【感想・ネタバレ】中上健次短篇集のレビュー

あらすじ

戦後生まれの代表的な作家となった中上健次(1946-1992)は,郷里・熊野と土地に根差した一族への痛切なこだわりを終生いだき続けた.圧倒的なまでの暴力と性の奔流――中上の憤怒と哀しみは,やがて人間への優しさに昇華されていく.初期の代表作「十九歳の地図」や,「楽土」「ラプラタ綺譚」等,雄勁と繊細の織りなす短篇10篇を精選.

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Posted by ブクログ

脳みそを鷲掴みにされて、ぐらぐらと揺らされている。
お前は怒らないのか。悲しまないのか。問われているように感じた。

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2025年09月16日

Posted by ブクログ

粗雑だけれども力強い。そういう文章を綴る数少ない作家の一人ではないかと思います。妙に洒落た表現はないけれど、妙に心に響く文章を書く、そんな感じです。この短編集に収録された作品の殆どは読んだことのある短編でしたが、だからこそ安心して読めたし、思い出して噛み締めながら読めました。力を与えてほしいときは、ぜひ。

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2024年01月23日

Posted by ブクログ

中上健次の短編の中から10編を選ぶときに、どう血迷ったらこの選択になるのだろうという疑問が尽きないのだが(とくに初期短編)、それでも岩波文庫にラインナップされたということは慶事だ。

作家の初期短編と、円熟期の代表作を一冊に並べてみれば誰しもそうなのだろうが、そんな中でも中上健次の作品の変貌ぶり、質的な飛躍は唸らされる。若書きにしてもひどいものが多々ある作家だと感じるが、本短編集に収められた、円熟期の「重力の都」「ラプラタ奇譚」の質たるやどうだろうか。

久々に読み返したが、文が芸であるという意味においてここが最高峰だろうと思う。

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2023年09月16日

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