ジュディス リッチ ハリスのレビュー一覧
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ネタバレ上に書かれていた内容と同様に、ここでも引き続き社会集団仮説が唱えられている。子供は親の影響よりも、共有している仲間集団の影響を強く受ける。ということだ。文化の継承においても同様のことが言える。例えば、家では正直者なのに、外では不誠実になる(仲間の影響)ということもある。親が家庭内でどれだけ丁寧に子育てをしても、家庭の外においてもその影響が続くとは限らないのだ。
ジェンダー論においても興味深い主張がされていた。(私は性差別者ではないです笑)筆者の主張では、やはり男女は異なる。実際に偏見と言われていることは正しいことが多い。女の子はおままごとをし、男の子は電車の模型で遊ぶ。ただ、勘違いしてはいけ -
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ネタバレ子供への親の影響が現代社会では過大評価されている。彼らの性格や家庭以外での振る舞いに対して、両親は永続的な影響を及ぼすことができない。という主張がこの方ではされている。
まあ、よく言われるのが「半分が遺伝で、半分が環境」。しかしこの主張は、いくつかの脆い。
まず、環境とは「遺伝によっても曲げられてしまう」。例えば、外向的な子と内向的な子。片方ずつ産んだ親は、それぞれに対する育児の方法は異なる。つまり、環境50%の中に遺伝的な要素が含まれている可能性がある。これを間接遺伝子作用という。(ここに関しては、ダニエルネトルも同様の主張をしていた気がする)実際、行動遺伝学の研究によって、親の行動は -
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生まれと育ちについて適当なことを言ってくる人にエビデンスで殴り返せるのでとても有用です。
行動遺伝学(双子の比較)や行動経済学、統計など論文もたどれるので便利。
これを肝に銘じて子育てしてる。
要約
「子どもの性格は生まれつき」
「遺伝子の組み合わせで決まるので、きょうだいでも違う」
「育てにくい子もいるけど、それも受精のときに決まることなので妊娠中の過ごし方とか親の育て方とか愛情の問題ではない」
「親子で性格が合わないこともある」
引用
「ジェンダー意識、すなわち自分が男の子であるか、それとも女の子であるかという意識は、その人に備わった性器の種類によって決まるものではない。ましてや親が -
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子供sj風団が成立すると、その集団固有の文化が自然発生する。親が移民同士で、共通言語を持たない子供同士でも、子供集団が成立し、新しい文化・言語が成立することがある(新しい手話言語の自然発生など)
ジェンダーの差は、大人社会が子供に押し付けるものではなく、子供集団において自然発生する。男の子集団と女の子集団が成立すると、ジェンダーの差が発生する。女子校のように女の子だけの場合は、ジェンダーの差は大きくならないし、逆に集団が小さすぎて女の子だけのグループが成立しない場合もジェンダーの差は発生しにくい。
固有の子供集団が成立すると、その集団は他の集団からの違いを際立たせる方向に集団文化を発達させ -
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見方としては面白いので一読の価値ありだが、研究としては甘いと感じた。
3000万語の格差という研究がある。沢山言葉が飛び交う家庭とそうでない家庭。前者で育った子の方が語彙を獲得する、という研究だ。本書ではこうした研究において、沢山言葉が飛び交う家庭ならば、社会文化的地位が高い可能性があり、遺伝子的にも優れた可能性があるから、沢山言葉を発さなくても子どもは言葉を獲得したのではないか
と疑問を呈する。
たしかにな、と思う一方で、本書でも取り上げられたように帰無仮説、否定的な内容を立証することは出来ない。また、
結局、「重要なのは親じゃない"こともある"」までしか主張できないは -
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新版になって、読みやすくなった。
子供の性格は遺伝子が約半分を担っているが、残り半分は環境に影響される。
環境のうち行動様式や言葉遣いに重要な影響を与えるのは、親から子への伝承ではなく、子供の仲間からの伝承である。
伝統社会で、年齢を超えた子供同士の社会が存在する場合は、文化は、子供社会内で時代を超えて受け継がれていく。
近代社会で、子供同士の社会が、年齢で輪切りにされている場合は、有力な親集団から子供社会へ、そして子供社会内で文化が伝えられていく。
移民が多く住む地域にいれば、子供社会も移民文化を受け継ぐので、移民の文化が保存されるが、移民家族が、同じ文化の移民があまりいない地域に移住する -
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『サピエンス全史』を買う金がなかったらこれ読んどけ、くらいの当たり本。
子育てハウツー本ではありません。
・・・そして、読みやすい本でもありません。
これは、科学と研究手法に対するちゃぶ台返しの仕方が書かれている本です。執筆において挫折と恨みを情熱の燃料に投入するちょっと扁壺なおばあちゃん(在野の方です。つまり、一般人。)の稀有な研究書。引用やテーマは縦横無尽。発達心理から人類学、統計、ジェンダー論まで筆者の粘着質な追及が冴え渡る!
子育て中の人はこれを読めば肩の力が抜けるはずです。
子育て終えたみなさんには、自分の子育ての結果についてあまり思い悩むことのなくなる胃薬みたいな本。
そして -
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子供の社会化への親の影響度合いをどう考えるかを社会心理学や行動遺伝学の様々な研究結果を基に考察。
従来では親が子供の性格を決める重要な役割を担っている(子育て神話)と言う思想が一般的であったが,永続的な性格という点においては親の影響は限定的であるという説を提唱している。
影響を及ぼさないのではなく,限定的であるという点がミソである。当然ながら乳幼児期の愛着の形成は子供の発達にとても重要な役割を果たす。
研究結果->知識人のpickup->世論 という流れで様々な思想は広まっていくが,この分野はそもそもの研究結果自体が確実でなく,一見正反対に見える様々な意見が乱立している。
結局 -
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ネタバレ・スキナーの行動主義が強かった時代には、泣いている赤ちゃんを抱き上げるという行為は抱き上げることで泣くという行為を強化する、として戒められていた。今は全く逆のことが言われている。
・そもそもこうした社会科学の研究ではコントロールを置くこともできないので因果関係を立証することは甚だ困難だ。親が叩くから難しい子になるのか、難しい子だから叩かれるのか、はっきり立証されないまま一般的に正しい意見とされていることが非常に多い。
・人の心理的特徴はその50%が遺伝の、50%が環境の作用による。環境には家庭などの共有環境と、友人関係などの非共有環境がある。しかし1970年代にはアメリカの心理学は行動主義 -
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ネタバレ親の養育によって子供の人格は型作られるという、「子育て神話」に対する反論として有名な本。
いわゆる社会科学に対する方法論上のツッコミ(実験ができないのに相関関係を因果関係とみなしがち)など冗長な部分も多いが、主張としては以下の三点
・子供の性格形成に親はほとんど無関係。親と似るところはあるが、その理由は遺伝子を受け継ぐことと、親と同じ文化に属するからにすぎない。
・子供の社会化、性格形成は家庭外での経験、すなわち仲間との共有環境による
・人の行動パターンは一般化されにくい。家庭での行動は家庭内だけで有効な行動で、子どもたちは新しい状況では現状に即した新しい行動パターンを身につける