高橋祥子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
生命科学の様々なテクノロジーに対して、わからない、または怖いという考えを持ってしまうのは仕方のないことかもしれません。高橋氏は「時間」の概念を考えに入れることで、それらテクノロジーが社会へ応用されていく助けになると考えます。つまり、どんな風にテクノロジーが進化するのは分からないが、いつかはこうなるだろうーー例えばヒトゲノムがかんたんに読めるような世界が来るだろう、のようなーーと考えることによって、事前にテクノロジーと社会に関する議論を進められるというのです。
自分のことで考えると、もし、男の娘(トランスジェンダー)に関わる遺伝子がすべて判明して、身体性に合わせる薬が開発されたとしたら……という -
Posted by ブクログ
中高生のとき、生物の授業がとても苦手で、
暗記の少ない物理と化学に流れてしまった自分ですが、
ふとしたきっかけで生命科学に興味を持ち
(というより、教養として知っておく必要性が出てきて)、
手に取った一冊。
あんまり期待していなかったのですが、
想像以上に分かりやすく、面白い内容でした。
多少、著者のポジショントーク的な役割も果たしているのでしょうが、
科学初心者でも(ある程度は)理解できるように分かりやすく書かれています。
遺伝子解析や遺伝子研究は、テクノロジーの進化をもろに受け、
今とてもホットなトピックなんですね。
恥ずかしながら、自分は全く知りませんでしたが、
遺伝子研究の分野で起 -
Posted by ブクログ
遺伝子検査サービスの企業家の著書.知人が貸してくださったので読みました.
テクノロジーの進歩に関する話(1章)がとても面白かったです.
「個人の遺伝子情報が集められることに対する不安感は,携帯電話にGPS機能付帯が義務付けられた時の不安感と似ているのではないか」というような話があり,なるほど,と思いました.
確かに,一卵性双生児の顔は似ているので,著者が言うように,将来,顔貌とゲノムを結びつけることはできるかもしれません.一方で,「病気になるかどうかがゲノムだけで決まる訳ではない」という著者の話も,納得できるもっともな事だと思います.だからこそ,「年収や”モテ期”(?)とゲノムに関連を見いだ