堀田隆一のレビュー一覧
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非常に面白かった!
英語という言語が遂げたユニークな歴史、その変遷、そして昔英語を学び始めた時に感じた数々の「なぜ?」に対する回答(仮説)を知ることができる良著。
なぜ、綴りと発音が一致しない語が多いのか、逆に綴りが同じで発音が異なる語があるのか、三単現のsはなぜ付けるのか、不規則動詞や不規則な複数形はなぜ存在するのか、なぜSVOの語順なのか、などかつて自分の中にあった疑問の数々が解き明かされる心地よい読書体験。
そして、「なぜ英語だけ」と感じていた自分の勘違いにも気づけた。上に挙げたいくつかのなぜは日本語やその他の言語にも当然にある事象だったのだ、ということを知れたのはとても良かった。
英 -
Posted by ブクログ
ネタバレ言われてみれば、たしかに初学者の時は抱いていたかもしれない素朴な疑問は、英語史を遡って見ていくと答えのヒントが見つかる。たとえば、なぜ不定冠詞は母音で始まる単語にはanになるのか。母音が続くと発音しづらいから、でなんとなく説明された気になっていたけれど、母音が続く言葉なんていくらでもあるし、nがつく必然性もない。これはもともとoneだったものが変化してanになったもので、むしろanの方が本来の形に近く、子音で始まる言葉につくときに、子音連続を避けるために、あるいは意味的に弱い不定冠詞の語末音が弱化したからaになった、という説明が、通時的に見ればなされる。同じように、なぜ三単現のsがつくのか?と
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Posted by ブクログ
英語の歴史を通じて現代英語を学習するにあたって感じる疑問を解消してくれる。
特に印象的だったのは「なぜ〇〇は〇〇という表現をするのか」を考えるより「なぜ〇〇は〇〇という表現をしないのか」という視点が重要であるということ。
例えば不定冠詞「a」は母音で始まる単語の前では「an」になるがそちらが特別なのではなく「a」の方が元々あったnの音が抜けた特殊な形であるというのは初めて知った。
日本語で和語、漢語、カタカナ語の分類があるように英語も本来語、フランス語、ラテン・ギリシャ語で分かれていて、類義語の中でもそれぞれお硬い雰囲気を醸し出したり逆に親しみやすさを出したりとニュアンスが違うそう。
これを意 -
Posted by ブクログ
”大学生以上の英語学習者、大学学部・院で英語学を学ぶ学生、英語教員を主たる読者として想定し、「英語史」という歴史的な視点を前面に押し出して、素朴な疑問の解決に臨む”本。
英語の知識があることはもちろん、ブリテン島の歴史や、言語学の知識がある程度あったほうがよい。
帯には、
・なぜnameは「ナメ」ではなく「ネイム」と発音されるのか?
・なぜ-lyをつけると副詞になるのか?
・なぜ If I were a bird となるのか?
・なぜ Help me! とは叫ぶが Aid me? とは叫ばないのか?
・なぜアメリカ英語ではrをそり舌で発音するのか?
とあり、その疑問に対する説明を英語史的に -
Posted by ブクログ
英語の歴史。まずこのジャンルが確立されているものだという事を初めて認識。
もともとはケルト語派の人がすんでいたブリテン島であったが、まず五世紀頃 ゲルマン語系のアングロサクソン人が進出。アングル人の土地、と呼ばれるようになる。1066年にはフランス貴族によるノルマン征服でフランス語が上に置かれる。14世紀いこう英語は復権しシェイクスピアや英国そのものの勢力拡大で英語も影響力が拡大していく。
古い時代はノルド語、ラテン語、フランス語の借用が多く、綴りも統一性に欠けていた。これらの借用語は日本語の漢語に近く書き言葉として使われるケースがおおい。
an 名詞はもともとone 名詞であったた。