北川和代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
極近年に発表された作品で、「最近の街の様子」を背景とした、題名にも在るようにベルリンが舞台のスリリングな物語だ。
ねぐらにしていたビルの一室から見えているアパートの部屋で、女が殴り殺されたかもしれないという様子を視てしまったガーナ出身で「不法滞在」の男、コージョ。犯行を犯したと見受けられる人物も偶々視たが、同時にコージョも近隣住民に姿を視られた。結果、「殺人の被疑者と見受けられる」という状況に陥り、「不法滞在」という現状の中で窮してしまうのだ。
コージョが友人達の協力を得て出くわした“真犯人”の正体を探ろうとする「探偵」のような活動をする部分と、色々な方面から各々の事由で「追われる」ということ -
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Posted by ブクログ
ベルリンを舞台にしたランニング・アクション・ミステリー。全編よく走る主人公コージョは、ガーナ出身の不法滞在者。イリーガルな世界の住人が目撃してしまった殺人。
まるでヒッチコックの裏窓のようなシチュエイション。アパートの窓に見てしまった殺人。殴り殺される女。見る側は空き家に棲みついた不法滞在者。入国許可証を持たぬ有色人種ゆえに、常に司法の眼から逃れ、ベルリンの地下で生息する若者。と言ったって三十に手が届く。家族を捨て、家族に捨てられる漂流物のような人生。ガーナに帰ることは考えられない。
とにかく警察がわけもなく移民たちを追いまわす。移民たちは、ベルリンの影を走り回る。何らかの罪を背負い -
Posted by ブクログ
珍しいオーストリアのミステリ。
レミングとあだ名される元警官が巻き込まれた事件は?
警官時代に犯人を追いかけて夢中になり、犯人が乗った車の前に飛び出してしまった主人公。
嫌味な上司に大笑いされ、集団自殺する性質があると言われる小動物「レミング」だと。
この警部がパワハラ男で、それどころか延々サイテー野郎でい続けるのが迫力あり過ぎ(笑)
でもこんなひどいの、実際にもいるんだゼっていうブラックジョーク的な?
レミングはちょっとおっちょこちょいで不運だが、気は優しい。
たまたま森の中で奇怪な跳ねまわり方をしている大型犬に出会い、電車で隣に乗ってまで家について来られてしまう。笑える映画みたいなシー -
Posted by ブクログ
車で逃走する犯人の前に飛び出した主人公。なにやら犯人が止まる確信があった。
ボクは死にましぇん!
それを見ていた相棒刑事、犯人のこめかみに鉛弾をくらわす。犯人お陀仏。人を殺しても良心の呵責をちっとも感じない相棒は、主人公にむかってあざけりの言葉を吐く。お前いかれてんのか!?
集団で海に飛び込んで自殺するという、わけのわからぬ習性のあるネズミのレミングにちなんで、お前のあだ名はレミングだ!と相成り候。
日本だったら間違いなく鉄矢となりそうだが、この小説の舞台はオーストリアなのでなりません。
この小説、邦訳でよくわからない表現が多く、読みづらいのが難点。誰だこの訳者は?と