織部泰助のレビュー一覧
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本作に通底しているのは、死者が生者と同じ地平に存在していることの「自然さ」と、その奥に潜む拭いがたい異様さである。本作において死者は、恐怖の対象であると同時に、愛しみや未練の対象としても描かれている。大切な人を失いたくないという切実で純粋な願いが、やがて死を引き寄せ、取り返しのつかない歪みを生んでいく。その過程は、どんな怪異よりも現実的で、そして深く胸に迫る悲しさを伴っている。
古びた家屋の軋む音や、湿り気を帯びた雨の匂い、さらには死者の髪や血といった生々しいモチーフが、山白朝子の筆致によって、どこか幻想的で静謐な美しさを帯びて立ち現れる「風景」。残酷な出来事が描かれていても、その背後には常 -
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ネタバレ舞台の雰囲気は金田一耕助を彷彿とさせた。
といってもスマホもドラレコも普通に出てくる現代ものなので感覚はやや混乱したが。
ホラーなのか、現実的に解ける事件なのか。
真相かと思ったらひっくり返されることが多々あったし、ホラー文庫なので、非現実的な存在でひっくり返してくるかもと警戒しつつ読書。
一応ちゃんと解ける事件かな。
現実的かどうかはさておき。
関係者も多いし。
主人公は探偵役ではなく、寧ろ終盤の空回りとやらかしが哀れになるほど、どちらかというと読者の立場に近い。
謎解きは途中から現れた怪談師の無妙の役目。
驚いたのはこの無妙の正体。
最後の最後でしてやられた。
事件よりはその背景にあ -
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妙な事件があり、容疑者の家を訪ねれば
事件をなぞるような本があった。
本が先、なのですがw
語られている『彼』の心境と、事件を追う二人の刑事。
一体『彼』は誰なのか。
どういう状況なのか。
『彼』に該当しそうなのは当然…と思って読んでいると
もしかしてこっち? あっち? と、人物の特定が
困難になって、あやふやになってきます。
さらには、驚きの現実、というのもありますが
再婚、子供、ときたら、うっかりの思い込みは…。
なかなかに、思い込みを捨てて
全ての可能性を考えないと、きついです。
犯人を捜すミステリーというわけではないので
そこはもう、騙されながら読んだ方がいいですが。