作品一覧

  • 清朝滅亡:戦争・動乱・革命の中国近代史一八九四―一九一二
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    1巻3,564円 (税込)
    清末史を記述する新たな地平 巨大帝国・清に未曾有の衝撃を与えた1894年の日清戦争から1912年の王朝滅亡までの激動の時代を、近年続々と世に出てきた最新の史料と基本文献に基づいて再現する壮大なドラマ。教科書的な通史でもなく、革命を賛美するプロパガンダでもなく、史実に目をつぶった文芸作品でもない、これまでにない清末史である。 中国における古代と近代の結節点である清末には、現代を含む歴史的中国のあらゆる要素が凝縮されていると言っても過言ではない。対象となる19年間には、戦争、宮廷闘争、動乱、革命が相次ぎ、群雄、群衆がうごめきあって、数千年続いた王朝の時代を押し流していく。 西太后、袁世凱ら主要人物のほか、皇族、官僚、宦官、維新派、軍人、義和団の民衆、孫文ら革命家など、本書に登場する周辺の人物も実に個性豊か。この時代にきわめて重要な役割を演じた日本をはじめ、列強の動き、社会、経済事象などを含め、サイドストーリーもふんだんに盛り込まれている。 『紫禁城の黄昏』以来の清末定型の情緒的イメージを排し、さまざまな力が己の生存をかけてぶつかり合う激しい時代を生き生きと描き切った傑作。 [目次]   はじめに 第一章 北洋艦隊、全滅  戦争と祝典  黄海海戦  垂簾聴政  威海衛の弔砲 第二章 改革か、亡国か  下関の李鴻章  康有為と袁世凱  弱肉強食  「母と子」 第三章 戊戌の政変  帝師解任  孤独な変革者  法華寺の夜  皇帝、幽閉さる 第四章 義和団の乱  扶清滅洋  迫る拳民  殺戮と御前会議  奇妙な戦争 第五章 西への逃避行  珍妃殺害  「狩り」の旅  新政と条約  帰還 第六章 東に学べ  慈禧観音  近代化の模範  同盟会成立  権力闘争 第七章 慈禧太后、死す  蛹(さなぎ)  ヒ素と飴と玉  虎口を脱す  皇族内閣 第八章 辛亥革命  鉄道国有化  武昌蜂起  復活  孫文、帰国 終章 最後の詔(みことのり)  中華民国  皇帝が消えた日   あとがき/注/参考・引用文献/主要登場人物/清朝系図/関連略年表
  • 覇王と革命:中国軍閥史一九一五‐二八
    5.0
    1巻2,992円 (税込)
    1912年1月、南京で中華民国臨時政府が成立し、孫文が臨時大総統に就任。翌月には宣統帝が退位し、清朝が滅亡した。新生「中華民国」はこうして産声を上げたが、その後の歩みは“平坦でない”どころではなく、各地の軍閥が権謀術数をめぐらせ混沌をきわめた。 本書のねらいは、これまで注目されることのなかった「軍閥とその時代」を再構築することである。扱うのは、国家の統合が壊れた袁世凱統治の末期から、蒋介石が全中国を統一するまでの軍閥混戦の時代(1915-28年)だ。主役級の袁世凱、段祺瑞、孫文、蒋介石、張作霖のほか、徐樹錚、馮国璋、呉佩孚、馮玉祥ら、数多の群雄が三国志さながらの激しい攻防を繰り広げた時代である。 この時期、中国で覇権争いをしていたのは軍閥ばかりではない。列強諸国、なかでも大陸進出をねらっていた日本と、革命の輸出をもくろんでいたソ連の影響は大きく、軍閥とこれら国外勢力との間で展開した駆け引きの様子が詳しく描かれる。 本書は、今世紀に入って中国で相次いで発表された、革命史観にとらわれない文献をもとに、こうした軍閥の動きを丁寧に追い、複雑にからみ合った勢力関係のひもを解きながら、中国史のなかに軍閥を位置づける試みである。
  • 張作霖:爆殺への軌跡一八七五-一九二八
    4.5
    1巻2,288円 (税込)
    東京裁判以来、日本では、張作霖爆殺事件に関する膨大かつ詳細な調査・研究が積み重ねられてきた。しかし、満洲(現・中国東北部)に生まれ、清朝末期から中華民国初期の軍閥の時代を生きた人間としての張作霖の全体像は、ほとんど知られていない。 本書は、基本史料はもとより、改革開放後、とりわけ2000年以降に公開された史書、報道、論文の類に依拠し、張作霖の生い立ちから爆殺に至る軌跡を再構築したものである。草莽から身を起こした張作霖は、けた違いの器量によって乱世を駆け上がっていく。匪賊を斃し、モンゴル兵と死闘を演じ、常勝を誇る大軍閥と激突、革命軍にも白旗を掲げることはなかった。満洲を勢力圏とする日本に対しては、その力を利用しながら、傀儡の道を選ぶことなく、最後は日本軍に殺された。 側近や仇敵らのサイドストーリー、日本側の思惑などを盛り込んで、張作霖の人物像と時代の空気を重層的に描くと同時に、激動する近代中国の実像に迫り、遠くない未来に奈落が待ち受けている日本の運命を浮き彫りにする力作である。『覇王と革命』(小社刊)で軍閥混戦の時代を描いた著者が満を持して放つ本格評伝!

ユーザーレビュー

  • 覇王と革命:中国軍閥史一九一五‐二八

    Posted by ブクログ

    戦前中国の軍閥争覇を詳述した史書。
    なのだが読み物として面白い。武装が大砲、ライフル、機関砲になった二十世紀の大三國志なのである。
    英雄奸賊軍師策士が組んず解れつバトルロワイアル。
    加えて欧米列強にコミンテルンに我等が大日本帝国が政治に軍事に経済にと介入しまくり場外乱闘·凶器攻撃と殺りたい放題。
    もう中国大陸はリアル北斗の拳状態!天命無き英雄たちの終わりなき死闘。
    浅田次郎の蒼穹の昴シリーズの副読本に最適かと♫

    0
    2021年12月05日
  • 張作霖:爆殺への軌跡一八七五-一九二八

    Posted by ブクログ

    【張作霖の生涯からは、近代中国の激動が見える。遠くない未来に奈落が待ち受けている日本の運命もまた、はっきりと見える】(文中より引用)

    世が乱れる清朝末期に躍り出て、瞬く間に東北の王となった張作霖。1928年に爆殺されるまでの駆け抜けた半生を、膨大な情報量を基として臨場感たっぷりに描いた作品です。著者は、読売新聞社の中国駐在編集委員などを務める杉山祐之。

    「張作霖爆殺事件」という単語の連なりでしか知らなかった人物だったのですが、大河ドラマの世界顔負けの波乱の人生を送っていたことがわかり、まず伝記として最高に面白い読み物でした。同時に張作霖から眺める清朝の崩壊や近代日本の対中外交が伺える点も、

    0
    2020年12月03日
  • 覇王と革命:中国軍閥史一九一五‐二八

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    中国最後の分裂時代である、民国軍閥時代。
    辛亥革命によりアジア最初の共和国・中華民国となりながら、各地の軍閥が群雄割拠した混戦時代に突入。
    孫文の偉大さばかりが強調される辛亥革命において、袁世凱の果たした役割の大きさとは?
    袁世凱の皇帝即位と、それに対する反乱、様々な勢力が入り乱れた混戦時代が克明に描かれています。
    キーワードは、直隷vs安徽。
    袁世凱の率いた北洋軍閥をルーツとしながら、馮国璋の率いる直隷(河北)派と、段祺瑞の率いる安徽派とが政権を争う。
    これに張作霖率いる奉天派と、孫文率いる国民党が絡む。
    期間は袁世凱政権末期の1915年から、蒋介石の北伐により中国が一応統一される1928年

    0
    2014年04月13日
  • 覇王と革命:中国軍閥史一九一五‐二八

    Posted by ブクログ

    中国の近代史を調べる時にいつも気になっていた「足りないところ」を補ってくれる作品。まさに20世紀の三国志である。

    0
    2013年04月24日
  • 張作霖:爆殺への軌跡一八七五-一九二八

    Posted by ブクログ

    浅田次郎の中原の虹やマンチュリアン・リポートの副読本に最適で、この本も抜群に面白い♪
    覇王と革命 を書かれた杉山祐之の作で清末民国初の軍閥領袖で日本にも縁の深い張作霖の野望の軌跡を描く。
    中原の虹では描写が少なめだった軍閥戦争の様相が詳述されており、満洲馬賊の総攬把 白虎張と 祝健康弟兄、壮揚兵馬 の旗の下に集った彼の壮士たちの中原に虹を追い続けた激闘の日々とその結末とを堪能できるぞ♬
    目に一丁字無く草莽より崛起し馬上より大国の天下を狙うという浪漫溢れる英雄譚の、おそらく最後の例になる伝説的生涯の物語。

    0
    2021年12月05日

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