藤田祐樹のレビュー一覧
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鳩がなぜ首を振って歩くのか——そんな素朴な疑問に人生を捧げて研究した著者の姿勢が、とにかく面白くて、一気に読み切ってしまった。読みながら何度も「そこまでやる!?」とツッコミを入れつつ、気づけばのめり込んでいた。
骨格の構造から網膜の仕組み、視野角の違い、さらにはペンギンの歩き方まで、隅から隅まで知的好奇心をくすぐられる話ばかり。まるで世界が少し広がったような感覚だった。
改めて思う。こうして身近な自然や動物、植物に目を向け、なぜ?と考えることこそ、人間としての醍醐味であり、大人の嗜みなのかもしれない。
次は植物の世界に足を踏み入れてみようかな。実用的な本だけでなく、こうした知的探検の旅も、 -
Posted by ブクログ
ハトが首振って歩くのがどうしても気に食わなくて、でも理由もなく嫌うのもどうかと思うので、これも他者理解の一つと思って仕方なく読んだ。どうせバランス取るためだろうと思ってたし、そういう面もあるような話も出てきたけど…もっと衝撃的な事実も出てきた!これは思いもせなんだ…ハトにもいろんな事情があるらしい。しかも首を振らない鳥の方が少ないらしい。ごめんねハト、私理不尽だった。
長年意味が分からなくてキモ!と思ってたことも、事情が分かると納得することもあるということを学んだ。無知は罪である。
そして一つ疑問が解決すると、また新たな疑問が湧いてくる…その繰り返しが学問なんだなぁ。疑問を持つことがまず第一歩 -
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ハトはなぜ首を振って歩くのか (岩波科学ライブラリー)
by 藤田 祐樹
ある日、私のもとに、スズメに関するテレビ番組の取材があった。なんと、歩くスズメがいるというのである。「なに!?」と私は耳を疑った。その方の話によれば、兵庫県中町(現在は多可町の一部)に 間子 という地区があり、間子の七不思議という言い伝えがある。そのひとつに、「間子のスズメは歩く」という内容が含まれているのだ。 その記者によれば、「間子は昔から湿地が多く、地上ではホッピングを行いにくかったためにトコトコ歩くようになったのだろう」と言われているらしい。 もし、これが事実なら、いくつかの点で大変である。
い -
Posted by ブクログ
息抜きに一冊!
著者自身による発掘調査で徐々に明らかになりつつある、沖縄のある洞窟での遺跡から見える旧石器人の生活。貝で釣り針をつくってウナギを釣ったり、カニを一番美味しくなる秋を狙ってわんさかとって食べていたとは!
実際の遺跡の発掘調査からどのようにして昔の人々の生活を復元していくのかを、著者自身の考えの変遷などとともに紹介されていて、とても楽しくあっという間に読んでしまえる一冊だった。
おもしろ可笑しく書いてあるが、研究自体は様々な文献を渉猟し、失敗を繰り返しながら研究者としての勘を働かせて狙いをさだめ、多くの共同研究者の様々な技術を結集させた壮大なプロジェク -
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「日本一の首振り研究者を自認する」筆者による、「ハトの首振り」考。
題名の通り、様々ケース、ほかの鳥類と比較・検討し、一つのテーマに沿って、論じている。
(たぶん/おそらく)一般の人向けにわかりやすく解説している部分もあるだろうが、専門的な内容からすれば、ページ数は少く、しかし、コンパクトにまとまっている。
「私は、鳥類の研究をしている。」という一文から始まり、はやくも惹きつけられる。
ハトのように「首を振って歩く鳥」もあれば、「首を振って歩かない鳥」もいるので、不思議なのである。
まだまだ未解決な部分も多く、今後の研究結果が待たれる。
「たかが首振り、されど首振りなのである」。
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Posted by ブクログ
タイトルを見て、「そういえばなんでだ!?」と気になって読んでみたら、本当に、ただひたすらに首振りについて書かれていてちょっと引くくらいだった(ほめ言葉)。しかも本の一部にはハトの首振りパラパラマンガ付き。筆者、どんだけ首振りマニアなんだ!
かるーく書かれてはいるけど、内容はいたってまじめで本格的。首振りの理由もなるほどなーと納得できたけど、まだまだ謎は多く残されている。
首振りには歩き方が深くかかわっている。でも、スズメがハトとは違って歩かずにピョンピョンとホッピングする理由は、いまだ明らかになっていないとのこと。首振りは予想以上に奥が深い。
面白かったのは、ハトに歩かせず