【感想・ネタバレ】空吹く風/暗黒天使と小悪魔/愛と憎しみの傷に 田中英光デカダン作品集のレビュー

あらすじ

太宰治をして「この荒れ果てた竹藪の中にはかぐや姫がいる」と言わしめた「空吹く風」、戦後の混乱の中で春をひさぐ女たちに真実の愛を夢想する「暗黒天使と小悪魔」、運命の女との愛欲の果てに傷害事件に至る顛末を描いた「愛と憎しみの傷に」。共産党の活動など生きる意味への絶望ゆえか女に溺れ、薬と酒で破滅へと突き進んでいく自らの姿を見据え、人間の本性を浮き彫りにする小説集。

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Posted by ブクログ

人間のもつ二面性がよく描き出されている。田中英光、そして太宰といった退廃的生活を送ったような者にも、美意識というか、定規で線を引いて描画したような内面が存在する。だからこそ、美意識と現実での堕落の乖離に苦しみ、死を求めるようになったのかしらと思った。

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2022年06月24日

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