道籏泰三のレビュー一覧

  • 中上健次短篇集

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    脳みそを鷲掴みにされて、ぐらぐらと揺らされている。
    お前は怒らないのか。悲しまないのか。問われているように感じた。

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    2025年09月16日
  • 中上健次短篇集

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    粗雑だけれども力強い。そういう文章を綴る数少ない作家の一人ではないかと思います。妙に洒落た表現はないけれど、妙に心に響く文章を書く、そんな感じです。この短編集に収録された作品の殆どは読んだことのある短編でしたが、だからこそ安心して読めたし、思い出して噛み締めながら読めました。力を与えてほしいときは、ぜひ。

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    2024年01月23日
  • 中上健次短篇集

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    中上健次の短編の中から10編を選ぶときに、どう血迷ったらこの選択になるのだろうという疑問が尽きないのだが(とくに初期短編)、それでも岩波文庫にラインナップされたということは慶事だ。

    作家の初期短編と、円熟期の代表作を一冊に並べてみれば誰しもそうなのだろうが、そんな中でも中上健次の作品の変貌ぶり、質的な飛躍は唸らされる。若書きにしてもひどいものが多々ある作家だと感じるが、本短編集に収められた、円熟期の「重力の都」「ラプラタ奇譚」の質たるやどうだろうか。

    久々に読み返したが、文が芸であるという意味においてここが最高峰だろうと思う。

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    2023年09月16日
  • 空吹く風/暗黒天使と小悪魔/愛と憎しみの傷に 田中英光デカダン作品集

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    人間のもつ二面性がよく描き出されている。田中英光、そして太宰といった退廃的生活を送ったような者にも、美意識というか、定規で線を引いて描画したような内面が存在する。だからこそ、美意識と現実での堕落の乖離に苦しみ、死を求めるようになったのかしらと思った。

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    2022年06月24日