立木勝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
クズネッツ仮説というものがある。所得水準と所得格差の関係を示したもので、所得格差、すなわち、不平等は、所得が十分に高まったあとは縮小に向かい、低い水準に留まるとしている。
縦軸に格差/不平等の程度(ジニ係数という数値で表されることが多い)、横軸に所得水準をとり、上記の考え方に沿ってグラフを描けば、逆U字型のカーブを描くことになる。これをクズネッツ曲線と呼ぶ。
このクズネッツ仮説は、おおむね1980年前後までは、先進各国の状況に、あてはまっていたが、それから以降の状況を説明できない。アメリカ、イギリス、スペイン、イタリア、日本、オランダといった先進国の統計を調べると、1980年前後までは、クズネ -
Posted by ブクログ
【金持ち課税】
経済階層と税制のお話。
異なる階層に課税する場合の考え方は3種類。①平等(比例)②支払い能力による累進③補償による累進。
現在では当然のように支払い能力に応じた税を課しているものの、その根拠は薄弱。取立てられるとこから徴収する、程度のものでしかない。
歴史を紐解くと、累進課税を積極的に選択したのは、国民の多数が参加する大規模戦争時のみ。労働階級による血税の提供に対して、一部の資本家階級だけが、国家が与えるチャンスに資産を増大させた時。翻って現在、補償が必要となる同様な事態は、ない。現実が示すとおり、課税の累進性は逆行しつつある。
累進課税が必要であれば、補償の新たな概念を示すべ -
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Posted by ブクログ
すげー面白そうなタイトル。
目次を見ても、
取り上げられる経済学者はケネー、アダム・スミス、リカード、マルクス、パレート、クズネッツ。
一応経済学部卒の私は知ってなきゃいけない古典経済学の学者たち、
そしてフリードマンやピケティの名前も出てくる。
自分の問題意識からして、この400ページの分厚い本、何とか食い下がれるかと思ったが、、、
手も足も出なかった。
せいぜいわかったのは、
古典経済学者の人たちは、階級による格差はあまり気にしてない、ってことか。
階級は前提。経済学者はみな恵まれた立場にいるのだ。
でもそれだけじゃねえ、、、
まあ私の持論は、、、
所得格差は実力だけじゃなく運によ -
Posted by ブクログ
毎度反省するが、ちょっと勉強しようと思って、新書感覚で外国の研究者の、「一般向け」本を手に取ると後悔する。
事例が多すぎて、回り道が長くって、何言ってんのか道に迷う。
訳者の問題があるのかもしれないが。
初期デモクラシーと、初期オートクラシーの発生の原因を、社会と国家の力学、徴税のために地方の力が必要か、官僚制で行ったかということを軸に置いてると思うんだが。
歴史的な、あそこはこう、そこはこういう説明ができると、はれほれひれはれで、少なくとも出勤電車内で数日に分けて読むとなんだっけに陥った。
欧州にデモクラシーが発展したのは、農耕を中心とした文化が遅れたからだってのは驚いたな。じゃあなん -