小磯洋光のレビュー一覧
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「男性は様々な特権に恵まれているにも関わらず、そのことに気づいていない」という指摘は鋭く、耳が痛い。
そんな特権構造への告発から始まる本書は、男性優位を批判することに終始するものではない。インプリントされた「男性性」という枷がどういうものであるかを詳らかにし、新たなパラダイムへの転換を促す書だ。
例えば衣服への嗜好。いつの間にか、男性は黒や青、女性はピンク…といった枝分かれがなされる。しかしこれは社会的な価値観が影響しているのであって遺伝子的要因ではない、と喝破する。
マチズモとは相容れない私としては、この本に書かれていることには大変共感できる。
そして自分の中に内在するマチズモを客観的に -
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メモを取りラインを引き、3.4回読み返した。女性の書いた、フェミニズムに関する書籍はまあまあ読んできたのだが、男性がジェンダーについて書いたものを本として読むのはこれが初めてだった。とても新しくて、柔軟で、正直な内容で、すごく新鮮な気持ちになれた。
副題をつけるなら、「男性と女性。この支配的二元システムからの解放と新しい権利」とか。
自分は女で、フェミニストを自認している。小さな頃から、ジェンダーバイアスを意識してきた。
この、「意識する」という感覚自体が、男性にはあまり無かったのだという意見にハッとする。
なぜなら、今のこの状況が、昔からの「普通」で、「当たり前」だったから。
「どうして大 -
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フェミニズムについての本を読んだ事でまったく認識していないうちにごくごく普通だと思っていた事が実は女性がガマンしている事。だと知りこれはヤバいと考え、知る為に読むうちに逆に男性性というものも頭にこびりついてた所にこの本をたまたま書店で発見し、買おうかどうしようか迷ってたらジェーン・スーさんのラジオでも話題にあがったので購入した
読んだ感想としては「男らしさ」という鎖が存在してる事をまず認識。そしてそれを外そうとしてみたらなかなか鍵が外れないし一個外しても何重にも鎖が絡まっていて全てから解放されるのには時間がかなりかかりそう。←という事はわかったのでのんびり焦らずに吟味しながら外せる物は外してい -
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データ的な裏付けがやや薄い部分もあるけれど、著者の主張にはうなずけるところが多かった。
「default man(デフォルト・マン)」という言葉で、社会の中で“当然の立場”として扱われてきた男性像を可視化する視点はとても鋭い。
一方で、その「default man」たちが意識を変えるためのインセンティブが、現状の社会構造にはあまり備わっていない点は大きな課題だと思った。結局、価値観を更新するための仕組みがまだ社会の側に整っていないのだ。
また、トランスヴェスタイトのアーティストである著者がこうした主張を行っても、当の「default man」たちには届きにくいという構造的な矛盾もある。恐 -
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イギリス、そして男らしさ(ジェンダー)と言われると個人的に頭によぎる作品は「アドレセンス」と「ジェイミー」。この作品が生まれたイギリスの作家が書いた本と思うと、作品の土壌が少し見えてくるような気がする。(もちろん男性の男らしさというのはイギリスだけの話ではないのだけど)
「私が心配しているのは、苦しみと疎外感を抱えた若者たちがこういう書き込みを読んで(セックスが通貨であるような書き込み)、怒りを募らせ、暴力的な行動につなげやしないかということだ。」
アドレセンスはまさに著者のこの発言が現実になったような話だ。この本が書かれたのは2019年、そしてアドレセンスが作られたのがつい最近と思うと、この -
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今まで女らしさを強要されることに腹が立つことがあったけど、男の人も普通に生きてだけで男らしさを押し付けられたりすることがおおいんだなあと思った
子ども時代に親やまわりの大人から「男の子/女の子だからこうしろああしろ」とか言われて、それに何の疑問も持たず生きてたらその子が大人になった時にそれを子どもに押しつけるかもしれないし、そう言われることに疑問を持つ子どもは悩んだり生き辛くなったりするなと感じたし
外見のオスメスは生まれた時から決まってしまうけど、中身・性格はまわりが決めつけるんじゃなくその人がその人らしく生きてほしい
男らしく生きたい人は生きればいいし、バービー人形で遊んでもスポーツが得 -
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フェミニズムの話は読んだことがあったけれど、「男らしさ」についての話は読んだことがなかったので新鮮でした。
小さい頃から周りに吹き込まれたり、メディアの影響もあってか、男の子はこうあるべきとか女の子はこうあるべきとかなんとなくイメージするものはあるけれど、本当のところ、私は「男らしさ」とか「女らしさ」がよくわかっていません。
男だから、女だからというよりも人としてこうありたいな、こうあってほしいな、というのはありますが。
女性は色々変化しているし、せざるおえない状況だったんだろうと思うけど、男性が変わったというのは今ひとつ実感がわかないです。
男とか女とか関係なく人として相手を思いやり、助け合