サイモン ウィンチェスターのレビュー一覧

  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    ジェイムズ・マレー(1837-1915)はOED編纂の中心人物。ウィキペディアで彼の写真を見た時には驚いた。仙人のような風貌だったからだ……まるでことばの霞みを食って生きているかのような。
    本書のもうひとりの主役はウィリアム・チェスター・マイナー(1834-1920)。軍医だったが、精神病を発症し、妄想から殺人をおかしてしまった。その後医療刑務所のなかにいて、16・17世紀の書物からOED用の例文をピックアップし続け、その完成に多大な貢献をした。ふたりは10年近くにわたって手紙のやりとりをしていたが、会ったことはなかった。本書のヤマ場は、1891年(俗説では1898年)、彼らが初めて対面する場

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    2025年05月11日
  • 精密への果てなき道 シリンダーからナノメートルEUVチップへ

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    人にスポットを当てながら精密さがどのように進歩してきたかを解説する本。各章に公差が振られており、段々と精密さが上がっていくのが面白かった。

    精密さを語るにつれて、長さの単位をどのように決めるべきかまで考える必要があるというのは確かにと感じた。

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    2024年09月14日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    ずっと読みたいなと思ってた作品やっと読めました!ノンフィクションはほぼ初めてでしたが、小説みたいにスリリングで臨場感高く、読み応え抜群でした!
    辞書編纂の仕事…いいなぁ
    辞書編纂ものの本は何気に今年4冊目?

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    2023年11月23日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    映画が面白そうだったので、映画を観る前に原作を読んでみた。
    オックスフォード英語大辞典(OED)の編纂のノンフィクション。事実は小説より奇なりというしかない。

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    2021年01月20日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    出町柳の古本屋さんで偶然見つけて購入.
    「オックスフォード英語大辞典」はよく知らなかったのだが,語源,意味の変遷を,時代ごとの大量の例文によって示した大辞典で,編纂には足かけ70年を要したという大作である.清の時代の康熙字典のようなものか.
    その編纂作業の中盤の中心人物であったマレー博士と,在野にありながら多大な貢献をしたマイナー博士の二人を描く.独学で言語学の第一人者となったマレーと,蔵書から大量の,しかも適切な例文を見つけて提供してくる謎の人物マイナー博士の交流には,何か胸が熱くなる.

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    2020年08月21日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    ネタバレ

    英国版「舟を編む」。でもぜんぜんほんわかしてない。ノッてくるまで時間かかったけど、OEDの構想が出てくる辺りからめちゃめちゃ面白かった!さすが英国、という気の長さとエキセントリックさ。

    シェークスピアの時代には辞書がなく、その用法があっているのか綴りはあっているのかなどを確かめる方法はなかった、というのは目から鱗。言葉が変化していったり誤用といわれたものがそうでなくなったりしていくのは、当たり前のことなんだな。
    OEDの、言葉は変わっていくものなのだから、辞書は言葉の間違いを正すものではなくあくまで言葉の歴史を記すものであるという姿勢はいいな。

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    2019年04月18日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話。サイモンウィンチェスター先生の著書。かの有名なオックスフォード英語大辞典は博士と狂人のたゆまぬ努力と共同作業で生まれた。博士と狂人とされているけれど、天才と狂人は紙一重とも言うし、博士と天才であったのかもしれませんね。

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    2018年08月13日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    オックスフォード英語辞典というものがあって、英語にはこういう凄い辞書があっていいなぁ~、日本語にもあれば良いのにとずっと思ってました。これはそのオックスフォード英語辞典の編集者とそのちょっと変わった寄稿者にお話。細かい感想は省くけどオックスフォード英語辞典がボランティアによる貢献を最初から計算に入れて作られる有様は今のオープンソースソフトウェアのやり方ととても似てて、ある意味先祖とも言えるんじゃないかな。

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    2013年06月09日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    一気に読み終わった。
    とある偶然があって、主人公の遺品が手元にある。こんな偶然が無くても「事実は小説よりも奇なり」を地でいった本書は、読むものを離さない。
    OEDについて多くの記述を期待するのは筋違い。これはある奇特な篤志編集者の奇妙な伝記です。

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    2012年10月07日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    ノンフィクションだから、さらに面白い人生のはなし。
    辞書を作ること、精神病のこと、マイナー博士のこと、三つの柱で展開されていく物語は思わず読み進めてしまう面白さです(*^^*)

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    2012年09月30日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    七十余年の歳月を費やして編纂された世界最大の英語大辞典(OED)。謎の協力者の数奇にして痛ましい人生。殺人者を許す妻。交差する博士と狂人の人生と変わらぬ友情。やがて関係者は全て世を去り不朽の名作だけが残る。事実は小説より奇なりの言葉が相応しい物語。ただ挿絵のマイナー博士の部屋が私の下宿の部屋に似ているのには苦笑。

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    2012年02月06日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    2011.10.10. おもしろかった!最初は、なかなか読み進むのが大変だったけど、中盤からページを繰るのももどかしくて。人生って、ドラマチックです。ふたりの出会いの奇跡を作ったのが、旦那を殺された奥さんだったとか、本当に事実は小説よりも奇なり!って、思う。

    2011.06. 言語学の先生がオススメしていたので。

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    2011年11月06日
  • 精密への果てなき道 シリンダーからナノメートルEUVチップへ

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    素描で認識される世界において、精密さが求められるのは、工学的な環境において。人間は完全なる再現性による安全安心、利便性を求めているからでもある。しかし、座標軸や時間軸の精密さは、人間や自然が、少なくとも今のコンピュータでは精密には規定し得ない存在だという事を却って浮き彫りにするようでもある。

    素描的な世界とは、線にゆらぎがあり、陰影に曖昧さがある世界。一方、工学が求めるのはCAD的=コンピュータ設計的な厳密に制御された空間。

    人間は常にこの両方を生きている。
    感覚の世界と制度・構造の世界。

    本書、『精密への果てなき道』は、この断絶を埋めようとした数世紀にわたる人類の試みの記録だ。精密さと

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    2025年06月23日
  • 精密への果てなき道 シリンダーからナノメートルEUVチップへ

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    蒸気機関から錠前、帆船の滑車ブロック、時計、銃、自動車、ジェットエンジン、ハップル望遠鏡、GPS、半導体チップと現在までの約250年間の「精密」に対するエンジニアの取り組みと発展を描くノンフィクション。読むまでは技術系の本でハードルが高いように思ったが、筆者自身のエピソードを盛り込んだり、必要以上にマニアックな技術には踏み込まないが必要最小限の技術は分かりやすく解説したりと、非常にバランスが良く面白く読めた。

    熟練工の多かったイギリスやフランスでは機械化が彼らに反対されていたが、その一方でアメリカには熟練工が少なかったため機械化工業が進展した、と良く言われているが、1853年にニューヨーク万

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    2025年02月22日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    英語の辞書をめぐる物語。

    映画を観て原作を知り、読みました。
    映画とはまた違ったところから始まるので、違う物語を読んでいるようでもありました。

    映画の時も『舟を編む』の時も思いましたが、小説が一から作っていくものだとしたら、辞書の編集はあるべき場所に収めるような感じでした。
    正確さが大事。

    それにしても当時の辞書の膨大なこと。
    何冊にも及ぶ辞書だそうなので持ち歩くなんて考えもしなかったのだろうな。

    そして映画でも挙げられてたけれど、マレー博士とマイナー博士の相対する感じが面白かったです。
    彼らの天才的な言語センスはどうやって生み出されるものなのか。母国語にすら、英語ひとつにすら苦労する

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    2020年12月13日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    今は、当たり前にあってその存在を疑うこともないものの一つに辞書、辞典があります。わからない言葉があれば、辞書や辞典を引くが当たり前に育てられてきました。少しの想像力があれば辞典を無から作ることが、とんでもない労力と時間がかかりそうで、一人で作りなさいと命じられたら、できっこないことを必死で泣きながら訴えるくせに、当たり前のように使っていました。ごめんなさい。

    本書は、英語辞典「オックスフォード英語辞典(OED)」が完成するまでの物語です。

    英語以外の辞書は、1225年にラテン語の辞書が出版、1612年にイタリア語の辞書が出版されていたようですが、英語のモノはなく、1692年に辞書や百科事典

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    2020年10月31日
  • 精密への果てなき道 シリンダーからナノメートルEUVチップへ

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    非常に読みにくい日本語だったが、読み物としては非常に面白かった。
    「精密」の歴史についてわかりやすく述べられていて、精密さのレベルに応じた逸話も面白いものが多かった。
    精密さを求めすぎることに対しての批判も述べられていたが、「工学」の視点によるものであり、そのアンチとして日本の手作りでの時計職人の話が述べられるなど、「人の手に負える」かどうかに重きを置きすぎているように思われる。

    仕事柄、「精密」に触れる機会が多いためちょっとしたうんちく話にも活用できそうだ

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    2020年06月06日
  • 精密への果てなき道 シリンダーからナノメートルEUVチップへ

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    ネタバレ

    現代社会が如何に精密工学に寄っているかを、技術史の観点で詳述。
    ヒトでは感知しえないレベルにまで、水準が進んでしまっている中、本当にどこまでやらないといけないんだろう、という疑問というか余韻が読後に残る。
    一方、最後の10章はまるまる日本。精工舎の工場見学の結果のあれこれと、人間国宝という制度がある我が国は、伝統というかあいまいさと工学的な精密さを両方それぞれに意味を見出し、許容する日本社会について、言われてみればそうかと気づく。日本リスペクトにあふれた本。

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    2019年11月11日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    あの殺人事件がなければオックスフォード英語大辞典(OED)はあの時期に発行されなかった、いやもっと極端に言うと、発行が頓挫してしまったかもしれない。こう書くとミステリー小説の惹句のように思えるが、実はこれはノンフィクション。OED編纂の中心人物と、彼に多大な協力を惜しまなかった人物の何とも数奇で切ない人生が意外な形で交差する。「事実は小説よりも奇なり」とはよく言われるが、その言葉がここまでぴったりはまる話はそうそうない。

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    2018年11月18日
  • 博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話

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    一人の男の一生の時間と、
    一人の男の精神と、
    一人の男の命を食い物にした辞書。
    その重みを改めて知ると、辞書の見方が変わりそう。

    電子辞書やオンライン辞書は、確かに便利だけれども、
    紙の辞書のほうがどうも好きなのは、
    多かれ少なかれ、辞書に関わる人々の「血」が感じられるからかもしれない。
    「言葉」を扱う本である限り、
    そこに人間的なものを感じたい、っていう
    私のささやかな本能なのかも。

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    2018年10月08日