中国最後の分裂時代である、民国軍閥時代。
辛亥革命によりアジア最初の共和国・中華民国となりながら、各地の軍閥が群雄割拠した混戦時代に突入。
孫文の偉大さばかりが強調される辛亥革命において、袁世凱の果たした役割の大きさとは?
袁世凱の皇帝即位と、それに対する反乱、様々な勢力が入り乱れた混戦時代が克明に
...続きを読む描かれています。
キーワードは、直隷vs安徽。
袁世凱の率いた北洋軍閥をルーツとしながら、馮国璋の率いる直隷(河北)派と、段祺瑞の率いる安徽派とが政権を争う。
これに張作霖率いる奉天派と、孫文率いる国民党が絡む。
期間は袁世凱政権末期の1915年から、蒋介石の北伐により中国が一応統一される1928年まで。
馮国璋、段祺瑞、呉佩孚、馮玉祥、そして各地の軍閥が主役であり、孫文はむしろトラブルメーカーだという印象がありますw
国共どちらも孫文を神格化する革命史観により、貶められたり無視されたりしている各軍閥の出自や基盤、また戦闘の過程も描かれており、やや混乱しがちなこの時代を学ぶのに最良の一冊です。
ただし、特定の史観に偏らずと謳っているものの、著者個人の価値観がかなり前面に現れていますw
関係の無いところで、わざわざ後の共産党・毛沢東の批判がありますw
ニン、トン♪