堀江里美のレビュー一覧

  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    何が何だかわからないが、この先に何かがあると信じて突き進むようにして読んだ。物語に答えや答え合わせ的な仕掛けがもてはやされるエンターテインメント小説だが、これぐらい訳の分からない何通りもの解釈ができる話の方が好みだ。
    文章からこの少女たちが置かれた環境が伝わってくる。ディストピアに放り込まれて全てを奪われると何もかもが麻痺するのだ。
    自分は男性だが、この作中の少女たちのような状況にある人は男も女も多いのではないか。
    本作をジャンル分けするとモダンホラーになるのだろうが、ジャンルを越えた面白さがある。これはいい。面白い。

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    2025年03月27日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    少女達は残酷さを徐々に、不気味に醸し出していく。
    男尊女卑の村で、結婚か農婦か最下カーストでしか生きていけない女性達。
    ある意味サバイバルホラー味があり、絶望感がどっとやってきた。

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    2024年11月08日
  • ザ・ガールズ

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    ネタバレ

    1960年代アメリカの「マンソンファミリー」連続殺人事件がモデルになっているとのこと。
    カルト集団の「ランチ」での暮らしぶりや、住宅への侵入、最終的に起こる事件の描写はショッキングで、ゴシップ的興味を惹かれて、怯えながらもどんどんと読み進めてしまった。
    何年か前に見て訳わからないと感じた映画「ワンスアポンアタイムインハリウッド」は、同じ集団によって起きた事件を前提に作られていたんだな。それくらい、アメリカでは誰もが知っている事件なんだ。
    遠い昔の、外国で起きた事件なのにこんなにもハラハラと没入しながら読み進めていたのは、語り手のイーヴィーの思春期特有の自意識にあまりにも身に覚えがあったから。

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    2024年02月04日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    ネタバレ

    女たちを魔力があるという理由で
    男たちが女を抑制し管理する。
    16歳の儀式の日に男たちに自分が選ばれなければ
    生きている意味がないと自分の人生を勝手に決められてしまう。

    生まれたときから
    その習慣になれてしまっている
    ティアニーとほかの16歳の少女たち。
    運命に抗うティアニーと
    その運命を生きる糧としている
    他の少女たちと繰り広げられる
    壮絶な女同士の戦いが凄まじい。

    この世界観が好きで読んでいて
    興奮が収まらなかった。

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    2023年10月25日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    『侍女の物語』をよりファンタジーで女の子に向けにしたようなストーリーなのに、起こっているのはどうしようもない現実で、色々と考えさせられた。絶滅してもおかしくないくらいだよ、16歳……

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    2023年09月13日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    今年、1番良かった本と言っても過言でない作品。
    女性として生きるにはどうすれば良いのか。どうすれば異性/同性に振り回されずに生きていくことが出来るかを作品を通して教えていただいた。
    映画化されるようなので上映されたら鑑賞したい。

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    2023年07月21日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    ノンストップで面白いエンタメ小説。次はどうなる、次はどうなるとどんどん進めた。著者が女性だからこそこんな風に書けたと思う。強くなれる、と。

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    2023年07月04日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    女性たちのものがたり。友情、ホラー、恋愛、色んな要素があって、ドキドキわくわくしながら読んだ。
    過酷な状況でも前をしっかり向いて、こぶしをしっかりにぎって戦うティアニーの姿が、とてもかっこよかった。

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    2023年06月25日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    ネタバレ

    とにもかくにも読め、読んでくれと言いたい本。

    簡単に言えば、家父長制と女性消費から立ち向かう話……なのだが、作中の時代と主人公が暮らすコミュニティ外の世界観が明らかにされていないのがミソで、つまりはどの時代・どのコミュニティでも有り得る話という恐ろしさを感じる。

    コミュニティ内にミソジニーがあるとはいえ、それに密かに立ち向かおうとしている他の女性や、終盤で明らかになるが、女性を一人の個人として尊重する男性もいる。

    正直、中盤に展開したロマンスは「結局恋愛かよ」と萎えたが、そこからの終盤の展開と伏線回収に脱帽した。

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    2023年06月10日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    「侍女の物語」と「蝿の王」の合わさったような物語という宣伝がぴったりの展開。男達が作り上げた都合の良い社会に気分が悪くなる。数の多い女の子を自分たちの手で競って殺し合うように仕向けるシステム、役に立たなくなった女性をまたうまく消し去るシステム、宗教も利用しての完成度は驚くほどだ。
    主人公の頑張りの陰に父母や姉の愛が光る。そしてティアニーの二人のナイト、ライカーとマイケルはどちらも違う良さで魅力的だった。

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    2023年06月04日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    平積みで気になり手に取った。
    ディストピアフェミニズム小説は初だったが、架空世界の設定に現実をひしひしと感じる点が、読んでいてとても面白かった。

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    2023年04月21日
  • ザ・ガールズ

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    スザンヌみたいな女の子って魅力的だよね。
    スザンヌ本人よりもイーヴィーの方が、その後、事件にとらわれっぱなしな感じがリアル。

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    2018年09月26日
  • ザ・ガールズ

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    読み始めは「甘酸っぱい青春もの」「お嬢さんのお気楽なヒッピーの真似事」の様相を見せていたものの、クライマックスからラストに向けて社会的メッセージがジワリ。
    一気に読んでしまった、ヒリヒリした。

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    2018年01月17日
  • ザ・ガールズ

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    新年早々ヒリヒリさせられた。チャールズ・マンソンてのは名前ぐらいしか知らなく、全くといっていいほど無知だったので、これを読みながらネットで漁るようにして知っていったのだけど、この小説がベストセラーになるのも納得の恐ろしい事件だったんだと知り、のめり込んでしまった。

    この小説はフィクションだけどこの事件をベースにしているだけあってリアルでもある。残酷で悲しくも、どこか美しい物語だった。岡崎京子の漫画を彷彿とさせるような。
    これを、この時代を全然知らない若い世代の作家が書くってところが凄いなって思った。

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    2018年01月09日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    面白かった。
    「その人を形づくっているのは、人生で重ねてきた無数の小さな選択」
    小さな選択がその人らしさになるなと共感した。
    「わたしにだって土壌を突き破ろうとする芽と同じくらいには価値がある。」
    小さな事であっても、突き破る生命力は持っていたいと感じた。

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    2025年10月16日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    装丁のイラストレーターが大好きで購入しました。
    ドキドキして一気に読み終えました。
    映画化・続編が待ちきれません!

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    2025年09月19日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    グロかった。
    ライカーとティアニーがいい。

    こんなおかしな世界に囚われ、抜け出せない辛さ。
    何がおかしいのかもわからない世界。

    自分が味わった苦労を次の世代にも味わせるのではなく、少しでも良い環境をつくる。
    先に生きるものがやっていくこと。

    その小さな一歩が大きく世界を変えることになると思った。

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    2025年09月07日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    過酷な物語を通じてとにかく怒りが伝わってくる小説。
    ティアニーから目が離せなくて、分厚さをものともしないスピードで読み進めました。

    序盤は人名が多くてメモを取りながら読む羽目になったけれど、主要な人物は嫌でも覚えるから結果的にはあまり必要なかった。

    苦しみとささやかな希望との間でぶんぶん揺さぶられるような作品で、脳が喜んでいるのがわかる。
    ヘイルメアリーを読んでいた時の感情に近い。
    特にジューンがマントに仕込んだ仕掛けがわかるシーンが大好き。
    ティアニーがずっと逞しくてかっこよくて、本当に過酷なお話だけどもエンパワーされる。

    草木や土の匂い、血の匂い、心臓や呼吸の音、それから痛みまで、あ

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    2025年05月09日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    フェミニズムディストピア小説、と呼ぶらしい。ハンガーゲームが好きで読み始めたが、独特なダークな雰囲気もありつつデスゲーム感も。世の中のあらゆることに置き換えられる話だな〜と後からたまに思い出す本。

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    2024年10月20日
  • グレイス・イヤー 少女たちの聖域

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    ・面白かったし、素晴らしかった。
    ・現実世界をメタファーとした、「女性」の物語としても読めるし、元がヤングアダルト小説なので純粋なダークファンタジー小説としても当然読める。自分はこの小説内に立ち込める濃厚な湿度、発泡塞がりで息の詰まる様な「暗黒」の空気に、結構やられてしまった。まぁ当然それは現実と重なる事も多いのだけど。
    ・途中のストーリーラインにあるロマンスの部分も、苦さや厳しさの部分も含めて良かった。自分は主人公の少女と全く属性は違うけど、めちゃ感情移入してしまった。なんで?
    ・元がヤングアダルト小説という事でこれを若い子達が読むのか…凄い、と思ってしまった。

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    2023年09月03日