阿部岳のレビュー一覧
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これ以外のタイトルは無かった、と思えるほどの説得力で語られる暴力。
本土の人にも知っておいてほしいけど(半ば諦めてるけど)、沖縄の人たちも、立場上難しい人たちも(自分もそう)、知っておくべき事実がある。この本でも語られていたように誰かの視点は必ずその人なりに偏っているもので、見方が変われば見え方も変わるけど、紛れもない暴力があの小さな集落に容赦なく振るわれた事実と、そこから見えるこの国の立ち振る舞い。知った上で、考えて、動き出すべき、かも。俺も。
個人的ハイライトは、高江区長と向き合った稲田大臣の一言。この国とあの国の関係が、ハッキリわかる。笑いも出ない。 -
Posted by ブクログ
この作品は、東日本大震災後10年後の福島と、戦後基地問題にゆれる沖縄の問題をジャーナリストの三浦英之さんと、阿部岳さんが提起したものになっています。
折しも、東京オリンピックやコロナ禍…首相や福島や沖縄の各地域の首長はこの時期どのような対応をしたのか…。もう、私もずっと感じてきたことだけれど、首相の記者会見、原稿を読んでいるだけじゃん!国会も同じだし…見る価値あるのかな…?そんな思いを抱いてきました。だから見ないし…それじゃ、政治への不信感は私だけでなく皆が抱えるものになっていますよね!でも、かつての福島や沖縄の各地域の首長は、自らの命を縮めるような必死さを持って基地や原発者問題に真摯に -
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沖縄における米軍基地問題、敗戦後の日本は本土と沖縄との間で差別と尊厳蹂躙を繰り返している。米国と日本の対立ではなく地元住民と公権力の国内紛争として絶え間なく続いている。ここでは主に高江のヘリパッド建設における様々な言動が描かれる。弱者を助けるのは誰なのか、それは本土で安穏とする私たちの課題となる。威勢が良い言葉を吐く為政者はあまりに空虚であり、日常を虐げられる住民は気高く映し出される。正誤を問うのではない、優しさが宿っているか否か、突き詰めていくと生きる真価はそこにある。沖縄差別は何も解決していないが、筆者阿部岳の抗う言葉によって優しさに触れることができる。
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Posted by ブクログ
映画「新聞記者」で描かれている現実が
加速している気が強くする。
ミャンマーのことが他人ごとでなく
アフガニスタンのことも他人ごとでなく、
良く言われることだが
気が付いた時には すでに遅し
になってしまわぬように
三浦英之さん、阿部岳さん、
宮崎園子さん、安田菜津紀さん
のような 記者さんが
特別ではなく
当たり前に活動している
そんな世の中を
私たち一人一人がもっと強く意識していかなければ
と 改めて思ってしまう
三浦さん、阿部さんたちが
つながっていくように
私たちも 私たちの隣人たちと
つながっておかなければ
と 思わせてもらった