスの天井、宗教二世とか。

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    2024年12月08日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    この本は身近ではないからこそ、イメージのしづらい部分は多々あった。しかし、男女等の性別に関わらず誰かに都合の良い世の中って沢山ありふれてるよな。
    そんなことを考えさせられる作品です。
    ※面白い!!と言って進めることはしないけど、考えさせられる部分はあるよ〜と言った感じですね。

    縛られた環境の中で自身が持っている術を使い、上手に生きようとするが自分の気持ちや考えを理解してくれる人はごく僅か、理解してくれた人でさえ多数に靡いていく。
    そんな環境の中でもう死んでしまった方が楽なのかなと諦めかけるが、敵だと思って居た人に助けられ、仲間だと思って居た人は自分に危害を加えようとする。
    そんな恐怖が隣り合

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    2023年11月06日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    早川書房さんのTwitterで知り、自分好みのディストピア系かと期待して手に取ってみた。

    舞台は森に囲まれた村、ガーナー郡。この地では、女は男を惑わす"魔力"を持っているとされており、"魔力"が開花する16歳にそれらを全て解き放ち、"清らか"な女として男に妻として迎えてもらうため、少女たちは森の奥に閉ざされたキャンプ地で1年間の共同生活を送る。<グレイス・イヤー>―――それについて話をすることも禁じられた、無事に帰還することが保証されない謎に包まれた風習。16歳となり<グレイス・イヤー>を迎えるティアニーは、その真相を目の当たりにす

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    2023年07月22日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    「グレース・イヤー」という習わしで16歳を迎える少女は森の中で1年間もキャンプをして過ごす。キャンプの周りには少女を狙う密猟者がいて、特別な効能を持つ薬として少女らを狩る。グレース・イヤーというサバイバルを経て、ある者は男の所有物として妻となり、そうでない者は労働者としての生活が始まる。こんな女性にとってはディストピアでしかない世界を描く。著者によると、駅で見かけた少女からインスピレーションを受けて書かれた作品なのだそうだ。それを知ってから作品を振り返ってみると、作品世界は現実世界を少しだけ大げさにしたようなもののように感じる。搾取される女性の世界をきちんと物語にして読者に伝えている。

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    2023年07月11日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    特殊な設定以外は割とありきたりではあるが
    不思議な余韻があった。
    しかしガーナー郡はそこそこ大きいのかな?
    毎年16歳がいっぱいいるし
    ちょっとスケール感が掴めなかった。
    続編書かれたら読みたい。

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    2023年06月23日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    ネタバレ

    最後の展開は個人的には納得がいかなかったけど、
    一年で大きく変えられるほど伝統はやわなものじゃないってことか。

    でも希望のある終わる方で良かったです。
    完全に好みの問題だが幼馴染派だったので彼の扱われ方や最後の展開的にちょっと不憫だった。
    ただ物語的に幼馴染と恋に落ちると色々崩れちゃうんだろうな...とも思うししょうがないのかな。

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    2023年05月15日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

    ネタバレ 購入済み

    読み物として面白く、引き込まれながら読みました。
    フェミニズム的な視点で見ると、結果的に女性たちが突然団結して政治を変える!というような大きな変化が
    ないままというところがリアルでもありもどかしいところでもあります。
    個人的に主人公が妊娠出産するシーンやライカーをはじめとした男性陣の設定には釈然としない部分もありました。
    ただ、こうやってもやもやする部分も含めて非常にリアルです。個人的にはもっと爽やかさや希望も欲しかったかなあとは思いますが。

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    2023年05月11日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    2023/04/08〜2023/04/27
    TBSラジオ「アフター6ジャンクション」で紹介されて気になっていたところに、友人の働く書店で筆者のサインカード入りの本が売られていると知って取り寄せた一冊。
    女性達を分断させ、男性が彼女らを所有物と扱うような架空の時代の架空の町、ガーナー郡が舞台。作中彼女たちが感じる不条理は現実世界の問題のメタファーであり、それらの問題に男性も加担していると気付かされる。
    作品の展開は、最後ちょっと雑だったかな。
    3/4までは滅茶苦茶面白かった。

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    2023年04月28日
  • ザ・ガールズ

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    チャールズ・マンソン事件がモチーフ、タランティーノが監督すると↓書いてあり、けーってな感じ。事件は洗濯後のゴミネットにたまる埃のような扱いでとどめてあり、作者は少女の思春期の危うい世界を描きたかったそう。両親が離婚した裕福な家庭で育った14歳の少女。特に感受性豊かという訳ではなくて、至って健康だ。作者の表現する少女の心のゆらめきが、既に書き古されたよくある表現ではなくて、豊かに色鮮やかに等身大にて表現されている。それに自分は舌を巻いたが、そこに共感できない人には、ただのつまらない少女小説かと思います。

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    2019年02月03日