杉山祐之のレビュー一覧

  • 覇王と革命:中国軍閥史一九一五‐二八

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    戦前中国の軍閥争覇を詳述した史書。
    なのだが読み物として面白い。武装が大砲、ライフル、機関砲になった二十世紀の大三國志なのである。
    英雄奸賊軍師策士が組んず解れつバトルロワイアル。
    加えて欧米列強にコミンテルンに我等が大日本帝国が政治に軍事に経済にと介入しまくり場外乱闘·凶器攻撃と殺りたい放題。
    もう中国大陸はリアル北斗の拳状態!天命無き英雄たちの終わりなき死闘。
    浅田次郎の蒼穹の昴シリーズの副読本に最適かと♫

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    2021年12月05日
  • 張作霖:爆殺への軌跡一八七五-一九二八

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    【張作霖の生涯からは、近代中国の激動が見える。遠くない未来に奈落が待ち受けている日本の運命もまた、はっきりと見える】(文中より引用)

    世が乱れる清朝末期に躍り出て、瞬く間に東北の王となった張作霖。1928年に爆殺されるまでの駆け抜けた半生を、膨大な情報量を基として臨場感たっぷりに描いた作品です。著者は、読売新聞社の中国駐在編集委員などを務める杉山祐之。

    「張作霖爆殺事件」という単語の連なりでしか知らなかった人物だったのですが、大河ドラマの世界顔負けの波乱の人生を送っていたことがわかり、まず伝記として最高に面白い読み物でした。同時に張作霖から眺める清朝の崩壊や近代日本の対中外交が伺える点も、

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    2020年12月03日
  • 覇王と革命:中国軍閥史一九一五‐二八

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    ネタバレ

    中国最後の分裂時代である、民国軍閥時代。
    辛亥革命によりアジア最初の共和国・中華民国となりながら、各地の軍閥が群雄割拠した混戦時代に突入。
    孫文の偉大さばかりが強調される辛亥革命において、袁世凱の果たした役割の大きさとは?
    袁世凱の皇帝即位と、それに対する反乱、様々な勢力が入り乱れた混戦時代が克明に描かれています。
    キーワードは、直隷vs安徽。
    袁世凱の率いた北洋軍閥をルーツとしながら、馮国璋の率いる直隷(河北)派と、段祺瑞の率いる安徽派とが政権を争う。
    これに張作霖率いる奉天派と、孫文率いる国民党が絡む。
    期間は袁世凱政権末期の1915年から、蒋介石の北伐により中国が一応統一される1928年

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    2014年04月13日
  • 覇王と革命:中国軍閥史一九一五‐二八

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    中国の近代史を調べる時にいつも気になっていた「足りないところ」を補ってくれる作品。まさに20世紀の三国志である。

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    2013年04月24日
  • 張作霖:爆殺への軌跡一八七五-一九二八

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    浅田次郎の中原の虹やマンチュリアン・リポートの副読本に最適で、この本も抜群に面白い♪
    覇王と革命 を書かれた杉山祐之の作で清末民国初の軍閥領袖で日本にも縁の深い張作霖の野望の軌跡を描く。
    中原の虹では描写が少なめだった軍閥戦争の様相が詳述されており、満洲馬賊の総攬把 白虎張と 祝健康弟兄、壮揚兵馬 の旗の下に集った彼の壮士たちの中原に虹を追い続けた激闘の日々とその結末とを堪能できるぞ♬
    目に一丁字無く草莽より崛起し馬上より大国の天下を狙うという浪漫溢れる英雄譚の、おそらく最後の例になる伝説的生涯の物語。

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    2021年12月05日