津田篤太郎のレビュー一覧

  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    お二人の言葉の選び方が美しく、とても気持ち良く読み進められました。時節の挨拶ひとつにしても、なんて鮮やかな表現なんだろうと感動の連続。
    生と死という、一番身近でありながらどこか考えることを避けてしまうことについて、様々なお話を交えながら対話されています。興味深い話がたくさん出てきて、一気に読み進めてしまいました。

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    2022年02月03日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    文庫化にあたり、2章追加されています。
    これまでの章を踏まえて、この度のコロナに関するお二方の視点が書かれています。自分と同じ考えへの共感もあり、新たな捉え方の発見もあり、とても興味深いものでした。

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    2021年04月01日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    上橋さんの書簡は星5。
    津田氏の書簡は星無し。
    (どこが嫌かは面倒だから省略。)
    生きるということ、言葉の限界、一見関係なさそうなもの同士の相似。
    上橋さんの、いろいろなことへの洞察により、混沌とした世界がクリアになり、いろいろ腑に落ち、落ち着く。
    よき物語を紡ぐ人の文章は、書簡の形式をとっても変わらず魅力的。

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    2021年02月04日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    新聞を読み、テレビを見、内容によって気持ちが動くことがある。ふと湧いた想いを捕まえることなく流してきた私にはその想いを言葉にすることはとても難しい。こうやって言葉にできる人たちがいることが嬉しい。

    一つずつ頷きながら読み、辞書を引きながらゆっくりと読み返し、お二人と共にいる世界を感じた幸せな時でした。

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    2020年09月17日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    ネタバレ

    私も上橋さんとほぼ同時期に母を亡くしましたので、その部分では一年半も看病できた事が羨ましい。私の母は原因不明で入院し、直後、意識不明。一か月も面倒を見てあげる事ができませんでしたので。

    それもまた生命力というものですし、色々と思う事が多い読書でした。

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    2020年09月07日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    副題に「生と死をめぐる対話」とあるが、対談ではなく往復書簡という形式になっている。テーマは重いが、エッセイとして読むこともできる。
    上橋氏が他界されたお母様を心から愛しておられることが文章、行間から伝わってきた。
    無論悲しい話なのだが「これほど親を愛せるのか」という点では羨ましいとさえ思った。

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    2022年06月25日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    お母様の晩年の過ごされ方とその支援をなさる上橋菜穂子さん、生物としてのヒトの生死にまつわる内容を語られる医師、おふたりの往復書簡。文章が美しく内容は興味深い。

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    2021年08月12日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    守り人シリーズの作者の飾らない語り口と 医師として向き合う津田氏の誠実さが、伝わる往復書簡

    もう一度 読み返して考えたい

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    2020年12月27日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    蓑虫の雌の生態は、悲劇なのだろうか・・・。女性である上橋さんはふと考える。昆虫が4億年かけて選択したかたちが、あの生態なのだと考えたら?上橋さんにそう語りかける津田先生は優しい。
    患者の看取りを重ねてきた津田先生と、向こう側とこちら側を考える上橋さん。なぜ人は死を恐れ、受け入れ難いのか。
    答えのない会話を、往復書簡という形で応酬する。
    それは対談よりも、もう少し考える時間がある。そして、相手の文章を何度も読み返して返事をかける。
    それでも話が噛み合わなかったり、お互いの興味に流れたりして一貫性がないことも多かった。
    それでも、ここには考える種が多く残っている。ラインをつけて、後からもう一度読ん

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    2020年12月10日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    死生観のみならず、二人の往復書簡の話題は多岐に富む。年長者で作家である上橋氏は勿論、津田医師が実に泰然自若とした雰囲気を感じさせる。

    掛かり付けの医師を持つならこういった方になって貰いたい。

    これからの読書の秋の夜長に味わいつつ読むのにオススメ。

    丸善京都本店にて購入。

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    2020年10月09日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    『守り人』シリーズや『鹿の王』の作者として知られる上橋菜穂子さんと、聖路加国際病院の医師である津田篤太郎さんとの往復書簡。上橋菜穂子ファンとしては、物語の背景となる作者の思想を知ることができる貴重な本です。

    タイトルに「生と死を巡る対話」とあるように、人間の生と死や身体について、文学、医学はもちろん、生物学、文化人類学、社会学といった多様な視点から、二人が自由に語っています。織りなされる二人の対話の中から、ふと心に残る文章やフレーズが出てきて、自分の死生観が改めて問い直されるのを感じました。

    特に、「人の心は生きたいと願う一方で、身体は時が来れば崩壊するよう促してくる。生まれた瞬間から、私

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    2020年09月14日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    2015年1月、上橋菜穂子さんの母親の肺ガン罹病がわかります。その後の数ヶ月間は、娘はありとあらゆる手立てを尽くしてかけがえなのない生命を救おうとしますが、80代の身体とは思えないほど進行は速く、半年ほどして彼女は絶望の縁に立ちます。その時に出会った漢方医学の津田医師との、お互い看護と治療をしながら、母親の最期を看取りながらの往復書簡の内容です。

    テーマは必然「生と死を巡る対話」となりますが、お互いの教養の広さと深さを知った上での対話は、人類学から生物学を踏まえた哲学的思考、或いは古典音楽からAIの話題まで縦横に語られます。

    わたしも、父親の死を看取ることで、その時は少したいへんでしたがそ

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    2020年09月12日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    上橋さんと医師の津田さんの往復書簡。
    生物のメカニズム、生と死の考えが綴られていて、なかなか面白かった。
    "想定できる範囲を超えたものは他の生物には見えていても、当事者には見えない"とか、"人間には寿命があり、AIには無いが故に、それぞれに出来る事の違い"とか。
    宇宙とか永遠とか、スケールが大きい話が続いてたからこそ、たとえそれが種の生存にはさして意味がないとしても、一瞬一瞬の感情を大事に生きていきたいなと思った。
    それを表しているのが上橋さんの作品なんだな。

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    2025年01月04日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    作家)上橋菜穂子×漢方医)津田篤太郎による往復書簡。

    人はなぜ生きるのか、進化のためならそのゴールはどこ?という根本的な問いに個の体験やアボリジニ社会の習慣まで交えてアプローチしたりと非常に面白かった。
    特にミノガの一生の話がインパクト大!
    種の保存のためにここまで個を殺せるのかと遺伝子の設計が恐ろしくなった。

    本題とは関係ないが、時候の挨拶って形骸化されていてで無駄なものだと思っていたけど、お二方の文章は瑞々しくそれ自体に詩のような趣があって日本語の美しさを堪能しました。

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    2024年06月13日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    ネタバレ

    164ページの「私は身体が喚起してくる感情をコントロールできないのだ」と言う言葉が深く印象に残りました。自然に、生物学的なレベルで生じる反応は本当に生々しくて扱いづらいけれど、それを含めて自分だと、コントロールしようとしすぎずに受け入れていくことは大切だなあ、と感じ入りました。

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    2023年03月17日